『日清日露の戦争 (コレクション 戦争×文学)』
萩原 朔太郎、山城 正忠、宇野 千代、新田 次郎、津原 泰水、その他(著)
2017
2/27
月曜日

(コレクション 戦争x文学)シリーズから6作品目。今回は日清・日露にフォーカスしている。維新以降、日清・日露が結果的に勝ち戦となったことによる陸軍の奢り、肥大化、独裁化は、大東亜戦争を通して破滅街道驀地、無理矢理押し切る天皇の統帥権も強行発令もされ続けた。本書、21篇が編まれており、いろいろな花の香りや血生臭さの臭み、そして時代・時世の風合いを醸しており、エネルギッシュである。

文学として小説として、心にしみたものを数点挙げるとすれば、
 ・九年母 山城正忠
 ・出る幕 獅子文六
 ・尼港の桃 久世光彦
 ・物安相飯ととんかつ もりたなるお
あたりか。本書も戦争×文学としてお勧めである。

萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』
山城正忠  『九年母』
泉 鏡花  『凱旋祭』
岩井志麻子 『依って件の如し』
田山花袋  『一兵卒』
宇野千代  『日露の戦聞書』
新田次郎  『長崎のハナノフ』
森 鴎外  『鼠坂』
新美南吉  『張紅倫』
稲垣足穂  『人工戦争』
津原泰水  『土の枕』
矢野一也  『誰殺了』
木村 毅  『兎と妓生と』
松岡静雄  『南国の思出』
長与善郎  『誰でも知っている』
黒島伝治  『橇』
久世光彦  『尼港の桃』
陳舜臣   『その人にあらず』
獅子文六  『出る幕』
もりたなるお『物相飯とトンカツ』
石川 淳  『マルスの歌』
◎詩歌 与謝野晶子『君死にたまふこと勿れ』 中里介山『乱調激韵』 阪井久良岐(川柳) 井上剣花坊(川柳)

コレクション 戦争x文学   
現代編 テーマ編
1 朝鮮戦争 11 軍隊と人間
2 ベトナム戦争 12 戦争の深淵
3 冷戦の時代 13 使者たちの語り
4 9.11変容する戦争 14 女性たちの戦争
5 イマジネーションの戦争 15 戦時下の青春
- 近代編 - 地域編
6 日清日日露の戦争 16 満州の光と影
7 日中戦争 17 帝国日本と朝鮮・樺太
8 アジア太平洋戦争 18 帝国利本と台湾・南方
9 さまざまな8.15 19 ヒロシマ・ナガサキ
10 オキュパイドジャパン 20 オキナワ終わらぬ戦争

日清日露の戦争 (コレクション 戦争×文学)
萩原 朔太郎 山城 正忠 宇野 千代 新田 次郎 津原 泰水 木村 毅 矢野 一也 松岡 静雄 長与 善郎 黒島 伝治 久世 光彦 陳 舜臣 泉 鏡花 獅子 文六 もりた なるお 石川 淳 岩井 志麻子 与謝野 晶子 中里 介山 田山 花袋 森 鴎外 新美 南吉 稲垣 足穂
408157006X
登録情報
単行本: 304ページ
出版社: 集英社 (2011/10/5)
言語: 日本語
ISBN-10: 408157006X
ISBN-13: 978-4081570065
発売日: 2011/10/5

内容紹介
近代日本の「戦争の時代」の幕が開く
国家として最初の対外戦争で清国に勝利して以降、大陸侵攻を続け、軍国主義に傾いていく大日本帝国の姿を、萩原朔太郎や森鴎外から、久世光彦、岩井志麻子まで、古今の作家が多面的に切り取る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
萩原/朔太郎
1886(明19)・11・1~1942(昭17)・5・11群馬生。県立前橋中(現・県立前橋高)卒。旧制五高(現・熊本大)、六高(現・岡山大)、慶大予科に入学するもいずれも中退。中学三年頃から短歌を詠み始める。「明星」「スバル」などに短歌を投稿。1913年、北原白秋主宰の雑誌「朱欒」に五編の詩が掲載される。17年、第一詩集「月に吠える」を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)






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