『The Customer Journey
「選ばれるブランド」になる マーケティングの新技法を大解説』加藤 希尊(著)
2016
11/17
木曜日

デザイン思考に関連し2冊目。自分の備忘録的色合い濃厚。しかし、マーケッター、マーケティングに身を置く業界人であれば、先刻承知かもしれないが、マスマーケティングで多量生産・多量消費の図式は既に崩壊し、デジタル・デバイスの浸透とスマート化、あらゆるものがIoT化するなかで、顧客接点が企業側視点から顧客視点にシフトしてきたことを自明の理的に知らしめられる時世である。その中で、従来のマーケティングではどうなんだ、という観点でカスタマージャーニーという軸が生まれた。日本企業には根付きの弱いCMO(最高マーケッティング責任者)の元、戦略的に即効的に独断的に迅速的に【マーケット】を煮詰める時代である。カスタマージャーニーマップまで描画できている企業は希だろう。まだ組織的縦割り社会、チャネル別意識が濃密だと僕は感じるからである。戦陣的なアイデアを商品化して優位性を保ったとしても、製品開発費用を回収しない間に二番手・三番手の類似競争に晒される。まさにコモディティ化であって、価格競争→価格破壊と沸騰していく。まあ、いいじゃない。潮流のキーワードも意識して読み解くにはお勧めの本書。しかし、マーケティングに関連しない人には猫コバ・糠釘かもしれない。

■カスタマージャーニーとは
「顧客が購入に至るプロセス」のこと
顧客がどのように商品やブランドと接点を持って認知し、関心を持ち、購入意欲を喚起されて購買や登録などに至るのかという道筋を旅に例え、顧客の行動や心理を時系列的に可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」と言います。(出展:LISKUL)

顧客の一連のブランド体験を旅にたとえた言葉。顧客がブランドや商品を認知、購買、再購入する段階で、ブランドが提供する接点を行き来する一連のプロセスを意味する。(本書)

■何故に、カスタマージャーニーなのか?
企業都合ではなく、お客様視点で企業のあり方を見直す考え方。お客様視点とは、相手の立場になって感受性を高め、これをされたら嬉しいとか、嫌だろうなという気持ちを理解する努力。

■カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとはユーザーがサービスを利用する際にユーザーが接する様々な段階のタッチポイントと、 その時生じる感情の起伏をサービス利用時の流れに沿って視覚化するツール。 他のツールとの相違点としては、ユーザーを取り巻く環境をわかりやすく理解することに重点を置いていることである。(出展:ウィッキペディア)

顧客のブランド体験を時系列で「行動」「感情」「接点」などの観点で課しかした資料(本書)


■CMO
Chief Markething Officer,最高マーケティング責任者

■スマート化による価値シフト
マスプロダクト、マスサービスの発想(作れば売れる時代は崩壊した、大量生産、大量消費)から、ワン・トゥ・ワンのサービスやプロダクト、一人ひとりに適した貴重な体験に、価値がシフトしている。

■コモディティ化
コモディティとは日用品や生活必需品を意味する。
コモディティ化とは、あるジャンルの商品を幅広く入手でき、代替品でも対応が可能ということ。
コモディティ化した商品とは、市場に登場した際は独自性を発揮していても、時間の経過とともに競争の中で強みが失われ、日用品化してしまった商品。
消費者の立場で言えば、商品がコモディティ化する状況は歓迎すべきこと。商品のクオリティはニーズを満たすレベルで平準化され、価格帯も購入しやすく、流通経路は整備されている状況。

■モノのインターネット化
IoT:(Internet of Things)
身の回りにある様々なモノに通信機能が組み込まれ、直接インターネットにつながり、モノ同士が相互に通信できるようになる仕組み

The Customer Journey 「選ばれるブランド」になる マーケティングの新技法を大解説
加藤 希尊
4883353427
登録情報
単行本: 261ページ
出版社: 宣伝会議 (2016/4/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4883353427
ISBN-13: 978-4883353422
発売日: 2016/4/15
内容紹介
The Customer Journey(ザ カスタマージャーニー)


企業と消費者の接点がデジタルチャネルの浸透により格段増え、情報収集・購買における意思決定のプロセスが激変している。
お客さまが理解できないという課題を抱える企業が増える中で、注目されるのが「カスタマージャーニー」という考え方。
2014年11月に日本のトップマーケター同士が集える場として設立した「JAPAN CMO CLUB」の活動を通じて、見えてきたデジタル時代に実現すべき、顧客起点のマーケティングの実践論、方法論を解説。
これまでCLUBに参加した約50の企業の中から、30ブランドのマーケターが考える、カスタマージャーニーも収録。


【目次】
はじめに
第1章 スマート化がもたらした価値シフト
第2章 コモディティ化で急速に失われる商品価値
第3章 人口減少で変化するマーケティング
第4章 マーケティングのチャレンジと期待
第5章 マーケターの集合知をつくる JAPAN CMO CLUBの設立
第6章 JAPAN CMO CLUB発 クロスブランドのチャレンジ
第7章 カスタマージャーニーを実現する組織を考える
第8章 30社のカスタマージャーニーと重要な瞬間
第9章 競争優位なカスタマージャーニーをつくろう
おわりに






Copyright (C) 2016 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.