『見知らぬ妻へ』浅田 次郎(著) 2016
7/15
金曜日

浅田次郎の7篇の短篇集。浅田次郎氏の小説は読みやすい。
何故、読みやすいと感じるのか?
→プロの作家であるからである。
プロの作家とは何か?
→プロットに起伏がある
→感動曲線、アルゴリズムを計算している
→心情を動作で書く
→すべてを書かない→余韻(想像エリア)を読み手に残してシーンを変える
→ゴテゴテと装飾しない描写となっている
→中編を削ぎに削ぎ落とした如くな短篇に仕上げる
→心憎い熟語と喩えを織り込む
→季節・風景の記述がさり気に挿入されている
逆にこれらのことが含蓄されているから、プロの作家たるべき、とも言えよう。

短篇の方が長編より作家の実力がより問われるのではないかと僕は感じている。
「かくれんぼ」、「迷惑な死体」は秀作でしょう。

見知らぬ妻へ
浅田 次郎
433492297X
登録情報
単行本: 272ページ
出版社: 光文社 (1998/05)
言語: 日本語
ISBN-10: 433492297X
ISBN-13: 978-4334922979
発売日: 1998/05

内容(「MARC」データベースより)
5年前に離婚し、東京のボッタクリバーに客を回す仕事をしている花田は、手配師の土橋に頼まれて、中国人女性と結婚することになるが…。表題作「見知らぬ妻へ」のほか、7編を収録した短編集。






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