『新選組血風録』司馬遼太郎(著) 2016
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水曜日

幕末の新撰組に登場する人物を扱ったもの。一五篇が編まれている。
 ・油小路の決闘
 ・芹沢鴨の暗殺
 ・長州の間者
 ・池田屋異聞
 ・鴨川銭取橋
 ・虎徹
 ・前髪の惣三郎
 ・胡紗笛を吹く武士
 ・三条磧乱刃
 ・海仏寺党異聞
 ・沖田総司の恋
 ・槍は宝倉院流
 ・弥兵衛奮迅
 ・四斤山砲
 ・菊一文字
そこそこは面白いのだが・・
人斬りに天国はない。
来世ではしっぺ返しを喰らうだろう。

新選組血風録 〈改版〉 (中公文庫)
司馬遼太郎
B010FHEFH6
登録情報
単行本: 489ページ
出版社: 中央公論新社; 新装改版 (1999/11/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4120029522
ISBN-13: 978-4120029523
発売日: 1999/11/10

商品説明
『竜馬がゆく』『燃えよ剣』の2作の長編小説が立て続けに発表された1962年(昭和37年)は、司馬遼太郎の目が「幕末」という動乱に向いていた年である。同年5月に連載が始まった本書は、その先駆けとなった作品だ。斎藤一、加納惣三郎、井上源三郎、沖田総司などの新選組隊士たちの生き様15編を、抑制の効いた筆致で描ききった連作短編集である。そこには、司馬が追い求めた「漢(おとこ)」の姿が息づいている。

生きては戻れぬ死闘を前にしながら、ひょうひょうと振舞う篠原泰之進。好きな女のために新選組にもぐりこみ、惨殺される深町新作。池田屋事変で一番の活躍をしながらも、その運命にもてあそばれているような寂しさを漂わせる山崎蒸。武芸で身を立てることに戸惑いながらも、敵方にひとりで切り込んでいく長坂小十郎。時代に逆らって生きる個性豊かな隊士たちは、いずれも無骨で、真っ直ぐで、さわやかだ。

なかでも、「沖田総司の恋」「菊一文字」で、沖田への不器用な心配りを見せる近藤勇と土方歳三の姿が印象深い。「総司のことになると目が曇る」近藤と土方の姿を、おかしみさえ滲ませながら人間臭く描くことで、司馬は、激しい風雲に飲み込まれざるをえなかった者たちの悲劇をいっそう際立たせている。新選組という「類のない異様な」集団を多角的な視座を用いてとらえた本書は、1個人の人生から、歴史の壮大なうねりを照らす司馬の持ち味が、いかんなく発揮された傑作である。






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