『マナーの正体』角田光代(他) 2016
3/17
木曜日

本屋で平積みにしてあった本書、興味をそそられ買った。複数の「マナー」を題材としたエッセイで、頭休めにしようと思った。今年はもっぱら歴史小説を読み続けているが、緊張感を強いられる、のであって、だらっと体たらくでは物語に集中できない。よって、頭も気分転換する必要があるのである。

本書、読売新聞、火曜夕刊「たしなみ」欄に掲載されたものである。

さて、エッセイとは如何なものか?
・知識をひけらかすタイプ
・経験を元に展開するタイプ
・あたかも自分が観てきたように伝えるタイプ
・オーソドックスに起承転結に則るタイプ
・専門知識を活かして持論を展開するタイプ
・季節や事件を題材に、旬を扱うタイプ

等々あるが、落としどころも様々で、最後の数行が全体の体を整える、伝えたいメッセージを根付かせる、読み手に問題を提起し考える間を作る、暖かな勇気と希望を散らす、など締め括りとして大事な肝である。

テーマの分類としては(一部)、
・ニッチを生きる・・
・我が身を愛でる・・
・色こそすべてだ・・
・エレガントに闘う・・
・愛を暖める・・
・死と祈り会う・・
・忘れんぼうと・・
とまだまだ続く。

本書に寄稿しているのは、
 綿矢 りさ <小説家>
 乃南 アサ <小説家>
 高野 秀行 <ノンフィクション作家、翻訳家>
 さだまさし <シンガーソングライター、作家>
 角田 光代 <小説家>
 逢坂 剛 <小説家>
 福岡 伸一 <生物学者>
 荻野 アンナ <フランス文学者、小説家>
 鎌田 實 <医師、作家>
 東 直子 <歌人、小説家>
 酒井 順子 <エッセイスト>
 竹内 久美子 <動物行動学研究家>
 藤原 正彦 <数学者、エッセイスト>

僕はピリッとしてホノボノとしてセンスの光る角田光代氏のエッセイに一票投じたい。TVで拝見したイメージとは異なり芯の筋の通った書きっぷりではないか。彼女の作品、一読したい気持ちになった。

マナーの正体
綿矢 りさ 乃南 アサ 高野 秀行 さだまさし 角田 光代 逢坂 剛 福岡 伸一 荻野 アンナ 鎌田 實 東 直子 酒井 順子 竹内 久美子 藤原 正彦
4120047997
登録情報
単行本: 349ページ
出版社: 中央公論新社 (2015/12/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4120047997
ISBN-13: 978-4120047992
発売日: 2015/12/9

内容紹介
旨い味噌汁の作り方から古びたお守りの始末まで、意外と知らない「たしなみ」を13人の作家、歌手らとともに考える新たなマナー考




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