『信長燃ゆ(上下巻)』安部 龍太郎(著) 2016
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月曜日

国産戦国記小説は読むジャンルとしては珍しいのではあるが、読めばそれなりに奥行きがある。

「本能寺の変(ほんのうじのへん)」は、天正10年6月2日(1582年6月21日)、明智光秀が謀反を起こして京都の本能寺に宿泊していた主君織田信長を襲撃した事件である。(ウィッキペディア参照)

織田信長は明智光秀に討たれるのであるが、謀反は何故故に?となると「怨恨説」、「単独説」、「共謀説」と数種あるように定かではないらしい。本書では「共謀説」として公家方の近衛前久が大きく関わり、そしてまた信長、晴子(宮さまの奥様)との色恋も添えて場を盛り上げている。史実に照らし合わせた部分と、小説としてフィクションした部分が読み物らしくしている。大河ドラマも数年観ていることもあって話しの前後の辻褄は理解しやすくなっている。いずれにしても、実際はもっと泥臭いのかもしれないが、時代の香りは充分に漂っている。

信長燃ゆ〈上〉 (新潮文庫)
安部 龍太郎
4101305161
登録情報
文庫: 481ページ
出版社: 新潮社 (2004/9/29)
ISBN-10: 4101305161
ISBN-13: 978-4101305165
発売日: 2004/9/29
信長燃ゆ〈下〉 (新潮文庫)
安部 龍太郎
410130517X
登録情報
文庫: 555ページ
出版社: 新潮社 (2004/9/29)
ISBN-10: 410130517X
ISBN-13: 978-4101305172
発売日: 2004/9/29

内容(「BOOK」データベースより)
「天下布武」―武力を背景に世を変革してゆく信長は、天正九年、安土を中心に磐石の体制を築いていた。だが、巨大になりすぎた信長の力に、好誼を結んできた前関白・近衛前久らの公家も反感を持ち始める。武家と朝廷の対立に巻き込まれながら信長に惹かれる東宮夫人・勧修寺晴子、信長に骨髄の恨みを忍く忍者・風の甚助ら、多彩な人物をまじえ史料に埋もれた陰謀を描く本格歴史小説。

「王権守護」―甲斐武田家を滅ぼし、さらに勢力を増した信長は、いつしか朝廷の禁忌に触れつつあった。ついに信長への離反を決意する前関白・近衛前久。朝廷に身を置きながら、信長と深く結びついてしまった東宮夫人・晴子。信長というあまりにも大きい存在に畏怖と動揺を隠せない明智光秀、羽柴秀吉。周到な陰謀が、天下人を追いつめはじめ、すべての意志が本能寺へ結集する。






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