『虚空の眼』フィリップ・K.ディック(著) 2015
10/13
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フィリップ・K.ディック、読了34冊目。F.K.D読破計画、再始動中ではあるが、アマゾンでチェックしていると、はたまた故人の新刊がReleaseされているではないか。「ガニメデ支配」、「ヴァルカンの鉄槌」の2冊。ガニメデは初訳長編、なに、まだ未訳があったんかい。ヴァルカンの鉄槌、これまた最後の本邦初訳長編SFと。これも初かい。次から次へと、もう最後かぇ? ディックファンを称しているからには買って読んでやらにゃ義理が廃る。印税は線香代にとっておくんなせぇ。読まずにどうのこうの言うのは失礼なんで。(F.K.Dは没後、再評価され、故人になってから幾多の本が出版された。本人はあの世で喜んでおろう)

さて、本書、1957年の作品であるので、それなりの時代背景、技術動向を勘案して読んでいただきたいのだが、このストーリー、プロットのアイデアはどこから沸き出てくるのか、奇天烈、奇想天外、非凡な才能なのだろう。

本書の終盤にこのような文章がある。
「ハミルトン(主人公)はにっこり笑い、マーシャ(ハミルトンの妻)に手をかして車に乗り込ませた。「いまからは、誰に対してもあくまでも誠実にして、思ったとおりのことをいい、感じたままに行動するのさ。そうしないことには、人生は短すぎるからね」これは僕自身のまさにプリンシプルであって自分自身このような姿勢で人生を過ごしていきたいと思っている。正直であることは生きる上で最大の武器だとも感じているのである。


左写真はアメリカで出版された原書(EYE IN THE SKY)の表紙である。見た目のインパクトさも重要なファクターで読者の気持ちを惹き付ける表紙がもて囃されたのだろう。







★フィリップ・キンドレド・ディック
(Philip Kindred Dick, 1928年12月16日 - 1982年3月2日)はアメリカのSF作家。
SF小説(長編) 1 (未購入)偶然世界(太陽クイズ) Solar Lottery (Quizmaster Take All) (1955年)
2 ■ジョーンズの世界 The World Jones Made (Womb for Another) (1956年)
3 (未購入)いたずらの問題 The Man who Japed (1956年)
4 ■虚空の眼(宇宙の眼) Eye in the Sky (1957年)
5 ■時は乱れて Time out of Joint (Biography in Time) (1959年)
6 ■高い城の男 The Man in the High Castle (1962年)
7 □タイタンのゲーム・プレーヤー The Game-Players of Titan (1963年)
8 □アルファ系衛星の氏族たち Clans of the Alphane Moon (1964年)
9 ■火星のタイム・スリップ Martian Time-Slip (1964年)
10 □最後から二番目の真実 The Penultimate Truth (1964年)
11 □シミュラクラ The Simulacra (1964年)
12 □ドクター・ブラッドマネー(ブラッドマネー博士) Dr. Bloodmoney (1965年)
13 ■パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 The Three Stigmata of Palmer Eldritch (1965年)
14 ■去年を待ちながら Now Wait for Last Year (1966年)
15 (未購入)ライズ民間警察機構(テレポートされざる者) Lies,INC. (The Unteleported Man) (1966年)
16 □逆まわりの世界 Counter-Clock World (1967年)
17 (未購入)ザップ・ガン The Zap Gun (1967年)
18 ■アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep? (1968年)
見つからず 19 (未購入)銀河の壺直し Galactic Pot-Healer (1969年)
20 □ユービック Ubik (1969年)
途中放棄 21 □死の迷路(死の迷宮) A Maze of Death (1970年)
22 ■フロリクス8から来た友人 Our Friend from Frolix 8 (1970年)
23 ■あなたをつくります(あなたを合成します) We Can Build You (1972年)
24 ■流れよ我が涙、と警官は言った Flow my Tears, the Policeman Said (1974年)
25 □怒りの神 Deus Irae (1976年)(ロジャー・ゼラズニイとの共作)
26 ■スキャナー・ダークリー (暗闇のスキャナー) A Scanner Darkly (1977年)
27 □ヴァリス VALIS (1981年)
28 □聖なる侵入 The Devine Invasion (1981年)
29 □ユービック:スクリーンプレイ Ubik:The Screenplay(1985年)
30 (未購入)アルベマス Radio Free Albemuth (1985年)
31 ■ニックとグリマング Nick and the Glimmung (1988年)※児童向け (2015.9.24読了)
32 ■未来医師
33 ■空間亀裂 (2013.6.24読了)
34 □ガニメデ支配 P・K.ディック&レイ・ネルスン
35 □ヴァルカンの鉄鎚
SF小説(短編集) 36 ■地図にない町(1976年)
37 ■人間狩り(1982年・1991年・2006年)
38 ■パーキーパットの日々(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック I)The Best of Phillip K. Dick 二分冊の一巻(1977年)
39 ■時間飛行士へのささやかな贈り物(サ・ベスト・オブ・P・K・ディック II)The Best of Phillip K. Dick 二分冊の二巻(1977年)
40 ■顔のない博物館(1983年)
41 ■宇宙の操り人形(1984年・1992年)
42 ■ウォー・ゲーム(1985年・1992年)
43 ■ゴールデン・マン(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック III)The Golden Man 二分冊の一巻(1980年)
44 ■まだ人間じゃない(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック IV)The Golden Man 二分冊の二巻(1980年)
45 □悪夢機械(1987年)
46 ■模造記憶(1989年)
47 ■ウォー・ベテラン(1992年)
48 ■永久戦争(1993年)
49 ■マイノリティ・リポート(1999年)
50 ■シビュラの目(2000年)
51 ■ペイチェック(2004)
一般小説 52 ■戦争が終わり、世界の終わりが始まった Confessions of a Crap Artist (1975年)
53 ■ティモシー・アーチャーの転生 The Transmigration of Timothy Archer (1982年)
54 ■小さな場所で大騒ぎ Puttering about in a Small Land (1985年)
55 ■メアリと巨人 Mary and the Giant (1987年)
ノンフィクション 56 ・ラスト・テスタメント P・K・ディックの最後の聖訓(グレッグ・リックマン編)
Philip K. Dick the Last Testament Philip K. Dick (1985年) -インタビュー
57 ・フィリップ・K・ディック 我が生涯の弁明(ロランス・スーティン編)Divine Invasions: The Life of Philip K. Dick (1990年)
58 ・フィリップ・K・ディックのすべて -ノンフィクション集成(ローレンス・スーチン編) The Shifting Realities of Philip K. Dick (1995年)
映画化された作品 59 △アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(1982年に『ブレードランナー』として映画化)
60 △追憶売ります(1990年に『トータル・リコール』として映画化)
61 △戦争が終わり、世界の終わりが始まった(1992年に『バルジョーでいこう!』として映画化)
62 △変種第二号(1996年に『スクリーマーズ』として映画化)
63 △にせもの(2001年に『クローン』として映画化)
64 △少数報告(2002年に『マイノリティ・リポート』として映画化)
65 △報酬(2003年に『ペイチェック 消された記憶』として映画化)
66 △暗闇のスキャナー(2006年に『スキャナー・ダークリー』として映画化)
67 △ゴールデンマン(2007年に『ネクスト』として映画化)
※原題 のないものは日本で編纂されたもの
■既読 34
□未読(手元あり) 15
○購入中 0
・未購入 3
△映画 9
合計 52


虚空の眼 (創元推理文庫)
フィリップ・K. ディック 大滝 啓裕
4488696082
登録情報
文庫: 394ページ
出版社: 東京創元社 (1991/06)
ISBN-10: 4488696082
ISBN-13: 978-4488696085
発売日: 1991/06

内容(「BOOK」データベースより)
カリフォルニア州に建造された巨大な陽子ビーム偏向装置が突如暴走事故を起こし、八人の男女がまきぞえとなった。その一人、ジャック・ハミルトンは、ほどなく病院で意識を取り戻す。身体には何の異状もなかった。だが、そこは彼が知っている現実世界とは違った、奇怪な宗教に支配される世界だったのだ。八人はもとの世界に帰る方法を探り始めるが…。高名な傑作初期長編。





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