『流』東山 彰良(著) 2015
9/7
月曜日

今年の直木賞受賞作品。<受賞作品だから興味をもった>、トリガーはそうで、<帯に活字された著名作家人が褒めちぎっている>という理由から読んだのであるが、<自分の選択眼で読んだ本が賞に浴した>が通であって、腰巻(帯)に直木賞受賞作品と書かれているより、何も書かれていない腰巻の本を蔵書にしているほうが洒落ているのである。しかしながら、新刊をほとんど買うことがない(もっぱらアマゾンの中古本か、ブックオフ100円本を購入)のだから、受賞後読書とならざるを得ないのは仕方がない。受賞後、他作品群も”直木賞作家”の腰巻に巻きなおし、商魂とはいえ、話題を浴びたら、ほとぼりが醒めぬうちに一気呵成に売れ、なのである。しかし、僕の場合は火炙りにされようとも<話題性、話のネタに読んだ>と白状することはない。事実、人が読んでいるから自分も読まないと、といった発想はあさはか千万で、疲れるだけである。やめなされ。

さて、本書、少し力みすぎていて、奇を衒おうとするイヤラシサが見え隠れするが、過去の作品は未読で評しようがないが、もっとリラックスしてのびのび書かれてもよろしいのじゃないか。とはいえ直木賞受賞おめでとうございます。(僕は芥川賞派の純文学志向ではないので) 直木賞は作家の登竜門であるわけだから、直木賞目指す作家は履いて捨てるほどいらっしゃるのだから、選考に残り、受賞まで漕ぎつけたこと、よかったですね。


東山彰良
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登録情報
単行本: 410ページ
出版社: 講談社 (2015/5/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062194856
ISBN-13: 978-4062194853
発売日: 2015/5/13

内容紹介
第153回直木賞受賞作!
選考会は前代未聞の満票決着。
「20年に一度の傑作。とんでもない商売敵を選んでしまった」(選考委員・北方謙三氏)
「私は何度も驚き、ずっと幸福だった。これほど幸せな読書は何年ぶりだ?」(選考委員・伊集院静氏)

何者でもなかった。ゆえに自由だった――。
1975年、台北。偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。なぜ? 誰が?
無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。
台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。







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