『ジョン・レノン 魂の軌跡』アンソニー・エリオット(著) 2015
6/9
火曜日

本書のアプローチは、ジョン・レノンを研究するにあたり、精神分析、文化的社会学、社会理論、ポストモダニズムを通してジョンを見つめ直すことであって、一般的な伝記書物と思って読んだのなら大間違い。よって、ビートルズ、ジョン・レノンファンには感激、またはがっくり、好き嫌いが白黒明確になるのではないだろうか。そのようであるから、ジョンの幼少期の出来事から、ヨーコと出会う1966年以降、1970年ビートルズ解散、ソロ活動にフォーカスしたものとなっている。重ねて言うが、伝記物とは意を異にしているので、覚悟しないと読み進めにくいことを請け負う。論文調そのものである。

ジョンのアイデンティティとは、左右されない一環性をキープしそうでしないイデオロギー、ジェンダーが果たした作用は何であるのか? 出来事毎に分析・考察している。そう、考察されているのである。60年代がポストモダニズムと捕らえて70年代のジョンの政治思想、主夫、獲得と喪失、セレブリティであってセレブになりたがらない、なれないジョン。僕は大変楽しめた。

ジョン・レノン魂の軌跡
アンソニー エリオット Anthony Elliott
4791758358
登録情報
単行本: 361ページ
出版社: 青土社 (2000/08)
ISBN-10: 4791758358
ISBN-13: 978-4791758357
発売日: 2000/08

内容(「BOOK」データベースより)
自らの孤独と傷を受け入れ、乗り越えることで生まれた20世紀最大の天才の知られざる心の世界とは。精神分析と最先端のカルチュラル・スタディーズの理論を用いてセレブリティとしての虚像と神話を脱構築し、真実のレノンに迫る。






Copyright (C) 2015 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.