『平原の町』コーマック・マッカーシー(著) 2015
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月曜日

コーマック・マッカーシー原作の『国境三部作 -The Border Trilogy-』である一作目「すべての美しい馬-All the Pretty Hourses-」、第二作目「越境-The Crossing-」に続く第三作目の「平原の町-Cities of the Plain-」である。第一作の主人公、ジョン・グレイディと第二作の主人公ビリー・パーハムが数年後に合流したところがストーリーとなっている。それぞれバックボーンがどうのこうの著者は事細かくフォローはしていないが、なるほど、グレイディらしい、ビリーらしい思考と行動をとる。ちょっと酷なストーリーで、やるせなさが成仏できずに、部屋の隅に猫の毛が固まるようにふわふわと揺らいでいる。とはいいつつも、これらは最高級の文学であり、マッカーシーの作家たる能力と努力に脱帽したことを認めよう。

平原の町 (ハヤカワepi文庫)
コーマック マッカーシー 黒原 敏行

4151200584
早川書房 2010-01-30
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登録情報
文庫: 495ページ
出版社: 早川書房 (2010/1/30)
言語: 日本語
ISBN-10: 4151200584
ISBN-13: 978-4151200588
発売日: 2010/1/30

内容(「BOOK」データベースより)
十九歳になったジョン・グレイディ・コールは国境近くの牧場で働いていた。メキシコ人の幼い娼婦と激しい恋に落ちた彼は、愛馬や租父の遺品を売り払ってでも彼女と結婚しようと固く心に決めた。同僚のビリーは当初、ジョン・グレイディの計画に反対だった。だがやがて、その直情に負け、娼婦の身請けに力を貸す約束をする。運命の恋に突き進む若者の鮮烈な青春を、失われゆく西部を舞台に謳い上げる、国境三部作の完結篇。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
マッカーシー,コーマック
1933年、ロードアイランド生まれ。大学を中退すると、1953年に空軍に入隊し四年間の従軍を経験。その後作家に転じ着々と評価を高め、「国境三部作」の第一作となる第六長篇『すべての美しい馬』(1992)(ハヤカワepi文庫)で全米図書賞、全米批評家協会賞をダブル受賞した。その後、三部作の続篇となる『越境』(1994)『平原の町』(1998)を発表。第九長篇『血と暴力の国』(2005)を原作とした映画『ノーカントリー』は、2008年アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した







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