『リンカーン弁護士(上下巻)』マイクル・コナリー(著) 2015
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火曜日

マイケル・コナリーのハリー・ボッシュシリーズではない刑事弁護士、ミッキー・ハラーが登場。H.Bと共通するのは主人公は離婚歴があり、前妻とは微妙な関係(いい意味で何事も相談しあえる)で、仕事をバリバリこなすキャリアウーマン。二人の間に一人娘がいる。この一人娘に危害が及びそうになると主人公は命をかける。つまり、娘というのはドラマを進展させストーリーに変化をもたらすための起爆剤となり得るのは常套手段であり、読者にもリアリティを十分に湛えて共感させられるからだ。アメリカ、ここロスでの原告、被告、検察、刑事弁護士との壮絶ながらもユーモアのある駆け引きが、読み手を物語に吸着してしまう。(プロットは明かしませんが)耐えに耐えた主人公ミッキーの活躍が、最後はどうなる、こうなるかの心地よさと、若干の余韻を引きずるエンドは、さすがマイケル・コナリーうまいよのぅ。よって誰もが一気呵成に本書を読み進めてしまうかもしれない。単品としても絶品な作品である。

リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)
マイクル・コナリー 古沢 嘉通
4062763923
登録情報
文庫: 392ページ
出版社: 講談社 (2009/6/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062763923
ISBN-13: 978-4062763929
発売日: 2009/6/12
リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)
マイクル・コナリー 古沢 嘉通
4062763931
 登録情報
文庫: 432ページ
出版社: 講談社 (2009/6/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062763931
ISBN-13: 978-4062763936
発売日: 2009/6/12

内容(「BOOK」データベースより)
《上巻》
高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが…警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。

《下巻》
多額の報酬が約束された事件を調べるハラーは、かつて弁護を手がけたある裁伴へと辿りつく。もしかしたら自分は無実の人間を重罰に追いやってしまったのではないか。思い悩む彼の周囲に、さらに恐るべき魔手が迫る。絶体絶命の状況下で法廷に挑む彼に勝算はあるか?コナリーワールドの新境地を拓く意欲作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
コナリー,マイクル
1956年、アメリカ・フィラデルフィア生まれ。フロリダ大学を卒業し、フロリダやフィラデルフィアの新聞社でジャーナリストとして働く。彼の手がけた記事が、ピュリッツァー賞の最終選考まで残り、ロサンゼルス・タイムズ紙に引き抜かれる。「当代最高のハードボイルド」といわれるハリー・ボッシュ・シリーズは二転三転する巧緻なプロットで人気を博している






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