『わが心臓の痛み』マイクル・コナリー著 2015
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木曜日

ハリー・ボッシュシリーズではない本書。主人公、テリー・マッケレイブが登場する。元FBI捜査官であり、持病であった心臓の移植手術を受け、隠居生活をしていた。ドナー提供者であった人の姉が尋ねてきた。ドナー提供者が誰なのか、誰に移植されたのか、通常隠密にされるのだが、テリーは特殊な血液型だったこと、FBI時代に捜査した事件のマスコミ対応したことから、メディアや一般市民に顔が割れていた。心臓移植されたことも新聞記事で紹介されていた。血液型、移植された日は周知ことだったことからドナー提供の姉はテリーに辿りつくのであった。ドナー提供者は事件に巻き込まれ、銃弾に倒れた。その姉はテリーに犯人を捜して欲しいと懇願するのだった。

さて、ここからが事件捜査が始まるのだ。しかし、テリーは既に一般市民であり、水戸黄門の印籠はない。しかも、心臓移植後の安静にしなければならなず、無理の効かない体。それでも以前の信頼する知人から捜査書類を入手し、何度も読み込みながら、犯人のプロファイルを作っていく。

あとはミステリーの真骨頂だ。事実の深彫り、疑問点をひとつひとつ潰して、真相を探り、状況証拠を繋ぎ合わせ、謎解きしていく。

これからは読み手に譲ろう。しゃしゃり出るのは野暮ってもんだ。テリーの粘り強さ。捜査官だったことと天性の勘。いやはや面白い。

わが心臓の痛み
マイクル コナリー Michael Connelly
4594029027
登録情報
単行本: 490ページ
出版社: 扶桑社 (2000/05)
言語: 日本語
ISBN-10: 4594029027
ISBN-13: 978-4594029029
発売日: 2000/05

内容紹介
コナリー渾身のスリラー大作!
連続殺人犯担当だったFBI捜査官テリー・マッケイレブ。心筋症を患っていた彼は心臓移植を受け、早期引退していた。病院から退院した彼のもとにある女性が現れる。その女性グラシエラによると、いまマッケイレブの胸のなかで動いている心臓はコンビニ強盗に遭遇して絶命した彼女の妹グロリアのものだという‥‥‥。因縁の糸に導かれ、事件の解決にのめり込んでいくマッケイレブが到達した真相とは?『ナイトホークス』でのデビュー以来、ミステリーの最前線を疾走するコナリーが、テーマ、プロット、キャラクター……それらすべてに趣向をつくして、現代ハードボイルドのさらなる可能性を拓いた意欲作!





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