『坂の上の雲』司馬遼太郎著 2013
8/5
月曜日

一ヶ月半要して、本書の全巻を読み切った。これは司馬遼太郎氏が準備に五カ年、執筆活動に四年と三ヶ月、実に10年、彼の四十代の大部分を使って書かれたものだ。明治維新後の日本の有り様、薩長が幅を利かしていた陸海軍、諸外国の日本に対する見方、日露へ踏み切るまでの賛成派、反対派の言い分、マスメディアの煽り方、ロシアの君主・皇帝主義の異様さ。その中で秋山古好と真之の兄弟、真之と正岡子規の友情を中心として、そして名参謀、名司令官もいれば、乃木希典司令官のように無能な輩もいた。僕にとっては明治は遠い時代だった。国力もなく国債を発行し、借金塗れになって、日本の存亡を賭けて日本国が大国ロシアと戦った日露戦争という戦史を学べた貴重な体験となった。

坂の上の雲<新装版>一
司馬 遼太郎
4163228101

商品説明
同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。そんな視点から読んでみるのもおもしろい。
司馬遼太郎の大河小説の中でも、本書は特に評価が高く、ビジネスパーソンをはじめ、多くの人々に読まれている。改革の時代にこそひも解きたい、そんな1冊である。(土井英司)
登録情報
単行本: 449ページ
出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/4/9)
ISBN-10: 4163228101
ISBN-13: 978-4163228105


坂の上の雲<新装版>二
司馬 遼太郎
4163228209

内容(「BOOK」データベースより)
この十九世紀末というのは、地球は列強の陰謀と戦争の舞台でしかない。―日清戦争の勝利にわく日本。しかし、思惑が複雑にからみながら列強の干渉は強まる。秋山好古は対コサック騎兵作戦を、秋山真之は対バルチック艦隊戦略を着々とたてはじめる。そして正岡子規はその最後の情熱をかきたて、文学にむかう。
単行本: 373ページ
出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/4/9)
ISBN-10: 4163228209
ISBN-13: 978-4163228204


坂の上の雲<新装版>三
司馬 遼太郎
4163229000

内容(「BOOK」データベースより)
旅順の港とその大要塞は、日本の陸海軍にとっての最大の痛点であり、ありつづけている。―日清戦争から10年後の明治37年(1904)2月10日、日露戦争開戦。軍事力も財政力もロシアに劣る日本は、戦局の長期化を避けたい。しかし、満州を主戦場とする陸軍にとっても、一日も早く制海権を握りたい海軍にとっても、旅順の大要塞が大きく立ち塞がった。「日本人とは何か」を問う畢生の大作。
登録情報
単行本: 415ページ
出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/5/15)
ISBN-10: 4163229000
ISBN-13: 978-4163229003


坂の上の雲<新装版>四
司馬 遼太郎
4163229108

内容(「BOOK」データベースより)
旅順の乃木軍司令部から児玉のもとに入ってくる報告は、ことごとく敗報であった。―旅順の要塞との死闘はつづいていた。要塞に対し正面攻撃に固執する乃木軍は、兵士たちを死地へと追いやりつづけた。兵力が衰えるなか、攻撃の主目標を二〇三高地に限定せよとの声が高まる。そこからは、旅順港が眼下に見下ろせるからであった。「日本人とは何か」を問う畢生の大作。
登録情報
単行本: 509ページ
出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/5/15)
ISBN-10: 4163229108
ISBN-13: 978-4163229102


坂の上の雲<新装版>五
司馬 遼太郎
4163230106

内容(「BOOK」データベースより)
考えてみれば、ロシア帝国は負けるべくして負けようとしている。―旅順陥落。世界の関心は「ロシアはなぜ負けるのか」にあった。しだいに専制国家としての陋劣さを露呈するロシア。「旅順艦隊全滅す」の報は、マダガスカル島の漁港に留まり続けるバルチック艦隊にも届いた。そして最大規模の総力戦、奉天の開戦で両軍は死闘する。
登録情報
単行本: 363ページ
出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/6/15)
ISBN-10: 4163230106
ISBN-13: 978-4163230108


坂の上の雲<新装版>六
司馬 遼太郎
4163230203

内容(「BOOK」データベースより)
旗艦三笠が、ついにロジェストウェンスキーの大艦隊を発見するにいたるのは、午後一時三十九分である。―「皇国の興廃、此の一戦に在り。各員一層奮励努力せよ」明治38年(1905)5月27日午後1時55分、ついに四色のZ旗がかかげられ、日本海海戦は始まった。そして「最後の武士」として生きた秋山兄弟の人生を追って、大長編は幕を閉じる。
登録情報
単行本: 471ページ
出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/6/15)
ISBN-10: 4163230203
ISBN-13: 978-4163230207







(2013/08/05 22:39)


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