東京駅丸の内駅舎が保存復元されたことは、ニュースやネットで知っている方も多いと思う。
その話題が、本日付の読売新聞に全紙大で掲載されていた。
ここで、僕が興味を惹かれたのは、その歴史である。
その読売新聞から、簡単に歴史的な史実を紐解いてみよう。
明治 5年 |
1872 |
新橋~横浜間に鉄道が開業 |
明治27年 |
1894 |
日清戦争勃発 |
明治29年 |
1896 |
中央停車場の建設決定 |
明治37年 |
1904 |
日露戦争勃発 |
明治41年 |
1908 |
中央停車場の建設開始 |
大正 3年 |
1914 |
第一次世界大戦勃発 |
大正 3年 |
1914 |
「東京駅」完成、営業開始 |
大正 5年 |
1915 |
「東京ステーションホテル」開業 |
大正12年 |
1923 |
丸の内ビルディング竣工 |
大正12年 |
1923 |
関東大震災 |
昭和12年 |
1937 |
日中戦争勃発 |
昭和14年 |
1939 |
第二次世界大戦勃発 |
昭和20年 |
1920 |
空襲による火災で丸の内駅舎の屋根が焼失 |
◆設計者は、辰野金吾(故人)で、赤煉瓦に白い大理石を縁取り、ドームを配した建築様式は
「辰野敷きルネッサンス」と呼ばれた
◆設計途中に日露戦争が日本の勝利の形で終結したことも手伝い、予算は当初の7倍にも膨れ上がった
◆明治41年(1908)に駅舎基礎工事がスタートした
◆建設工事の段階では、「中央停車場」と呼ばれていた
◆名称が決まるまでに、2つの案があった
(1)日本の中心東京に完成したので「東京駅」とすべき
(2)外国の例に倣い首都を代表する駅には「中央駅」の名を冠すべき
→結局のところ、開業二週間前に、鉄道院告示により、「東京駅」に落ち着いた
◆(6年後)大正3年(1914)12月14日、延べ床面積約239,000㎡、正面長約335m、左右に二つのドーム
を持つ駅舎が完成した
◆関東大震災(大正12年1923)9月1日、マグニチュード7.9の大地震でも、東京の建物には大きな被害はなく、奇跡的に死傷者も出なかった。しかし、震災後に発生した火災により、構内に停車中の客貨物舎にも火の手が及んだ
◆昭和20年(1945)5月25日、B-29の大空襲により焼夷弾の直撃を受け、開業以来30年、帝都の玄関
として親しまれてきた壮麗な駅舎のドームと3階部分が焼失した
大正3年に完成した当時の東京駅 ※写真提供(「写真通信 : 教育資料」第9号 【YD5-H-408-117】)
そのように振り返ると、東京駅というのは大正モダンと持て囃された時代から、昭和初期のまさに日本が激動していた時代を見続けてきた番人であって、今回の復元工事で、懇切丁寧に元の色気を取り戻したことが「鹿島」のサイトからも覗えよう。
http://www.kajima.co.jp/tech/tokyo_station/index-j.html
誕生からまもなく100年。
歴史的建造物を大事する国民性、文化を育て保存していくことが、
日本人として当たり前の資質となってほしいと願うばかりである。
よっしゃ、よくやった。
近々、見にいくことにしよう。
(2012/10/01 22:09)
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