『13のショック (異色作家短篇集)』リチャード・マシスン 著 2012
6/28
木曜日

先日の予告どおり、リチャード・マシスンの本を読み倒していこう、と勢いに乗っている。僕の活動量のバロメータのひとつは、読書にある。落ちている時は、「興味の喪失」状態で、全く本を手にすることすらしないわけだから、本が読みたいというのは、とても自分自身としては、”生きやすい”エピソード中である、と自己分析している。

時に、著者は「ミステリーゾーン」に多く脚本していることからも、皆さんにも幾許かの馴染みがあり、よく知られている作家としていいだろう。(名前は知らずとも)

本書は、13つの短篇で綴られており、タイトル通り、13回ショックを享受できて、ああうれしい、しびれる、死ぬほど怖い、シリアルじゃなぁ、笑いが止まらん、となる。
お笑い的な要素もあり、確かに夜は読めない作品もあり、社会的論調・論文風の書きっぷりもあり、筆の幅広ぶりが伺える。

短篇のメリットは、ひとつの話が短い、ということ。(そんなこと誰でも知っとるが)

然るに、怖いお話も長篇小説に比して、短時間だけ我慢すれば恐怖心から逃れることができるのだから、気が楽ではないか。(長時間の恐怖心に人はどれだけ耐えうるのだろうか)

されど、心理的恐怖心というのは、何かの折りに(暗闇だったり、唐突な音だったり、ぼっと糞していたり、道を歩いていたり、仕事中だったり、焦ったりした時に・・・)潜在的意識の水面下で、ふっと記憶が呼び覚まされるので、これは厄介ではないか。

僕は、この「厄介さ」が好きである。


13のショック (異色作家短篇集) 13のショック (異色作家短篇集)
リチャード マシスン Richard Matheson

早川書房 2005-11
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【内容】(「MARC」データベースより)
些細なスピード違反が、引っ越してきた平凡な男が、突如として日常を切り裂き恐怖に染める! 「激突!」「地球最後の男」など、ホラー、SFの名手である著者が、魅力を存分に発揮した13の物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
■マシスン,リチャード
1926‐。ニュー・ジャージー州生まれ。1950年に『F&SF』誌に発表した短篇「モンスター誕生(男と女から生まれたもの)」でデビュー。『地球最後の男』(1954年)『地獄の家』(1971年)『ある日とこかで』(1975年)など映画化された作品も多く、また「ミステリーゾーン」などでTVとも縁が深い。息子のリチャード・クリスチャン・マシスンも作家や脚本家として活躍中

【登録情報】
* 単行本: 277ページ
* 出版社: 早川書房 (2005/11)
* ISBN-10: 4152086823
* ISBN-13: 978-4152086822
* 発売日: 2005/11

1.ノアの子孫
2.レミング
3.顔
4.長距離電話
5.人生モンタージュ
6.天衣無縫
7.休日の男
8.支社のダンス
9.陰謀者の群れ
10.次元断層
11.忍び寄る恐怖
12.死の宇宙船
13.種子をまく男

巻末でも解説している評論家「尾之上浩司」のコメントがこちらにある。

http://biomasa.sakura.ne.jp/bk002/bk07/bk64.htm

パラノイア的、アイデンティティ喪失風、ホラー、SF、ミステリ、コメディ、などなど、違った日常生活へと導いてくれることを請け負ってよい。








(2012/06/28 22:27)


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