利用サイド事業者におけるビッグデータビジネスの将来予測 2012
3/28
水曜日

シリーズブログ。

野村総合研究所の鈴木良介氏の著書『ビッグデータビジネスの時代』から、なるほどと感銘した部分をピックアップしてみたい。あくまで、本内容は以下の著書からであり、著者に敬意を表し、興味のある方は本書を手にとってご覧いただけますよう。

ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略
鈴木 良介
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内容紹介
「ビッグデータビジネス」は、産業界全般で進むクラウド利用と併せて、2010年代の情報・通信分野における注力すべきテーマの1つになることが予想されています。
本書では、海外を中心とした「ビッグデータ」の活用企業および、活用を支援しようとするIT事業者の最新動向や戦略、ビッグデータビジネスを検討する視点を詳細に解説します。
また、Hadoop、DWH、CEPなどのビッグデータ活用を支える技術やその周辺技術の動向を紹介するとともに、ビッグデータ活用のための課題や利用サイド事業者/支援サイド事業者双方における今後のビッグデータビジネスの将来像などについて広範に解説します。

・ビッグデータビジネスとは何か?
・ビッグデータビジネスの効用と活用事例
・主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
・ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
・ビッグデータビジネスの将来予測

内容(「BOOK」データベースより)
国内&海外のビッグデータ活用事例、Hadoop/DWH/CEPなどビッグデータ活用を支える技術の解説から主要IT事業者の戦略と商材、将来予測までビッグデータビジネスを徹底網羅。ビッグデータビジネスとクラウド以降のIT潮流を掴むための最適な1冊。

ビッグデータの活用は、「取得・生成することができるデータの高度化」および「活用実績の増大と活用レベルの深化」が相互に影響を及ぼしながら進展する。

新しいデータを取得・生成しようとすれば、それに付随してコストも発生・増大するが、効用に対する期待が大きければ大きいほど、負担可能なコスト(投資)も大きくなる。

では、効用が得られるということが分かり、投資額が増える中で、今後、どのようにデータを取得・生成することが、より大きな効用をもたらすだろうか?

たとえば、「既存のデバイスをセンサのように、データを取得・生成する手段として用いて、利用可能なデータ量を増やすこと」や、「自ら取得・生成せずとも必要なデータについてはそれを保有する他の事業者から買ってくること」も今後は重要度が高まると考えられる。

このようにして、データの取得・生成の拡大と同時に、活用の深化とそれに伴う効用の最大化を図ることが必要だ。また、コストと効用両面を踏まえ、データのライフサイクル全体を踏まえたコストパフォーマンスの評価が不可欠である。

「ヒト、モノ、カネ、情報」という言葉に示されるように、「情報(および、その原材料たるデータ)」については、ヒト・モノ・カネほど、それを取り扱うノウハウや管理意識は成熟していない。ヒトやモノは当然にして費用対効果を勘案して管理されるものであるが、果たしてデータについてそのように考える事業者はどれだけあるだろうか?また、「データの資本回転率」をめぐって経営会議が紛糾するようなことはあるだろうか?

死蔵ログは経営資源の無駄遣いであるし、データの垂れ流しは経営の怠惰だ、という認識を持つ事業者が今後は出てくるのかもしれない。

著者はここから、今後、どのようなビッグデータの活用が求められるようになるか、どのような施策を講ずることが必要なのか、利用サイド事業者、支援サイド事業者、双方の観点から検討している。

続きは、次回に。









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