ビッグデータ活用で期待される効能(1) 2012
3/16
金曜日

昨日の続き。

野村総合研究所の鈴木良介氏の著書『ビッグデータビジネスの時代』から、なるほどと感銘した部分をピックアップしてみたい。あくまで、本内容は以下の著書からであり、興味のある方は本を手にとってご覧いただけますよう。

ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略
鈴木 良介
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内容紹介
「ビッグデータビジネス」は、産業界全般で進むクラウド利用と併せて、2010年代の情報・通信分野における注力すべきテーマの1つになることが予想されています。
本書では、海外を中心とした「ビッグデータ」の活用企業および、活用を支援しようとするIT事業者の最新動向や戦略、ビッグデータビジネスを検討する視点を詳細に解説します。
また、Hadoop、DWH、CEPなどのビッグデータ活用を支える技術やその周辺技術の動向を紹介するとともに、ビッグデータ活用のための課題や利用サイド事業者/支援サイド事業者双方における今後のビッグデータビジネスの将来像などについて広範に解説します。

・ビッグデータビジネスとは何か?
・ビッグデータビジネスの効用と活用事例
・主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
・ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
・ビッグデータビジネスの将来予測

内容(「BOOK」データベースより)
国内&海外のビッグデータ活用事例、Hadoop/DWH/CEPなどビッグデータ活用を支える技術の解説から主要IT事業者の戦略と商材、将来予測までビッグデータビジネスを徹底網羅。ビッグデータビジネスとクラウド以降のIT潮流を掴むための最適な1冊。


変化に対応して新しい付加価値を生み出し、高い競争力を得ることをイノベーションと呼ぶのであれば、「ビッグデータ」はイノベーションを実現するための堅実な方法といえる。

基本的な考え方は、『個別に、即時に、多面的な検討を踏まえた付加価値提供』を行うことであるが、それは利用サイド事業者のさまざまな業務プロセスにおいて効用を期待することができる。

■「製品開発」の段階

「売ったら、売りっぱなし」になりがちであった製品化、利用状況に関するデータを取得することにより、開発上の注力点を明確にすることができる。たとえば、消費者にとって良かれと思って搭載したものの、実際にはまったく使われなかった余剰機能や過剰性能を排し、別の機能へと開発資源を割ることも可能となる。

■「販売促進」の段階

「個別に、即時に、多面的な検討を踏まえた付加価値提供」を行うことの効能が期待される。「いままさに、あの消費者は何に関心を持っているのか?」「何を薦めれば、買ってくれるのか?」ということについて、性・年齢といった基本属性はもとより、購買履歴、店舗やサイト内における動線、今着ている服から読み取れる思考・所得レベル、数日前にその人の友達がSNSサイトでお勧めしていたブランド、などを総合的に勘案した販売促進活動が可能となるだろう。

■「保守・サポート」の段階

自動車や建築物などに対して、大量のセンサを張り巡らせることによって、それらの危機・設備の状況をリアルタイムに診断し、故障予防や信頼性確保に繋げることが期待される。



次回はこの続きから。






(2012/03/16 21:06)


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