満員電車では本を読むのもままならず、つり革広告を眺めていることが多い。
今朝は『愛では、タバコはやめられない』の文字に目が停まった。

キャラクターに仲間由紀恵さんを起用し、クリーンなイメージで訴えるつもりだ。
彼女は僕だけに微笑んでいた。

もしも、仲間由紀恵さんが、
「タバコは止めて！　止めてくれるのなら私の大事なものをあげるわ！」
と直近10cmの至近距離で呟いてくれたとしよう。

僕はためらうことなく、
「わかりました、今からタバコを止めます」
と彼女の澄み切った瞳を見つめながら言うに決まっている。

ただし、”由紀恵の24ヶ月無料使用保証”が基本パックとして利用できることが前提となる。

でもそのようなことは絶対ありえない。
あり得るわけがない、これをいつもの妄想と呼ぶ。


本広告はファイザー製薬の「すぐ禁煙.jp」の宣伝文句だった。
”健康保険で禁煙しましょう”　[検索]ボタンからサイトへ誘導している。
最近はこの手の[検索]ボタンからサイトへホイホイ誘導型のものがほとんどだ。

さて、「すぐ禁煙.jp」では、
　お医者さんと禁煙したい人をサポートします。
　病医院で行う新しい禁煙治療についてご紹介します。
と謳っている。


僕のニコチン依存チェックは7ポイントであり、合計点が5点以上でニコチン依存症となる判定基準を軽くクリアーしてしまった。

禁煙による健康面や金銭面での効果とメリット、喫煙による病気にはどのようなものがあるのか、などが判りやすく解説されており、禁煙治療には健康保険が適用される場合もあるのでどうですか、始めてみましょうという趣旨だ。


過去、2ヶ月ほど禁煙をしたことがある。
電子タバコも試してもみたこともある。

ほぼニコチン依存症もなくなり、タバコそのものを吸いたい欲望は消滅していた。

されど（これはNHK大河ドラマで頻繁に台詞として言われている）、
子供の頃から席にずっと座っていることができない性質の僕は、この年になってもじっとしていると落ち着かないのである。しかるに、用もないのにタバコ部屋へ足を運んでは深呼吸をしていた。

どうせ席を立つのなら、ついでにタバコを吹かしてもよかろう、となるだけなのである。

加齢とともに喫煙者特有の顔を「スモーカーズ フェイス」というが、
これも「老い」に「追い討ち」をかけている。（おじさん駄洒落も絶好調である）

(2012/03/05)