自分の症状がよりぴったり合う精神疾患(境界性パーソナリティー障害)

2012
1/16
月曜日

以下の本から、トピックスとなるものをピックアップしていこう。

参考書籍:「「うつ」がいつまでも続くのは、なぜ?-双極Ⅱ型障害と軽微双極性障害を学ぶ

「うつ」がいつまでも続くのは、なぜ?-双極Ⅱ型障害と軽微双極性障害を学ぶ


ジム・フェルプス 荒井 秀樹
4791107624

■内容紹介
うつ病と診断される人が増えている中、「落ち込んでいる」とか「意欲がわかない」といった抑うつ状態が長期間にわたり持続したり繰り返したりする人たちを、すべて同じうつ病と診断していて間違いはないのか? 本書は、長引く抑うつ状態に苦しんでいる人に対して、双極II型障害や軽微双極性障害を念頭において、診断や治療を見直しながら、主治医とともに病気を克服していくための対処方法を示している。また気分障害をスペクトラムとしてとらえる考え方を学ぶ。

■内容(「BOOK」データベースより)
うつが長いこと持続したり、繰り返したり、より悪くなる、などということはありませんか。抗うつ薬をのんでも効果がないとかより悪くなるということはありませんか。もしかすると、うつ病ではないのかもしれません。繰り返すうつの波は、「軽微な」双極性障害のせいかもしれません。本書は、気分障害スペクトラムの概念を詳説し、すぐに実践できる対処法を紹介する。



ここでは、気分障害スペクトラムの症状がよりあてはまるかもしれない精神疾患を見ていく。
つまり双極性障害ではなく、別の診断結果が出るかもしれない。
特に
 -物質乱用
 -境界性パーソナリティー障害
の二つには、事実上、双極性障害と同じ症状群が見られる。

ここでは境界性パーソナリティー障害について。

■境界性パーソナリティー障害
・ある専門家は
親密な人間関係を持つことが難しく、怒りや悲しみ、衝動や自殺傾向といった感情を
 制御できないといった問題を含んだ一般的なパーソナリティー障害

と表現している。

表1.1に気分障害スペクトラム上での双極性障害の捉え方と
DSMにおける境界性パーソナリティ障害ーと双極性障害の対比を表す。

            表1.1 境界性パーソナリティと双極性障害の症状

境界性パーソナリティ障害
(DSM)

双極性障害
(広い見方)

認知

自己の不安定

自己の不安定

一時的な偏狂症

精神障害、特に偏狂症/誇大妄想

慢性的な空虚巻

見捨てられることへの恐怖

意欲

衝動性(セックス、物質、白傷)

衝動性(お金の浪費、セックス、物質、危険な運動)

気分

感情が不安定

感情が不安定

気分が逆上する

「拒絶への過敏症」

不快感エピソード

不快感な躁病または軽躁病

苛立ち、激しい怒り

苛立ち、激しい怒り

不安

不安

行動

自殺(~10%)

自殺(~10%)

自傷

自傷




慢性的な空虚感見捨てられることへの恐怖の二つ以外、双極性障害と境界性パーソナリティー障害の特徴はほぼ完ぺきに重複している。
(境界性パーソナリティ障害の双極性障害の区別についてはかなり意見が分かれているところ)







(2012/01/16 07:35)

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