今一度知る双極性障害の『精神的メルトダウンを反転させる』

2011
12/26
月曜日


「バイポーラ-(双極性障害)ワークブック」から第10章「精神的メルトダウンを反転させる」の要点をピックアップしたい。

【参考文献】
chapter 1:疾患をコントロールする
chapter 2:双極性障害の実際
chapter 3:自分の経緯を図式化する
chapter 4:早期予防システムを発動させる
chapter 5:自分自身を強化する
chapter 6:薬物療法の効果を最大限に得る
chapter 7:「否認」の壁の克服
chapter 8:思考の誤りの認識と把握
chapter 9:感情的な思考をコントロールする
chapter10:精神的メルトダウンを反転させる
chapter11:改善へ向けた変化

バイポーラー(双極性障害)ワークブック―気分の変動をコントロールする方法
モニカ・ラミレツ・バスコ 野村 総一郎
479110630X

双極性障害(バイポーラーディスオーダー)による「気持ちの揺らぎ」を抑制する具体的対処法を、認知療法的な手法を用いて、分かりやすく解説。ガイドライン(治療指針)は患者さんへの指導書として治療者が使用でき、障害を持つ患者さん自身が使う自習書としても最適な治療読本。



本章では、
○自分の思考がどのように混乱するか、あるいは支離滅裂になってしまうかを同定する
○精神的メルトダウンに対処するために減速、集中、構造化する方法を学ぶ
○思考を整理し、決断を下すための新しい方法を発見する

- 精神的メルトダウンを反転させる
表10.1 認知過程問題
- ■精神的メルトダウンへの対処
表10.2 精神的メルトダウンに対処するための戦略の概要
- ■減速する
- ■集中する
- ■構造化する
表10.3 精神的メルトダウンへの対処法
表10.4 問題の明確な定義と曖昧な定義
表10.5 問題を定義するための10の質問
ワークシート10.1 問題定義
ワークシート10.2 解決策の発見
ワークシート10.3 決断ワークシート




★精神的メルトダウンを反転させる


双極性障害の人が抱える一般的な不満の1つは、
 思考が緩慢になる、
 混乱する、
 まとまらない、
 雑然としている、
 定まらない、
 決断を下すことができない、
 読むことが困難、
 どう考えから対処していったらいいのかわからない、
 他者との対話が困難、、
 概して思考の明確に欠けている

これらは「認知過程問題」と呼ばれる

この章では精神的メルトダウンへの対処を援助することを目的としている
表10.1に、うつ病の時と躁病の時に生じる認知過程問題のタイプの例を挙げる



表10.1 認知過程問題

認知過程の範疇

うつ病の場合の例 躁病の場合の例

刺激への反応

圧倒されやすい

直ぐにに気が散ってしまう
音がより大きく感じられる
色がより鮮やかに感じられる

思考の速度

思考が緩慢になる
言葉を見つける、または思考をまとめるのが困難

思考が疾走する
より多くのアイデアまたは思考が浮かぶ

集中力

集中しようとすると、うわの空になったり、ぼーっとしてしまう

対処しきれないほど多くの考えが思い浮かぶ
注意散漫で思考の脈略が失われる

整理力

思考や問題を対処できるほど効果的に整理することができない

思考を把握を把握し整理することが困難になる

決断力

自己疑惑が邪魔をし、決断を下せない
問題を解決することができない

優先順位をつけることができない
判断力が損なわれる
決断を遂行することができない





■精神的メルトダウンへの対処


・認知処理問題に対処する一般的な戦略は、
 □第一は、思考と決断の過程を操作できるくらいにスピードを緩めること
 □第二は、一度にひとつの考えに注意を集中させること
 □第三は、決断を下す、または結論を引き出すために系統的な方法を用いること

 減速する:身体と頭の回転速度を落とす
 集中する:一度に1つの考えに関心を向ける
 構造化する:決断演習を用いる

精神的メルトダウンをコントロールするために減速、集中、構造化する具体的な方法を表10.2に挙げる


表10.2 精神的メルトダウンに対処するための戦略の概要

減速する

集中する 構造化する

・刺激を減らす
 -内的思考
 -外的な騒音
・リラクゼーション演習
・24時間ルールを採用する

・一度の1つのことを取り上げる
・「Aリスト」/「Bリスト」
・目標設定に関して優先順位を付ける
・書き記して自分の前におく

・問題解決
・利益/不利益
・思考記録を用いる
・他者からのフィードバックを得る






■減速する


・うつ病と躁病の期間中には、多くの様々理由から思考が混乱するが、ひとつの一般的な理由は、精神的活動過多になってしまうこと
・無秩序な思考がより多くなるだけではなく、心配、ひらめき、反芻、後悔、自己批判といった思考が頭の中で漂う
・すぐに気が散ってしまう場合、自分が耳にしたこと、目にしたこと、感じたいことに関する思考が、たとえ意図的にそれらに集中させようとしていない時でさえ脳裏に浮かぶ
・頭の中であまりにも多くのことが進行していると、何であれ1つの思考に十分長く集中することが難しくなり、結論までじっくりと考えることができなくなる
 ⇒躁病のエピソードの間だけではなく、うつ病の間でもそうなることがある
・頭の回転速度を緩めるというのはなかなか難しいこと
・気分を安定させ、不安を減らすことを目的とする薬は、たいてい効果がある

1つの戦略は、
>>環境の中の気を逸らすものから離れること<<

・刺激過剰な環境から離れると、思考はよりコントロールしやすくなる
  ⇒テレビやラジオを消す
  ⇒自宅の中のもっと静かな場所へ行く
  ⇒騒音や活動が多すぎる場所から離れる
・騒音を浴びている時に考えるのは難しいもの
・周囲の環境を変えることで刺激を減らし、考えることをより容易にすることができる

※内的・外的な刺激を減らすことによって精神を鎮めるための方法 ⇒第5章「環境的な刺激を減らす」
※後悔、心配、自己批判、絶望、自殺念慮で心が雑然 ⇒第8章第9章

>>自分の思考を検討することができるくらい思考の回転速度を緩めるための方法<<

・身体の回転速度を緩める
・睡眠不足で集中して考えることができない場合には、夜の適切な睡眠をとることがよい解決方法となる
※睡眠を改善させる方法 ⇒第5章
・睡眠不足が問題でないとしたら、過剰なエネルギー、筋肉の緊張が原因で身体が興奮しているということも考えられる
・身体をリラックスさせることで、頭脳をリラックスさせることができる
・リラックスさせ、精神を落ち着かせる薬が医師から処方されているかもしれない
・処方されていない場合は、次のようなリラクゼーション演習を試してみよう

■リラクゼーション演習

ここは省略

■24時間ルール

・自分に考える機会を与えるためにペースを緩めるためのもうひとつの戦略は、
>>24時間ルールを課すこと<<

・単に普段ならしないどだろうということや、ほかの人が反対すると思われること、または何かリスクを伴うことをすることが計画上、必要となるときに決断を先に延ばすか、あるいは24時間以内に行動を取ることを避ける、ということ
・この規則は、今日良いアイデアであることは明日も良いアイデアであろう、という考えに基づいている
・その間に本書(ワークブック)のほかの方法を用いて、自分の考えをよく検討してみよう
・そうすれば行動しようと決意した時に、後悔するような行動をとることもないだろう
・もし24時間では十分でないというのなら、48時間ルールというのもいいだろう。




■集中する


・頭脳の集中に役立つ大まかな原則としては、一度に1つのアイデア、または仕事に取り組むようにすること
・疾走する思考を抱えているときには、これを実行するのは困難
・問題や大きな決断にとりかかる前に、★前の節のリンクを張る★★思考の仮定を減速しなければならない
・徹底的に取り組んでいくための思考を選び出せるくらいに速度が落ちたら、一度に1つだけ選択する
「Aリスト」「Bリスト」は焦点を集約するのに役立つ
・1つの問題においてする必要のあることは何であれ、終えてから次の問題へ進むこと
・1つのことに取り組んでいると、とかく多くのほかの問題について考えてしまいがち
・集中し、頭の中の「すべきリスト」から1つずつ取り除ければ、ストレスの大きな思考による頭脳の混乱状態が軽減される
・概してもっと気分が良く感じるようになる




■構造化する


自分の思考を構造化するためにどの戦略を選択するかh、どの行動が必要となるかによってきまる
表10.3は、構造化が必要であろう思考の種類と、自分にとって最も役立つと思われる戦略を要約している



表10.3 精神的メルトダウンへの対処法

精神的メルトダウンのタイプ

戦略

解決が必要な困難や問題を抱えている場合

次節で解説する問題解決演習を用いる

自分にとって重要ことについて決断を下すのに苦労している場合

この章の「決断を下す」という節へ進む

動揺をもたらす思考、または感情的な思考を区分する必要がある場合

第9章に戻り、思考記録と思考を評価するための方法を用いる

思考を十分に構造化できないために仕事を終えられずに苦労している場合

第5章の目標設定、分解と引き受け、または「Aリスト」「Bリスト」演習を用いる

危険を冒したい願望がある場合

この章と「24時間ルール」の用い方と、「他者からのフィードバックを得る」の節を読む




■問題解決演習

ステップ1:問題の定義

・問題解決で最も困難な部分は問題の性質を明確に説明すること
・問題を明確に把握できれば、それを解決することができる、またはうまく対処することができる
・現状を完全に描写しない曖昧な表現、一般的な表現を用いても解決には至らない

表10.4に、問題の曖昧な定義と明確な定義の例を挙げる


表10.4 問題の明確な定義と曖昧な定義

曖昧な定義

明確な定義

「僕は怠け者だ」と太郎は考える

「僕は数週間、アパートを掃除していない」

「私は一文無しだ」と花子は言う

「車を修理に出さないといけないので、今月は電話代を支払えるだけのお金がないかもしれない」

「誰も僕の事なんか気にかけてくれない」と次郎は考える

「僕の友人たちは今週末にみんなで集まったのに、誰も僕を誘ってくれなかった」


「仕事を首になったら、私は気が変になってしまう」と久美子は言う

「私は失業する可能性がある。もしそのようなことになったら私はどうやってお金を手に入れたらいいのかわからない。別の仕事を見つけられるかどうかも確信がない」




問題を解決できるくらいの明確な定義をし、叙述するために、表10.5の質問を自問自答してみよう

これらの10の質問について十分に考えた後で、ワークシート10.1の空欄に記入してみよう



表10.5 問題を定義するための10の質問
1.

何が問題か

2.

それは過去のことか、それとも今でも解決を必要とすることか

3.

それは自分の問題か、誰かほかの人の問題か

4.

それについて今、自分にできることはあるか
その問題にはやはり解決が必要であり、それが自分の個人の問題であること、しかもそれについてできることがある場合に限って、質問5~10に進む

 一方、もしそれが過去の問題であり、自分の問題でない場合、またはそれについて今できることは何もない場合には、第8章第9章の演習を用いて、その出来事に関する自分の思考に徹底的に取り組む

5.

その問題が最も生じやすいのはいつか

6.

それはどれほど頻繁に生じるか

7.

その問題が解決されないと、どのようなことが起こるか

8.

この問題について最も心配していることは何か

9.

それが解決されたら、自分にとって状況はどのように変わるか

10.

問題のどの部分を最初に解決する必要があるか





ワークシート10.1 問題定義

問題は:







生活の影響:







動揺の理由:







即時の解決が必要な理由:









ステップ2:解決策の発見

・問題解決における次のステップは、可能な解決策のリストを作ること
・自分の考えをリストアップするには、ワークシート10.2を用いてみよう


ワークシート10.2 解決策の発見

問題に対して可能性のある解決策

順番

考え
























・可能性のある解決策を少なくとも5つ考えてみよう
・何一つ変えることなく問題をそのままにしておくというのも1つの解決策
・自分に代わって誰かにそれを解決してくれるよう頼むのも1つの方法
 最善の解決策ではないかもしれないが、少なくとも可能性はあるだろう
・自分の問題に対する新しい解決策を編み出すときには、できる限り創造力を豊かでいよう
・解決策を1つ考え出すたびに、それを1つ1つ評価するために停止しないこと
・最初はまずリストを作るだけにし、そのうえで適切なものを選ぶステップに従おう
・可能な解決策を少なくとも5つ記入したら、最も望ましくない方法、または現状を考えるとあまり実用的でない方法に線を引き、リストから除外する
・残っている各解決策の良い点、悪い点について考える
・そして好ましい順番にそれらを並べる
・1番目に選択した方法の左横の「順番」と記された小さな欄に#1と書き入れる
・さらに2番目の選択の横には#2と書き入れる


ステップ3:自分の計画を改善する

計画を実行に移す前に、次の点を考える

 ●いつそれを試みるか
 ●誰かが手伝ってくれるか
 ●それがうまくいったかどうかをどのようにして知るか

・それはあなたが自分自身で試みる解決策だろうか?
・それともほかの人の協力が必要だろうか
・もしほかの人が関わっているのなら、その人たちにあなたの考えを十分に説明し、その人たちの提案を聞こう
・そして自分がいつ行動を起こすのかについて同意を図ってみよう


ステップ4:計画を実行に移す

・このステップでは自分の解決策を実行してみて、どうなるかを確かめること
・その解決策が最初やってみたときにうまくいかないように感じられたら、再度それを試すか、さもなければ自分のリストの中から解決策#2に切り替えるかを判断する
・ときには、同じ解決策を2回以上やってみて、初めて良い効果が現れることもある


■決断を下す

・2つの選択肢のうち1つを選択しようとするとき、一方の選択肢がもう一方より際立ってより優れていれば決断を下すのは容易
・しかし完璧とはいえない選択肢が2つないし3つあり、しかもしれぞれがいくらか、明らかに不都合な点をもっているだけではなく、明らかな利点をもっているとしたら、決断はより難しいものになる
・もっと積極的に決断したいと思う人は、次に説明するステップにしたがってみてはどうか
・これにより、自分にはどのような選択肢があるのか整理し、現在の必要なことに最もぴったり合うものを選ぶのに役立つだろう
・論理的に選択肢を判断することが出来るのか自信がないなら、次の演習をした上で、信頼する人に意見を言ってもらうように頼もう


ステップ1:選択肢をあげてみる

・比較検討中の選択肢を決断ワークシート10.3にあげてみよう
・仕事についてなら、「転職する」「現在の仕事を続ける」「障害者年金を申請し、働くのをやめる」という選択肢が考えられるだろう
・人間関係に終止符を打つことについて決断を下そうとしているのなら、「今すぐ別れる」「もうしばらくそのままで関係改善を望む」「自分の辛さをパートナーに話し、彼(彼女)が事態の改善に快く望む気持ちがあるかを知る」といった選択が考えられるかもしれない


ワークシート10.3 決断ワークシート

可能性のある選択肢

利点 不利益

選択肢1






選択肢2






選択肢3






主題 重要度の順番 最適な選択肢









ステップ2:選択肢の利点と不利益をあげる

・選択肢の利点と不利益をあげる
・重複する点があることもある
・重複してもよいので、思いつく利点と不利益を全てあげよう
・それぞれ選択肢に対する賛否両論について考えるのを手伝ってくれるよう、友人、家族に頼んでみよう


ステップ3:各選択肢の最大の利点と最大の不利益を選ぶ

・リストにすべて目を通し、各判断選択肢の最大の利点と最大の不利益を1つ、ないし2つ選び出してみよう
・これらの項目を○で囲む
・もしそのほうが読みやすいなら、リストの他の項目に線を引き、削除しても構わない


ステップ4:利点と不利益に共通する主題を探す

・ステップ3であげた利点と不利益に何らか共通する主題がないか探す
・ステップ3で自分が○で囲んだ主要な利点と不利益をよく検証し、主要な手段を選びだそう
・それらを決断ワークシートの「主題」の欄にあげよう

ステップ5:重要度に応じた順番を示す

・それぞれの項目の右側に、決断を下すうえでの重要度に応じて評価した主題/問題点の順序を記す
・最も重要なものを#1とし、次に重要なものを#2、などとする

ステップ6:最も重要な主題とそれぞれの決断選択肢を組み合わせる

・所定の問題に関して、決断へと導いてくれる最も重要な主題を選び出し、重要な順番にそれらを並べたら、次はその主題とそれぞれの決断選択肢を組み合わせる
・最初にあげた決断選択肢のリストに戻り、それぞれの主題に最もよく合うものを選び出す


ステップ7:自分の問題に最も適した決断を選ぶ

・これで主題とそれぞれの主題に最も合う決断選択肢をあげたリストができたので、その項目を比較し、自分の問題に最も適した決断を選ぶことができる
・それぞれの決断選択肢に適合する主題の番号から、どの選択肢がその主題に合うかがわかる
・したがって、決断ワークシートに1番と記された決断選択肢が、同定した各主題に適応するのなら、恐らくそれが最適の選択肢となるだろう
・もし仮に別の決断選択肢が主題の1つにしか対応せず、しかもそれが最も重要な主題というわけではない場合には、それは恐らく適切な選択肢ではないだろう
・最も良い選択肢というのは、ほとんどの主題または問題点に対応するか、あるいは少なくとも最も重要な主題には対応するような決断選択肢となる




■他者からのフィードバックを得る

・自分が認めたくないかもしれないが、何をすべきか、あるいは何をすべきでないかについて、自分のことを知っている人の意見が正しいこともある
・その人たちは、あなたが自分の多くの思考、決断、選択衝動、心配を分類するときに力になってくれることもある
・そのほか、もし自分が認めれば、頼みの綱になってくれる人もいるだろう
・これらの人の言うことは必ずしも適切であるとは限らない。
・しかし自分とは違う考えを提供し、ほかの可能性について考慮するよう、促してくれるだろう

・躁病または軽躁病になると、普段よりかなり多くの分類すべき思考を抱えるかもしれない
・重要な事実を見逃したために論理上の過ちを犯し、誤った判断を下してしまう危険を冒す可能性もある
・ほとんどの人は、躁病のときに誤った判断を下してしまったことを後悔する
・そして次回は行動を起こす前に自分をとめるための方法を学びたいと思ってしまう
・どのような考えが浮かんだら自分に警戒を促すべきなのだろう?
・それは、自分の生活に大きな変化をもたらしたい、ほかの人にショックを与える、または驚かす、何か衝撃的なことをしたい、普段ならしそうもない危険を冒したい、という衝動的な欲求である
・これらの考えが心がよぎったら、自分自身を守るためのひとつの戦略は、それについて誰かに話すとうこと
・もしその人の意見を聞きたくない、あるいは相手の反応など気にもしないとしても、自分がその考えを声に出して言っているのを耳にすることは、衝動的に行動して後悔するようなことになる前に、それについてじっくりと考えさせてくれるには十分なこと

・双極性障害の人の中には、自分の衝動的な思考を口に出していうのを不快に感じる人もいる
・そのようなことをするとほかの人々が過剰に反応する、疑い深くなる、自分のことを過剰に注意深く見るようになる、または自分に対しネガティブな態度をとるようになる、からである
・このような心配をするのは最もなこと
・素晴らしいアイデアを拒絶されたいと思う人などひとりもいない
・その一方で、困った状態に陥らないようにするためには、自分がブレーキをかけられるよう力を貸してくれる人が必要になる
・ほかの人にしてみれば途方もないようなあなたの考えについて話せる人を、あなたの世界の中で見つけてみよう
・その人は、あなたが危険を冒すことについて考えているからといって実際にそれを行うわけではないということがわかっているかどうかを確認してみよう
・セラピスト、または精神科医がそれにあたる
・家族、友人、誰かがあなたを知っている他の人で、その人も双極性障害であり、ときにはあなたと同じような思考に対処することがある人を選ぶほうが実際に役立つかもしれない




次回は、第9章『感情的な思考をコントロールする』について触れたい。

【バイポーラ(双極性障害)ワークブック 全トピックス】 ※新しいページで開きます
「DSM-IV-TR」と「ICD-10」の分類・定義
第2章(抜粋) 今一度知る双極性障害の『大うつ病エピソード』-Major Depressive Episodes-
第2章(抜粋) 今一度知る双極性障害の『躁(そう)病エピソード』-Manic Episodes-
第3章 今一度知る双極性障害の『自分の経緯を図式化する』
第4章 今一度知る双極性障害の『早期警報システムを発動させる』
第5章-1 今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(前編)』
第5章-2 今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(後編)』
第6章 今一度知る双極性障害の『薬物療法の効果を最大限に得る』
第7章 今一度知る双極性障害の『「否認」の壁の克服』
第8章-1 今一度知る双極性障害の『思考の誤りと認識と把握』
第8章-2 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「誤認(過大視・過小視)」』
第8章-3 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「結論への飛躍」』(読心術、運勢判断、破局視、個人化)
第8章-4 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「視野狭窄」』(選択的知覚、心理的フィルタリング)
第8章-5 今一度知る双極性障害の『絶対思考(白黒思考、レッテル貼り、すべき思考)』
第9章 今一度知る双極性障害の『感情的な思考をコントロールする』
第10章 今一度知る双極性障害の『精神的メルトダウンを反転させる』
第11章 今一度知る双極性障害の『改善に向けた変化』








(2011/12/26 7:00)


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