最近、『いやな気分よ、さようなら』を熟読している。
〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法
デビッド・D.バーンズ 山岡 功一 夏苅 郁子
David D. Burns 佐藤 美奈子 林 建郎 小池 梨花
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内容(「BOOK」データベースより)
認知療法の気分改善効果は、驚くべきものである。うつ病に対して、抗うつ薬と同等か、それ以上の治療効果があると証明された初めての精神療法、それが認知療法である。本書は、人生を明るく生き、憂うつな気分をなくすための認知療法と呼ばれる最新の科学的方法を示す。抑うつ気分を改善し、自分の気分をコントロールする方法を身につけるための最適の書。
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これは自分で学ぶ「抑うつ」克服法となっている。
全世界でかなりの部数が売れていて、この業界?ではバイブル的存在となっている。
しかしながら、抑うつ状態の人ばかりではなく、通常の健常人にも”為になる本”と僕は感じるし、
誰にでも自信をもって勧められる。
たいへんわかり易い文体であって、事例もいい按配に挿話的に配置されている。
最初に、罪悪感について要約させて下さい。
【罪悪感】を言い表すと、
(1)行動が自分で決めた道徳的基準から外れ、フェアーでなくなったために、
やるべきではないことをやってしまった。
(もしくはしなければならないことを、やりそこねてしまった)
(2)この「悪い行い」は、悪い人間であるからだ。
(もしくは悪いことに傾きやすい人間、不道徳な人格、または腐り果てた奴・・・等々)
ここで「良心の呵責」と「罪悪感」とは違う。
どこが違うか、おわかりでしょうか?
■良心の呵責(後悔も含む)はその「行動」を批判するもの
■罪悪感は「自己」を批判の標的にするもの
では本題。
今日は、『愚痴のこぼし屋に対抗する技術』について要約してみたい。
ここで、『グチをこぼす人』をあたかも悪者のように決め付けて、やっつけてやろうということではない。
誰かにグチったり、話しを聞いてほしいことは、誰しも、あなただってあるだろう。
聞いてもらえば、それだけでスッキリした気分になるときもある。
しかし、時には永遠と続くこのグチはいつ終わるのだろうか?
自分だってしたいことはたくさんあるし、あんたにいつまでも付き合いきれない、
と感じることは、誰しも、あなただってあるだろう。
親しい相手と、自分のやりとりを再現してみよう。
このようなケースに似通ったことは誰しも少なからず経験するのではないか。
誰か(親しい人など)が愚痴ったり、泣き言を言って自分をイライラさせて罪悪感と
無気力を感じさせるような場合に効力を発揮する方法を伝授しましょう。
相手に対して同意し、忠告する代わりに、心から誉めるようにする。
ええ、これだけ?
そう、これだけです。
自分が相手の言うことに対して、ずっと同意され続ければ、不満を言い続けることに
相手は「全くおもしろくない」となってくる。
(愚痴に同意されると愚痴のエネルギーがすぐになくなってしまうから)
グチる相手はたいていイライラして、不安を感じているもの。
この場合「助けよう」ということは、「ものごとをちゃんとやっていない」ということを
相手に対して暗示するわけで、かえって相手は批判されているように聞こえてしまう。
ところが、賛同され、意見を受け入れられれば相手は支持されたように感じ、
逆に気を休めて落ち着くことができる、ってわけです。
このような話題が盛りだくさんの書籍「いやな気分よ、さようなら」、値が張るが良い本だ。
(2011/12/21 21:02)
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