◆事実1:
薬はこの障害の症状を完全にコントロールするために、そしていったん症状が治ったら、その再発を防ぐために必要
薬を用いないより用いたほうが、行動がより改善する事実をどれほど信じるか、ワークシート6.1に印をつけよう
ワークシート6.1 事実1に対する確信 |
あなたは事実1をどれくらいほど信じるか
|
0%
まったく信じていない
|
50%
まだ確信ない |
100%
事実だと知っている |
もしあなたがそれを確信していないなら、確信するためには何が必要か
あなたがこの考えを詳しく検討するために必要な情報は、どのように入手できるか
|
◆事実2:
・双極性障害の人はたいてい薬を服用するのを好まない
・(そのため)
-薬の服用を一切やめてしまったり、
-それほど一貫して服用しなくなったり、
-もっと我慢できるものにしようと自分で勝手に投薬計画を変更してしまったり、
といった時期を経験する人がほとんどである
ワークシート6.2を良く検証し、自分に当てはまる答えに印をつけてみよう
ワークシート6.2 自分の薬のパターン |
あなたの現在の薬の服用パターンを言い表していることに印をつけてみよう
□私は毎日、同じ時刻に自分の薬を全て飲む
□私は毎日、自分の薬のうち一部を飲む
□私はたいていの日、自分の薬を全て飲む
□私は自分の薬を毎日飲むつもりだが、忘れてしまうことがしばしばある
□私は自分の薬のうち一部を、自分の判断で飲むのをやめてしまった
□私は現在、双極性障害の薬を一切飲んでいない
私は現時点における自分の薬の服用の仕方に満足している
はい( ) いいえ( )
「いいえ」と回答した人は、現時点において、それについて何に満足していないのか
私は自分の薬の服用の仕方について、いくつか改善したい点がある
はい( ) いいえ( )
「はい」と回答した人は、どのように改善したいか
|
|
◆事実3:
・双極性障害の症状に対して処方される薬のほとんどは、ポジティブな影響をもたらすに十分な量をかなり一貫して服用しないと効果がない
・双極性障害の薬は、症状をコントロールし、躁病とうつ病の再発を防ぐ効果があるが、その基盤にあって症状を生む出している生物学的問題を治すわけではない(完全な治癒に至ってはいない)
この先の人生を、ずっと薬を服用し続けなければならないかもしれないとう確信度について、ワークシート6.3の質問に答えてみよう
ワークシート6.3 事実3に対する確信度 |
あなたは事実1をどれくらいほど信じるか
|
0%
まったく信じていない
|
50%
まだ確信ない |
100%
事実だと知っている |
強い確信がないという場合、薬の服用に関してどのように言えばもっと正確だと思うか
あなたの考えを変えるには何が必要か
|
◆事実4:
・双極性障害のために毎日薬を服用するということは、単に薬だけの問題ではない
・それは自分がまだ引き受ける準備のできていないかもしれない運命を受け入れるということ
(感情的には、この考えを受け入れがたいもの)
◆事実5:
・ほとんどの人が、心の病、および心の病いをを抱える人を受け入れることについて何がしかの偏見をもっている
・心の病いを患う人を完全に受け入れられるほど、自分の考えは洗練されているわけではない
・心の病いを抱えているということで、その分偏見に囚われなくなるかというと、そうではないかもしれない
・双極性障害の人自身、心の病いを抱える他の人に対して偏見を抱いていることがある
・もし、心の病いを抱えているということを容認できない、または性格の欠点だ、あるいは心の病いというのは本当の疾患ではないと考えているとしたら、自分自身の中の障害をなかなか受け入れることができないと、その治療に協力的になることは難しいかもしれない
これらの意見をワークシート6.5に回答する前に考えてみよう
ワークシート6.5 心の病いについてあなたの意見 |
医師の診察室、またはそのほかの場所で心の病いを抱えている人を目にしたとき、あなたは彼らについてどのように思うか
あなたは自分自身に対してもそのように考えるか
|
◆事実6:
・薬のほとんどが誰にでも効くというわけではない
・初めての試みで適切な薬の組み合わせが見つかる人はほとんどいない
・有効に作用する薬を医師が見つけるまでさまざまな薬を試験的に用いるのは、かなり大変なことになるかもしれない
(さまざまな薬を試している間にも不快な症状は続いているため)
・薬代の出費もかさむ
・この思考錯誤のアプローチを続けていくには、自分の側にとてつもない忍耐が求められる
薬の変更についてあなたはこれまでどう対処してきたか、ワークシート6.6に書き留めてみよう
ワークシート6.6 治療を持続していく方法についての考え |
有効に作用する薬が見つかるまでに数多くの薬を経験してきたとしたら、あなたはどのようにして欲求不満に陥りがちな過程を切り抜けてきたか
もし再びそのような状況に陥って、薬を変更、もしくは追加しなければならないことになっても、それでも治療を持続していくことの価値について、どんなことを思い起こすことができるか
もし現在、適切な薬を見つけようとしている最中から、あなたがあきらめない理由としては何か
ほかの人に対してどのようなアドバイスをするか
|
◆事実7:
・双極性障害の薬の服用を中断すると、症状が再発し、重篤なうつ病、または重篤な躁病に陥る危険が非常に高くなる
・双極性障害の再発に共通する原因は、薬を中断してしまうこと
・症状は即座にぶり返してくることもあるが、遅れて現れることもある
⇒この遅れこそが、薬など必要ないという印象を与えることになる
・薬を中断した時期と、症状が再発した時期との間に何らかの関連がないか、ライフチャートを再検討してみること
◆事実8:
・双極性障害の薬の服用を中断し、その後症状が再度、それらの薬の服用を始めても、以前ほど効き目が現れないことがある
・うつ病と躁病の再発は必ずしも常に予測できるとは限らない
・いつも同じパターンで起らないのが普通
・次のエピソードがいつ起こるかを知るのは不可能
・(わかっていることは)規則正しく薬を服用していないと、年齢を追うにつ入れてうつ病のエピソードと躁病のエピソードの間の期間が短くなり、それぞれのエピソード事態がより長引く傾向がある
◆事実9:
・双極性障害を抱えていることを受け入れ、規則正しく薬を服用することに同意していたとしても、様々なことによって、医師の処方どおりの治療計画に従えなくなる可能性もある
以下のような実際的な理由がる
○薬を切らしてしまった
○薬を飲み忘れた
○薬を購入するお金がまったくなかった
○薬局に薬を取りに行くのに、車で乗せていってくれる人がいなかった
またときには、以下のような家庭の事情によることがある
○薬を飲むことを母が心配する
○弟がこれらの薬に反応を示したことから、服用するのが怖くなった
○家族は、私がなぜ薬を飲むのかを理解していない
患者が規則正しく薬を服用しない理由が、ときには以下のように薬自体にあることもある
○薬を飲むと一日中、眠くなってしまう
○薬を飲むと体重が増えてしまう
○薬の数が多すぎる
以下のように、薬をまったく飲みたくないと思う、何か個人的な理由があることもある
○薬に頼らなくてはならないというのは好きじゃない
○薬から離れられなくなってしまうのではないか怖い
○気分が良くなったから、もう薬は必要ない
○薬は本当に自分の役に立っていない
処方通りに薬を服用しない理由が、以下のように医師または診療所に関係していることもある
○医師が本当に自分のことを理解しているように思わない
○医師は診察をあわただしく終えてしまい、私の話に耳を傾ける時間をとってくれなかった
○自分の医師、看護師、または診療所が好きでない
○医師の考えに賛成できない
ワークシート6.7に従って、これらにあげたリストで自分に当てはまるものについて検討してみよう
ワークシート6.7 薬の服用の忠実な継続に対する障害 |
事実9に挙げたリストを見直す
(1)双極性障害の治療を受けてきた期間に、処方されたとおりに忠実に投薬計画に従わなかった理由につてチェックを(レ)する
(2)またできるかぎり一貫して薬を服用しようとする際に、今でも困難だと思われることにチェック(レ)をする
(1) (2)
□ □ ○薬を切らしてしまった
□ □ ○薬を飲み忘れた
□ □ ○薬を購入するお金がまったくなかった
□ □ ○薬局に薬を取りに行くのに、車で乗せていってくれる人がいなかった
□ □ ○薬を飲むことを母が心配する
□ □ ○弟がこれらの薬に反応を示したことから、服用するのが怖くなった
□ □ ○家族は、私がなぜ薬を飲むのかを理解していない
□ □ ○薬を飲むと一日中、眠くなってしまう
□ □ ○薬を飲むと体重が増えてしまう
□ □ ○薬の数が多すぎる
□ □ ○薬の頼らなくてはならないというのは好きじゃない
□ □ ○薬から離れられなくなってしまうのではないか怖い
□ □ ○気分が良くなったから、もう薬は必要ない
□ □ ○医師が本当に自分のことを理解しているように思わない
□ □ ○医師は診察をあわただしく終えてしまい、私の話に耳を傾ける時間をとってくれなかった
□ □ ○自分の医師、看護師、または診療所が好きでない
□ □ ○医師の考えに賛成できない
|
|