『忘れない方が大切』と言われても 2011
12/2
金曜日

読売新聞本日付の「くらし教育」欄に「エピングハウスの忘却曲線」が掲載されていた。

エピングハウスの忘却曲線」によれば

20分後には、42%を忘却し、58%を覚えていた。
1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えていた。
1日後には、74%を忘却し、26%を覚えていた。
1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えていた。
1ヶ月後には、79%を忘却し、21%を覚えていた。


この忘却曲率は恐らく加齢とともに加速するだろうし、痴ほう症ともなれば5秒後には99%を忘却することが可能になるだろう。

時間と共に記憶が薄れていくのは、悪い一面ばかりではなく、良い一面もあるのではないか?

悪い一面のひとつには、忘れやすいというのは受験生や資格取得中の方には命取りで大きな課題。
何度も何度も反復学習することで記憶を定着させたり、何かイメージしたものと抱き合わせで覚えるのもひとの方法だろう。
僕もこの「イメージと抱き合わせ法」の手法は時折使うが、近年ではこれもおぼつかない。

良い一面のひとつには、忘れてしまいたいこと、辛かったこと、悲しかったこと、苦しかったことなどの
”心の傷”には好都合ではないか。
しかしこれは、なかなか記憶が剥がれることなく執着性・粘着性に富み、
前触れもなく突発的に脳裏に浮かんでしまうことも事実。


以前のブログに書いた「楽しいことの上塗り』は誰にも共感を得ると思われるので、よろしければ一読を。

ここで新聞記事には、
 「覚えることよりも忘れないことが大切。
 ただがむしゃらに覚えても、すぐに忘れてしまう勉強法では意味がない。
 その典型が一夜漬け」とある。

僕は中学までは一夜漬け専門、高校では勉強した記憶すらないのだが、一夜漬けのイメージはこのようなもの。
テスト当日の明け方にどどっと覚え、”記憶という名の水”にして「水がめ」に溜めておく。
学校に着くまで自転車に乗っても”記憶水”がこぼれぬように注意すること。
テストが始まれば、一気呵成に「水がめ」から”記憶という名の水”を答案用紙の上に垂れ流す。
テストが終われば90%は忘却する。
シンプルでよろしい。


さて、過去に自分がしてきたこと、してこなかったことの結果が軌跡・証跡として今の人生に残る。
記憶が自分に幸せをもたらせたこともあるだろうし、逆に災いとなったこともあるだろう。
自業自得であるともいえるだろうし、これが”自分らしい”と言い訳もすることもあるだろう。

間違っても、過去の出来事を後悔することは決してないだろう。
今を大事に大切に生きよう。
すれば、未来は明るいだろう。

しかし、過去へタイムスリップできる装置が発明された
のならば、この限りではないと言い添えておく。



(2011/12/02 20:55)




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