「オリンパスの上場?」「イタリアの放漫財政」「日本の排出量取引、新提案」 2011
11/16
水曜日

今日の読売新聞から気になる記事を3つばかり紹介しよう。

(1)オリンパスの上場廃止はどうなる?
(2)イタリア放漫財政による我田引水
(3)日本、排出量取引で新制度提案なるか

タイトルは僕流に付けてみたが要約は以下のとおり


(1)オリンパスの上場廃止はどうなる?
先日のブログでOLYMPUSの損失隠しについて触れたが、損失隠し問題で、証券取引等監視委員会が動き出した。
金融商品取引法違反(有価証券報告書などの偽造記載)での行政処分へ向けた同社の財務担当から聴取が始まった。
同社は既に損失額しについては、企業買収によって流用した資金により穴埋めはほぼ完了したという。
つまりオリンパスの財務内容は正常化したと見られている。
そこで肝心の上場廃止基準に抵触するかどうかが注目のポイントだろう。
監視委は虚偽記載での刑事処分を見送り、課徴金を科すように金融庁に勧告する方針を固めている。
上場廃止が回避される可能性も出てきた。
株主はほっと胸を撫で下ろすだろう。
しかし待てよ、世界や世間から俯瞰すると「臭いものに蓋をする」文化国の日本は
どさくさに紛れ、ことの追求を有耶無耶にしているように感じるのは僕だけだろうか?



(2)イタリア放漫財政による我田引水
このところ新聞記事を賑わせているイタリアの記事から。
イタリア国内では放漫財政で信じがたい実態がある。
ベルルスコーニ前首相が退陣に追い込まれ、マリオ・モンティ新首相に体勢を刷新した。
彼の手腕が問われるところだが、イタリア国内の議員や政府高官は世界でも有数の信じがたい
優遇ぶり、ふざけるなと庶民の声を代弁したくなるばかりの特権。
地方紙によればこうだ。ワン・ツー・スリー(オープン)
 ・公用車の数:7万2000台
 ・(そのための)運用費(年間):120億ユーロ(約1兆2650億円)
 ・上院の議員専用食堂:トマトパスタ(約170円)、ステーキ(約280円)
 ・議員報酬:独仏両国の約1.7倍
 ・政治家の脱税や汚職の慢性化
  ⇒庶民の順法意識の低さ

(すべてとは言わないが)イタリア人の「アッランジャーレ(最後には何とかなる」などと言っている場合ではない。
放漫で長期間に腐りきった土壌は放射能汚染された除去作業より厳しく、「我田引水」もいいところではないか。



(3)日本、排出量取引で新制度提案なるか
排出量取引については過去、何度かログにも書いたが、新聞から要点をかいつまむと、
COP17(気候変動枠組み条約第17回締約国会議)は2013年以降に新たな国際ルールとなる。
現行ルールである京都議定書(2012年までの取り決めがされている)に取って代わるのがCOP17というわけだ。
今時点のCOP17での2013年以降のルールは未決定。

CDM(国連の「クリーン開発メカニズム」)(※注2)についても少し触れておこう。
日本(先進国)が途上国にCO2削減を助ける事業を展開すると、その削減分は日本(先進国)のCO2削減分として算入できるとする国際取引の制度。(京都議定書での採択事項)
しかし、事業の採択基準は厳しく、審査に2年程要している。志半ばか。

京都議定書で中国・米国はCO2削減義務を課されていない。
EAS(※注2)18カ国での世界の中でCO2排出量は63%(2009時点)にも達するというのに。

政府は今後、CO2削減効果のある省エネ案件などで、日本企業が行う技術・機材の供与や人材育成を、政府開発援助(ODA)で支援することを検討中。

ここで日本の新提案とは、CDM以外の選択肢(EUはCDMの継承を主張するだろうが)を示すべくEAS(※注2)の議長声明に盛り込もうとしている。
シナリオは日本が「東アジア低炭素成長パートナーシップ構想」として
   先行的にEAS(東アジア首脳会議)内で理解を得ておく
   →欧州連合(EU)の交渉を有利に進められるようにする
中国や米国は異議を唱えていないという。

日本企業の持つ高い環境技術を世界の温室効果ガス削減の現場で、より幅広く活用していく足掛かりとなる。

「問われる外交力」が試される時だ。
日本よ、リーダーシップを発揮するチャンス、ベストを尽くせ、とエールを送る!!

(※注1)EAS:東アジアサミット、または東アジア首脳会議、英: East Asia summit,EAS)とは、将来の東アジア共同体の創設を視野に入れた首脳会議である。

(※注2)クリーン開発メカニズム(wikipedia)



(2011/11/16 21:13)


Copyright (C) 2011 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.