世界の人口大爆発と先進国のおごり 2011
11/10
水曜日

今日のブログは真剣に書いている。
是非、最後まで読んで頂きたい。

まずは本日の読売新聞「社説」から論点を要約してみたい。

■世界の推計人口:70億人突破
  2950年代:25億人
   ⇒60年で約3倍

■一年間の人口増加数:8000万人
   ⇒途上国を中心に

未来の人口:2050年⇒93億人
       21世紀末⇒100億人突破


■人口増加の最大要因:途上国の死亡率の低下
 (理由)
   (1)医療の進歩
   (2)食糧増産による人々の生活が飛躍的に向上

■世界の平均寿命:1950年代⇒48歳
         現    在⇒68歳
 (それ自体は喜ばしいことだが)

★初めて経験するグローバルな人口爆発を、人類ははたして無事に乗り越えられるのか?
 (課題)
    (1)限られた食料資源
    (2)エネルギーの有効活用できるかが課題
    (3)平和と繁栄の維持

■合計特殊出生率(ひとりの女性が生涯に産む子どもの数)
 世界平均    :2.5
 アフリカ一部の国:5超
 (不安材料)
    (1)貧困の長期化
    (2)最貧困国の人々の生活支援の継続
    (3)避妊への知識不足の解消⇒家族計画の教育の推進
    (4)女性の地位の向上

※国連人口基金の高齢化に対する指摘
■現在:60歳以上の世界人口の割合⇒12%
 今世紀半ば頃          ⇒25%(見込み)
(対策)
    (1)高齢者の雇用政策を促進
    (2)年金や医療制度の改革の促進

このような中で高齢化社会の先頭を走る日本の取り組みを、
世界は注視しているのだと。

■世界人口第一位の国はどこになるのか?
 ・2020年には、インドが中国を追い越して世界人口の第一になると予想さ

■アジアの人口の将来予測
 ・約40年後⇒52億人⇒以降、穏やかに減少すると予測
 ・現在の日本人口:今世紀末⇒1億2800万人⇒4800万に減少と予測

■アフリカの人口将来予測
 ・今世紀末⇒35億人と予測
  (移民など国境を越えた移動も活発化することだろう)

■将来の状況
 ・食糧や資源の争奪戦が予想される。
 ・国際政治の力学も大きく変化するに違いない。

「世界の大きな変動を視野に入れた日本の戦略が求められよう」と結んでいる。

日本の高齢化社会は、これらの要素を加味してどこまで具現化したヴィジョンが描けるのか?
世界から期待されているのと同時に、本当に高齢化社会についてどこまでリーダーシップを
執れるのか、僕は静観的に見守りつつ、疑心暗鬼に陥りそうだ。

実はこのように考えるのには訳がある。

「環境プランナー(※注1)」の資格を取得した際(2009.6)に学んだ「ロジカル・フィットプリント」(※注2)について触れてみよう。

(※注1) 「環境プランナー」とは?(抜粋) →今、企業にとって、環境問題への対応は、環境関連法規制の遵守、ISO14001 認証取得にとどまらず、環境会計の導入、環境報告書による情報開示、リサイクルへの対応など多岐にわたっています。こういった環境対応をトータルにこなし、ビジネスと環境の両立を組織のために提言・実行できる人材が、特に、中小企業で強く求められています。
このようなニーズに応えて開設されたのが環境プランナー資格制度です。環境プランニング学会(会長:山本良一東京大学教授)が、環境プランナーの評価登録と研修機関の認定を行っています。
「環境プランナー」は、企業が環境問題に対処するために必要な各種の経営知識とそれに関連する実務全般を習得し、事業所向けに環境全般のアドバイスができる能力を持つことを示す環境資格です。

(※注2)エコロジカル・フットプリント(ecological footprint:EF)とは、地球の環境容量をあらわしている指標
人間活動が環境に与える負荷を、資源の再生産および廃棄物の浄化に必要な面積として示した数値
通常は生活を維持するのに必要な一人当たりの陸地および水域の面積として示される。(出典: 『ウィキペディア)

簡単にいうと、
(地球上にある)生活を維持するのに必要な陸地および水域の総面積÷世界人口
=ロジカル・フィットプリント(ha/人)
となる。

◆地球上の人口68億人のエコロジカル・フィットプリントは既に地球全体の許容限界を超えている
 日本のエコロジカル・フィットプリント:4.3ha/人
 世界合計(公平な割当面積)  :1.8ha/人
世界中の人々が日本人のような暮らしをはじめたら、地球が約2.4個必要
米国のエコロジカル・フットプリント:9.5ha/人
同様に世界中の人々が米国人のような暮らしをはじめたとすると地球が5.3個必要
 (世界人口68億での試算)

現在の世界推計人口が70億から2050年には93億人、21世紀末には100億人に突破するとして、
生活を維持するのに必要な陸地および水域の総面積は減ることはあっても
増加することはあり得ないから、人工増加に伴い分母が大きくなれば、
更に一人当たりのフィット・プリントは大きくなる。
地球が何個あっても足りない。

日本で不自由なく育った一般市民は、世界の現実に対して無知である。
日本は発展途上国、貧困国に対しては現場目線でないとうこと。
日本は自然豊かな国だ。
そして「京都議定書」でCO2排出量の削減目標が決められたこと、コンプライアンス(法の順守)のもとに
各企業もそれに向けたCO2削減の取り組みや排出量取引を行いながら環境問題に取り組んでいる。

これはこれでとても良いことであり、
その面では、日本は秩序ある真面目な国である。

しかしながら日本国内の場合での議論の中心は、20年後、50年後のCO2排出量は
こうなるといったシミュレーションや、世界の人口爆発に伴って、よりシビアな取り組み
が必要であり、地球温暖化抑止に対して、何がどうなるというディスカッションは盛んである。

問題の”根っこ”はどこにあるのか?

貧困国、先進国、振興工業国(BRICs)、発展途上国と乱暴に3パターンに分類できる。

さて先進国に限っていえはどうなのか。
先進国の実態はこうだ。

先進国は上目目線である。
切迫感がない。
発展途上国は、食糧不足だけではなく、水がない国もあることを忘れてはならない。
発展途上国は生きるか死ぬか崖っぷちで生きている。
それに比べ先進国は地球規模で俯瞰はするが、大括りの議論に執着する傾向にある。
(貧困国の現場で医療や支援に、一時的に、あるいは一生を捧げ貢献している人々を忘れてはならないが)


日本は年間2,000万トンの食料が捨てられているという実態
それに対して貧困国への食料支援は全世界で800万トンにしか満たない。
日本という国は原材料を他国に依存し、多量輸入してまで食品を作り続けたあげく、
食べ残したり、作りすぎて捨ててしまったり、切なくならないか、罪悪感はないのか。
無駄にもほどがある。

今一度、考えてみよう。
この2,000万トンを飢えている国々に回せば、何万人、いや何百万人が救われる。
飽食すぎて日本は、自分たちが飢えることはないと思っている。

食物を食べ残しせず、無駄にしないことが今すぐ実行可能なことは肌で感じてもらえると有難い

長文・乱筆をご容赦願います。



(2011/11/10 21:32)


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