一日5年&春夏秋冬 2011
9/29
木曜日

帰宅すると、玄関ポストに「花王製品不買運動」のチラシが入っていた。
フジテレビが韓国傾倒の番組作り、その多額のスポンサー料を支払う花王は許せん、だからみんなで花王製品を買わないようにしよう。
このような趣旨のチラシだった。

フジテレビは「反社会的」で偏向内容の番組を製作していると声高らかに唱えている。
「反社会的」とは何をもって「反社会的」なのだろう。
それぞれ基準・視点・主義の捉え方により、「似て非なるもの」、「水と油」の「反社会的」が創られてしまいはしないか。

どうなんでしょう、右翼的思想・行動ではあるが、反対反対と唱えることばかりではなく、一般社会のコンセンサスも得られ、どうすればいいのか検討され、一般市民も納得がいくのなら、それらに賛同はするだろう。

国境の枠を越えて仲良くすればいいのじゃない。
気に入らない放送局だったら見みなけりゃいいじゃない。
それで視聴率が下がれば宣伝効果が下がるのだから、スポンサーも多額のお金は払うまい。
根はもっと深いところにあるのかもしれないが・・・・

ただ、情報を発信する側が不特定多数の大衆に向けて、発言力のある株主や特定の圧力によって公平さを欠くことはあまり望ましいとはいえまい。放送業界も企業であるから、株主の理解を得るため、そしてスポンサーの機嫌を損なわないように気配りをしてしまう。そして企業は営利追求をするのだから、それらの意向を汲み取るのは当たり前といえばあたりまえだろう。
(最近あまりテレビを観なくなってきたので、どうでもいい派だ)


今日の話題は暗い。

誰かに「躁鬱病(双極性障害)ってどんな病気ですか?」
と尋ねられたとしよう。

すると、僕はこのように答える。
 「一日過ぎるのに数年かかり、一日で春夏秋冬と季節が巡るようなもんだよ」と。

とある一日・・・・・・・

時刻は18時、
季節は晩秋。


どこからともなく天から悪魔の怒濤声が降ってくる。
  『よう、そろそろ部屋に入りやがれ』、
  いいか、今夜は暴風が吹き荒れるぞ。
  外はマイナス50度まで下がるからな。
  一度しか言わねぇから、耳の穴 かっぽじってちゃんと聞け!
  決して部屋から一歩たりとも出るんじゃないぞ。
  解ったんなら、とっとと部屋に入るんだ!!』

時刻は20時。
季節は初冬。


暗くて寒いジメジメした狭い部屋、一人で薄い毛布にくるまる。

時刻は丑三つ時、
季節は厳冬。

窓ガラスを猛吹雪が叩きつける。
夜も明けぬ時が永遠に続くのか。
猜疑心にすっぽり包まれる。
何も考えられない。
心は漆黒の闇で満たされる。

時刻は6時、
季節は初春。


どれだけ時間が経ったのだろう。
夜が白み始め、窓から明かりが射してくる。
太陽がゆっくりと水平線を昇っていく。
雪解けは終わりを告げ、小鳥がさえずる。
樹木は葉を纏い、新緑に包まれる。

唐突に天から女神が柔らかに囁きかける。
 『もういいんですよ、寒くて暗くて辛かったでしょう。
  さあ、外に出て、新鮮な空気を胸一杯に吸うといいわ
  もう誰もあなたの邪魔はしないわよ、そうよ、自由なのよ』


時刻は10時、
季節は初夏。


外では誰も彼もが話しかけてくる。
 「暫く見かけなかったけれど、何してたんだよ」
いっしょに一斉に盛り上がり始める。

時刻は12時、
季節は真夏。


気分がいい。
何をしても楽しい。
なんだか全然疲れもしない。
人生薔薇色にしか感じられない。

時刻は16時、
季節は初秋。


少し肌寒い。
樹木は紅葉色のドレスに着替える。

何をしてるんだろう。
ここはどこだろう。
みんなはどこにいったんだろう。
無心の時間が過ぎる。

時刻は18時、
季節は晩秋。


聞き覚えのある声、悪魔の怒濤声が土砂降り如く畳みかける。
 よう、また会ったな、そろそろ部屋に入りやがれ!
・・・・・・・・・
改めて、次の一日が巡ってきた。

僕の数年は5年前後だが、一日が何ヶ月かかるのか、何年かかるのか、人により違う。
時刻も、季節の変わり目の感じ方も人それぞれ。
サバナ気候の人もいれば、ツンドラ気候の人もいるだろう。

最後にトドメの答えを付け加えるならば、
 『それでね、大体の人はこんなことが、一生続いていくんだよ』

(2011/09/29 19:13)


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