家から歩いて5分ほどの距離に『タヌキ』が棲んでいる。
とは言っても、僕がそんな山奥に住んでいるわけではない。
野鳥や小動物の保護区があるのだ。
病休のため、家から一歩も出ない日も多いので、胴体はビア樽、脚はマッチ棒のようになってしまった。
これは大袈裟だが、多少なりとも運動をして、気分転換を図ろうと散歩に出かけることもある。
夏頃から子狸を連れたタヌキを頻繁に見かけるようになった。
そういや、誰かさんとタヌキを何度か見に来たことがあった。
「かわいい、かわいい」とはしゃいでいた。
思い出すと、ぽっかり空いた心にすきま風が吹き込んできた。
慌てて両手で胸を押さえ、すきま風を塞いだ。
二人の将来の方向性について、溝を埋めることは何をもってしても不可能だろう。
思い起こせば、たくさんの思い出があるが、そっと僕の胸の内に仕舞っておく。
詳細については他言無用としておこう。(2011/08/31 18:31)
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