『ビートルズ・サウンドを創った男』-耳こそはすべて- 2010
9/6
月曜日

 ジョージ・マーティンをご存じだろうか。ザ・ビートルズのプロデューサーだったということが一番有名だろう。その彼が1979年に書き下ろした自叙伝的な本であり、生い立ちから、EMIに入社して、レコード・プロデューサーとしてどのように関わってきたか、素直な語り口調で記されている。ビートルズとの出会い、彼らとのレコード製作のトピックスなど、興味深い話題も満載されている。1962年当時、ビートルズはことごとくレコード会社から見向きもされなかった。デッカのオーディションも落ちた。これはデッカ社最大の失点とされているが、僕はジョージ・マーティンがプロデュースしたからこそ、ザ・ビートルズの成功があったし、間違いなく彼の存在なくして「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の傑作コンセプトアルバムは作り得なかったと思う。

 しかし、彼がEMIに雇われていたときの不遇な扱いはなんとしたものだろう。その後、独立し、AIRスタジオを立ち上げていく。レコード・プロデューサーを目指す人への指南も盛り込まれている。ビートルズのレコーディング技術を詳しく読みたい人は、ラバー・ソールからエンジニアとしてジョージ・マーティンとタッグを組んでいたジェフ・エメリック著の「ザ・ビートルズ・サウンド最後の事実」がお勧めだ。(2010/09/06 22:22)

ビートルズ・サウンドを創った男―耳こそはすべて
ジョージ マーティン George Martin

4309265790

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