『陰獣』江戸川乱歩著 2010
4/20
火曜日

 江戸川乱歩ベストセレクション4『陰獣』を読んだ。以下の2篇。
 ◇陰獣(1926年6月)
 ◇蟲(1929年9月~10月)

 いずれも、この当時に書かれた秀作だと感心する。淫乱な江戸川乱歩流で、当時としては「おっと・・・」みたいな怪しげな、そこはかとなく、狂おしい描写がいいじゃないか。

 「陰獣」は映画化も何度もされているようだが、内面の顔は判らないものだな、ということ。

 「蟲」は世にもたぐいな厭人(えんじん)病者であって、あこがれの女性を絞殺し、自分の部屋に匿う。その死体が日を追う毎にどのように変化するのか、考察が医学的で面白い。

文庫: 204ページ
出版社: 角川グループパブリッシング
ISBN-10: 4041053315
ISBN-13: 978-4041053317
発売日: 2008/11/22

■内容(「BOOK」データベースより)
探偵作家の寒川に、資産家夫人、静子が助けを求めてきた。捨てた男から脅迫状が届いたというが、差出人は人気探偵作家の大江春泥。静子の美しさと春泥への興味で、寒川は出来るだけの助力を約束するが、春泥の行方はつかめない。そんなある日、静子の夫の変死体が発見された。表題作のほか、愛する女に異常な執着を示す男の物語、「蟲」を収録。男女の情念を描いたベストセレクション第4弾。


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