『木を植えよ!/宮脇昭著』(1) 2010
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木曜日

 先日の講演会『いのちと心と遺伝子を守るふるさとの森を-日本から世界へ-』を拝聴し、是非、この人の本を読んでみたいと感じ、環境サポーターズのご意見番、八斗さんに勧められた本を中古本で購入し読んだ。

 なるほど、意外に森林作りは神経質になる必要はないと。著書は自書の中で「私たちは今こそ、自然の征服者であるという誤ったおごりを捨て、少し遠慮し、時には我慢しながら、多層構造の本物の森と共に生きていかなれればなりません」と。

 森の分類法としては大きく分類すると、
□「天然林」(原生林、処女林):林業その他、経済的に森林を利用する観点からみると、人間の影響が加わっていない、あるいは加わる直前までのもの
□「施工林」(人工林):伐採、植樹、枝打ち、間伐、下草刈りなどのような管理が行われているもの
□「炭層林」「単純林」(純林):スギやヒノキなど一種類だけが植えられている樹林
□「混合林」:二種以上が植えられている樹林
□「未熟林」:伐採の時期を決める目的などから、生育途上にある樹林
□「成熟林」:森として完成している樹林
□「過熟林」:伐採しないと風倒木などで森が破戒される恐れのある樹林
 目的別には、
□「経済林」
□「保安林」
 作業の仕方によって、
□「高木林」
□「択抜林」
□「低木林」
□「中林」
 生育している土地によって、
□「平地林」
□「山岳林」
 広い範囲の気候を条件に
□「熱帯林」
□「温帯林」
□「寒帯林」

単行本: 220ページ
出版社: 新潮社 (2006/11/22)
ISBN-10: 4106035723
ISBN-13: 978-4106035722
発売日: 2006/11/22


 生態学的には、
□「原生林」「原始林」:人間活動の影響が加わる前の森
□「現存林」:さまざまな人間活動の影響下に成立または存続している森

 今日はここまで、また、別の機会に少し掘り下げた感想などを書くこととしよう。じゃ。(2010/03/04 21:23)

 植物生態学者の著者が、森と文明、日本人と森の関係、正しい植樹方法などを論じる。人類は文明の発達とともに森を開発の邪魔者とみなし、破壊してきた。日本人も樹木を伐採し、水田や畑を耕し、街を作ったが、文明国・先進国の中では唯一、森を「皆殺し」せず、「ふるさとの木によるふるさとの森」を残してきた。しかし、ここ半世紀ほどは残された最後の森を破壊し、人工環境、人工都市を形成している。著者は今こそ、森と共生する生き方を見直し、本物のふるさとの森を作るべきだと訴える。その際には「潜在自然植生」を考慮して主木の樹種を選ぶことなどが重要と指摘する。

出版社/著者からの内容紹介
 緑化であれば、どんな草木でもいいわけではない。潜在自然植生、すなわち「正しい森」こそ、災害に強く、手間がかからず、半永久的に繁り続ける。日本人は、先進国の中で唯一、森を皆伐しなかった。そして、日本列島ほど森の生育環境に適した国はない。照葉樹林文化をルーツとする日本人は、今こそ率先して人類を救う正しい木を植えるべきだ。「鎮守の森論」から「森と文明について」「実用的な植樹の方法」まで、「実行する植物生態学者」宮脇昭の60年にわたる森林哲学と植樹方法のすべてが分かる決定版。


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