『沈んだ世界』J.G.バラード著 2010
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土曜日

 『沈んだ世界』を読んだ。原書は、The Drowned World,1962で、僕の生まれた年の作品だ。電離層が破戒され、太陽光が容赦なく降り注ぎ、温度は沸騰するほど上昇し、地球上の都市は水没し、熱射地獄と化していた。生物学者ケランズを中心に据え、きな臭い展開をみせる終焉世界なのだが、どうもストーリーが平坦で、凹凸がなく、状況説明に終始して、最後まで没頭できずじまいだった。名作といわれているのだけれどね。発想はいいのに星二つといったところ。

 レンタルDVDを見た。ニコラス・ケイジ主演の『ノウイング』 こちらは太陽のスーパーフレアによりマイクロテスラの放射線がオゾン層を破戒し、地球は一瞬にして燃え尽きてしまう。それに親子の愛情を含ませながら、今時のVFX技術も惜しみなく盛り込まれている。ジェット旅客機の墜落シーンがよく出来ていたね。僕はこれに近い夢を何度もみている。何故だろう、フルカラーでリアルな夢なんだね。(2010/01/30 21:18)

文庫: 260ページ
出版社: 東京創元社 (1968/02)
ISBN-10: 4488629016
ISBN-13: 978-4488629014
発売日: 1968/02

出版社/著者からの内容紹介
六、七十年前から起こった一連の地球物理学上の変動により、地球の表面は高温多湿の水浸しの世界となっていた。国連調査部隊イギリス隊に加わった生物学者ケランズは、激変した動植物の形態を調べながら水没した都市を次々に遍歴していった……。六〇年代の英国“ニュー・ウエーブ”運動を代表する旗手バラードの初紹介。


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