『マイノリティ・リポート』フィリップ・K・ディック 2010
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木曜日

 P・K・Dの18冊目読了は『マイノリティ・リポート』、この短篇はトム・クルーズ主演で映画にもなったね。短篇7篇で構成されている。

 3篇目の「世界を我が手に」は、僕が子ども時分に漠然と考えたプロットととても似ていて、僕たちが住むこの地球や宇宙は、どこかの誰かの部屋にあって、それを監視・育成しているまた別の生物の存在があるんじゃないかと想像に耽ったことがある。ちょっとドキッとしたよ。(あらすじ:太陽系のどの惑星にも生命が存在しないと知った人々は、有り余る余暇も手伝い、「世界球」に熱中するようになった。小さな模型の惑星に生命を発生させ、進化させ、最後には高度な文明社会を発展させる。精密に作られた世界球は、それ自体がひとつの小宇宙だった。だが、人々は手塩にかけて育てた世界球を次々と破壊するようになる。それは世界を支配したいという欲求、自分が手にした力の確認なのか。ガジェットはSF的だがテーマは意外と内省的。最後に用意された落ちもオーソドックスではあるが力がある)

■The Minority Report マイノリティ・リポート 1956 浅倉久志・訳
■James P. Crow ジェイムズ・P・クロウ 1954 浅倉久志・訳
■The Trouble With Bubbles 世界をわが手に 1953 大森望・訳
■Waterspider 水蜘蛛計画 1964 浅倉久志・訳
■Stability 安定社会 1987 浅倉久志・訳
■The Crystal Crypt 火星潜入 1954 浅倉久志・訳
■We Can Remember It For You Wholesale 追憶売ります 1966 深町眞理子・訳
(2010/01/07 17:42)

文庫: 321ページ
出版社: 早川書房
ISBN-10: 4150112789
ISBN-13: 978-4150112783
発売日: 1999/06
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 プレコグ(予知能力者)の助けを借りて犯罪を取り締まる犯罪予防局が設立され、あらゆる犯罪行為を未然に防ぐことができるようになった。その結果、現実の殺人はこの5年起こっていない。そんなある日、犯罪予防局長官アンダートンが、いつものようにプレコグの予知を分析したカードをチェックしていると、その中に自分が翌週までにある男を殺すというカードを見つける。これは自分を陥れる陰謀に違いない。カードに細工をするには、内部に共犯者が必要だが、それは果たして誰なのか。新しく赴任してきたウィットワー、局の高官でもある妻のリサ、部下のペイジ、それとも…。警察に追われながらも真相に迫っていくアンダートンの前に、突然謎の男が現れる。トム・クルーズ主演、スピルバーグ監督による映画化原作の表題作ほか、シュワルツェネッガー主演の映画『トータル・リコール』の原作「追憶売ります」など全7篇を収録。

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