『まだ人間じゃない』フィリップ・K・ディックを読了 2009
8/31
月曜日

 自民党は1955年の結党以来、初めて衆院の第1党から転落し、政権の座も失った。政権交代を訴えていた民主党が過半数を大きく上回る308議席を獲得した。

 小選挙区選は、前回2005年衆院選の67・51%を1・77ポイント上回る69・28%、比例選も前回より1・81ポイント増の69・27%。いずれも、1996年以来5回目となる小選挙区比例代表並立制下での投票率としては最高。投票率が増加した背景には、簡単な手続きでできる期日前投票制度が定着してきたことに加え、政権選択が最大の焦点となった衆院選への関心が高かったことがあるとみられる。

 小選挙区選の当日有権者数は1億394万9442人。投票者数は7201万9655人で、棄権者数は3192万9787人。男女別投票率は男性が69・46%、女性は69・12%だった。小選挙区選の都道府県別の投票率では、島根県が最高の78・35%で、70%を超えたのは28道県。最低は千葉県の64・87%だった。

 また、衆院選の結果が政権交代に結びついたのは、過去44回のうち戦前に1回(1924年)、戦後に2回(47、93年)の計3回しかないのだそうだ。(読売新聞com)より

 千葉の投票率は低いね。しかし、昨日の選挙で、民主党の圧勝、大躍進となったわけだけれど、今後の舵取りは、十分国民本位でやってもらわないと、二大政党の循環型政党とは言えないから、ベストを尽くしてほしいし、国民も見守っていかないといけませんね。 ほんのお触りだけね。

 さて、今朝と昼休みでヘッドラインの「まだ人間じゃない」残り部分の100頁余りを読了した。 今回もいいぞ。 ますます、彼贔屓となるわ。

 1980年にマーク・ハースと選によって刊行された短編集「THE GOLDEN MAN」の訳書(二分冊の下巻)。既存の短編集に未収録の作品を集めたもので、ハヤカワ文庫から刊行されている。原書は1冊だが訳書は2巻に分かれており、本作はオリジナルの後半部分8編を収録。1954年代に発表された作品4編、64年発表が3編、74年発表が1編という構成で、その他にもディックの「あとがき」と「作品メモ」を訳出・収録している。尚、二分冊の上巻は「ゴールデン・マン」のタイトルで同じくハヤカワ文庫から刊行、オリジナルの前半部分を収録している。

  1. The War With The Fnools フヌールとの戦い (1964) 友枝康子・訳
  2. The Last Of The Masters 最後の支配者 (1954) 浅倉久志・訳
  3. Meddler 干渉する者 (1954) 大瀧啓裕・訳
  4. A Game Of Unchance 運のないゲーム (1964) 浅倉久志・訳
  5. Sales Pitch CM地獄 (1954) 浅倉久志・訳
  6. Precious Artifact かけがえのない人造物 (1964) 小川隆・訳
  7. Small Town 小さな町 (1954) 小川隆・訳
  8. The Pre-Persons まだ人間じゃない (1974) 友枝康子・訳

 特に最後の「人間じゃない」は堕胎をテーマに扱っていて、どこで法律的に線引きをするか、人工が莫大増加となり、人口増加率0%維持をするため、魂の宿っていないとする満年齢12歳以下の子供たちは、「生後堕胎」として、親が望めば、子供を差し出すことが可能というお話で、このテーマは重いね。 しかし、親の愛情というのは、いつの時代も変わらないのじゃないのかな、命の重みを疎かにするなということもあるけれど、かなり論議を醸し出したテーマだね、堕胎を容認するか、否認するか、賛否両論だから。 (2009/08/31 19:58)


文庫: 317ページ
出版社: 早川書房; 新装版版 (2008/3/7)
発売日: 2008/3/7

内容紹介
12歳未満の子供は人間として認めず、許可なく屋外をうろつく子供をまるで野犬やのら猫のように狩りたてて殺してしまう、戦慄の世界を描いた表題作「まだ人間じゃない」、異星人による奇妙な侵略をうける地球の物語「フヌールとの戦い」、人類存続のため努力しつづけるロボットの苦闘をスリリングに描く「最後の支配者」、広告戦争が極限にまで達した騒々しい未来社会を皮肉な筆致で活写する「CM地獄」など、8篇を収録

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