今回もフィリップ・K・ディックの短編集「パーキー・パットの日々」を読み終えた。 本書は、1977年にジョン・ブラナー選によって刊行された短編集「THE
BEST OF PHILIP K. DICK」の訳書(二分冊の上巻)。 下巻は注文中の「時間飛行士へのささやかな贈り物」となっている。 収録作品は、10編で、
- Beyond Lies The Wub ウーブ身重く横たわる (1952) 大森望・訳
- Roog ルーグ (1953) 大森望・訳
- Second Variety 変種第二号 (1953) 友枝康子・訳
- Paycheck 報酬 (1953) 浅倉久志・訳
- Imposter にせもの (1953) 大森望・訳
- Colony 植民地 (1953) 大瀧啓裕・訳
- Expendable 消耗員 (1953) 浅倉久志・訳
- The Days Of Perky Pat パーキー・パットの日々 (1963) 浅倉久志・訳
- Breakfast At Twilight たそがれの朝食 (1954) 浅倉久志・訳
- Foster, You're Dead フォスター、おまえ、死んでるところだぞ (1955) 友枝康子・訳
犬の視点で人間を見た「ルーグ」や、昆虫が意思を持っている「消耗員」、クーロン人間になりすました宇宙人を描く「にせもの」、映画にもなった「ペイチェック」、その他、地球が核や水爆で汚染され、その後、人間がどのような生活を送るのだろうか、近未来を予測した、荒廃した地球の描写や人間模様が、いかにもSFっぽさと好奇心を掻き立てる。 多少、説明がまわりくどい部分もあるが、アイデアや発想の着眼点が、50年以上も前に書かれたのだと思うと、うーん、と、これまたディックらしさに唸るのだよね。
フィリップ・K・ディックを知らずして、SFを語るな、と言いたくなってしまうね。 じゃ。(2009/08/25 23:08)
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文庫: 410ページ
出版社
: (ハヤカワ文庫SF)
(文庫)
発売日: 1991/01
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