NTTコムウェア企業の森:下刈り研修 2009
7/4
土曜日

 今日は9月の本番下刈りにむけた事前研修として、弊社からの参加は環境サポーターズと事務局から併せて12名、東京財団からKさん、NPO「西多摩自然フォーラム」から5人のインストラクターを含めて、下刈りを実施した。天気は曇天から快晴と、まあ、真夏ですね。汗、びっしょり、ぐっしょりといい汗を流しましたね。

 沢井駅から程近い「寒山寺駐車場」に10時集合とし、弊社の企業の森は5月に植樹したばかりだから、下刈りをするほど伸びていないということから、その近所で、下刈りの研修をさせて頂いた。午前中は、杉の木の周りに密集していた「竹似草」や「虎の尾」などが生い茂る急斜面を大鎌を安全に使いながら、杉に光が当るように、せっせと作業をした。しかし、汗は迸るね。もう、ムンムンだった。

 駐車場まで戻り、各自持参の弁当を食べた。12:45から大鎌の研ぎを研修。竹を倒して、竹のクラフト(タンブラー、皿、箸)などをテキトーに作って、もう一度、「NTTコムウェア企業の森」の整備と片付けを少しばかり全員でこなした。15:00に終了。もう、身体は汗でびっしょりだけれど、ほどよい充実感と疲労感で、電車を待つまでに飲んだ缶ビールがとってもおいしかたですね。(2009/07/04 17:01)


 【動画】

環境サポーターズ指導書(二版) 2009.5.11 西多摩自然フォーラム 木工部会 篭島三郎(森林インストラクター)

■下刈り
造林木や育成目標樹種が種間競争に打ち勝つよう、生育を阻害する他の植物を刈り払う作業。下刈りが必要とする期間は、土壌・気候条件・林内照度などにより変わるが、スギ・ヒノキ単層林では植林後、隣接木同士の樹冠が重なり合うまでの5~8年間くらいまで必要とされている。(NTTコムウェアの森では、人工林の植栽地には、花粉の少ないスギとヒノキが植林される予定であり、その下刈りの一部を皆さんが担う場合も想定される。広葉樹の植栽地では、造林木の成長を妨げる様な雑草木の刈り払いは、つる切りと同様に必要に応じて実施する必要がある。)
 植栽当年は7月下旬~8月上旬にかけての1回刈り、以降2年目から4年目くらいまでは、雑草木が繁茂するため6月下旬~7月上旬、と8月中旬の2回刈りをすることもある。植栽地の全域を下刈りする方法を「全刈り」、植栽木の周囲だけを刈る「坪刈り」、植栽列に沿って刈る「筋刈り」などがある。筋幅は植栽木をはさんで約1.8mくらい。
※使用する道具:雑草・つる・萌芽などを引きながら刈り払うので鍋づる型(三日月ガマ)の大カマ、カマが中心(ナタ型と鍋づる型の中間として、わらび型があり、地ごしらえと下刈りの兼用として使用される。)
 作業の時期が夏期となるため、熱射対策、危険物(特にハチ、ブヨ、蚊、ウルシ、マムシ)対策が重要となる。

■つる切り
 字の通り、造林木や育成目標樹種に捲き付いたつる性植物(藤本類)を地際からナタやノコ、剪定用鋏などで切るとともに、捲きついて部分は出来るだけ取り払ってやる作業既に樹木の幹部に捲きつき締め上げる様な状態になっている場合でも、つるを剥がし取る。(その様な状況にならない様に育林していくことが肝要)
 植栽地には当初は光(陽)が十分に当るため、つる性植物も他の雑草木同様に繁茂が速い樹冠同士が完全に接して林床が暗くなり、つる性植物が侵入生育できなくなるまでつる切りは続けなければならない!

■下刈り作業の一般的注意事項(カマでの作業想定)

 ・必要以上にカマを大きく振り回したり片手振りをしない。
 ・雑草やかん木に隠れている伐根や石類をよく確かめながら作業する。
 ・上下/近接の状態にならない様、作業者同士、相互の間隔を十分確保する。
  カマの場合は、柄の二倍以上の間隔を保つこと。又、作業をしていない人も作業者から十分な距離を保つこと。(カマの場合には2m以内には入らないこと)
 ・刈り払いしたかん木やササ類の切り口は鋭利な状態となり易く、踏み抜けや刺傷の原因にもなるので、なるべく低く、平滑になる様に刈り払う。
 ・集団で斜面を平行に歩行しながらの横に進むために、作業範囲は広くなるので周囲に十分注意すること。
 ・急斜地で下方に向かって刈り払わざるを得ない場合、姿勢が不安定となり刈り刃が足に近づきやすく危険となるため行わない(熟練者に任せる)か、最初から足元を刈ることの無いように計画的に刈る。
 ・作業の季節柄、特に「ハチ」には十分注意する。又、「暑さ」対策も十分に!
 ・危険植物(ウルシなど)を刈り払った場合、切り口や葉、カマの刃面に触れたりしない飛散した「ウルシ」などの樹液が服装に付いてかぶれることがあるので、薄すぎない服装を心掛ける。
 ・有棘植物を掻き集めるときは、他の木本を棒代わりに使い棘に直接触れることがない様にする。(カマの刃部を使って集めることも出来るが、慣れるまでは危険)

■つる切り作業の一般的留意事項(ナタ・ノコでの作業の場合)
←★心掛けてほしい点
 ・造林木や育成目標樹種の幹部や枝部を傷つけない様に注意。可能ならば道具の刃部を樹木の方に向けず、外側に向く様にする。どうしても刃部を樹木側に向かって切る場合は、切り終える直前はノコを引く幅や押す力を優しく緩くしてやる。ナタで樹木方向に向けて切る場合には、樹木まで距離が十分、確保できる場合とする。
 ・造林木や育成目標樹種の樹高に手が届く場合は、からまっているつる類は全て取り除く。樹高が高くなりそれが無理の場合は、可能の高さではつる類は除去する。つるは切ることで、養分・水部の供給が閉ざされ枯れるが、纏わりつかれる樹木にとっては、快いことではないと想える(←★つる類には申し訳ないが・・・)

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