スリップストリーム『ユダヤ警官同盟』 2009
5/4
月曜日

 ブラウン運動をしていた僕の気分も、今日は安定期に入り(どういう意味?)、いつも通りの沈着冷静な自分となった。(だれもそのように君のことを言った人は一人もいない)

 さて、ヘッドラインの下巻を読み終えた。この本のジャンルは、いわゆる「スリップ・ストリーム文学」というらしい。どんなのか、っていうと改変歴史SF+ハードボイルド+ミステリー+純文学という境界を侵犯しジャンルを横断する文学らしいのね。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の三冠となっただけのことはあると思う。ただし、先入観を持たないで読んだ方がいい。xx賞受賞作品だとか、期待を持ちすぎてもイケナイし、世間が評しているほど自分が感動しなくても、それぞれ感じ方は人によって違うのだから、一般評価は”糞食らえ”、自分の価値観で感じればいいのだと思うな。人と同じじゃツマラナイしね。

 一般的に、科学小説(SF)というのは純文学からすると、少し蔑んだ、下に見ているような扱いをされることがあるけれど、フィリップ・K・ディックをはじめ、文学的にもなかなか侮れないものがある。まあ、これも自分が楽しめれば、ああ、おもしろかったとなれば、それで充分目的は達しているのだしね。 じゃ。(2009/05/04 17:30)
 

312ページ 323ページ
新潮社文庫、発売2009.4.25

内容(「BOOK」データベースより)
マフィアが巣食い、宗教指導者が影響力を揮うシトカの街を、深い傷を負った刑事の魂が彷徨う。殺された若者はチェスの天才だった。神童。奇跡の子。ユダヤ人の間で囁かれる救世主伝説。警察ばかりか、幾多の勢力が事件を葬り去ろうとするなか、相棒ベルコと暴走気味に捜査を続けるランツマンはある事実に気づくが―。故郷喪失者の挽歌が響くハードボイルド・ミステリ大作、佳境へ。2008年度のヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞というSFの主要三賞を制覇。エドガー賞長篇賞、ハメット賞最終候補。

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