『失敗するコツ十二条』 2009
4/25
土曜日

 井上ひさしさんの『ふふふ(講談社文庫)』のエッセイ、「経営方針」から、なるほど、ってのをひとつ。
 東京都は大田区に構えるお弁当の「玉子屋」、『失敗するコツ十二条』を紹介してみよう。失敗するコツだからね、真逆にしないといけないよ。

旧来の方法が一番よいと信じていること。
餅は餅屋だと自惚れていること。
ヒマがないといって本を読まぬこと。
どうにかなると考えていること。
稼ぐに追いつく貧乏なしと、むやみやたらに骨をおること。
良いものは黙っていても売れる、と安心していること。
高い給料は出せないといって人を安く使うこと。
支払いは延ばす方が得だと、なるべく支払わぬ工夫をすること。
機械は高いといって、人を使うこと。
お客はわがままだと考えること。
十一 商売人に人情は禁物だと考えること。
十二 そんなことは出来ないといって、改善しないこと。

 僕が務めるビルへも「玉子屋」さんは、配達でお弁当を配っている。時折、配達のお姉さんにすれ違う。挨拶を交わすことがよくある。「こんにちは」「おはようございます」と元気いっぱい、大きな声で、いつも明るく屈託がない。重いお弁当箱のケースを何段も積み重ねて動き回っている。時々、ドアを開けるのを補助してあげると、「ありがとうございます。いつもすみません」と満面の笑顔で微笑み返す。

 玉子屋の社長の社員採用の基準は独特?だと何かの雑誌で読んだことがある。(細かなことは省略) 僕の会社は、お勉強のよく出来る人、有名大学を卒業した人は多いのかもしれないし、事実そうだ。でも、ちょっと待てよ。玉子屋のお姉さんほど元気な社員はとても少ないぞ。

 僕は時々考えるのだよね。会社は社員ひとりひとりで構成されているし、社員は大事な”虎の子”でもあるわけだから、導く経営陣や上司や先輩の影響を受ける。なので、僕たち中堅社員以上が、もっと元気よく、誰にでも声をかけてあげる、そんな初歩的なことからやらなきゃ、会社は変わらないと思うのだよね。苦虫を噛み潰したような表情をした、上司諸君(例外も結構いるにはいるけれど) 、鏡を見たまえ、毎朝、鏡に向かって笑顔のトレーニングをしなさい、にー、とか、あーとか、顔のあらゆる筋肉を動かして顔面筋トレをしなさい、と言いたい。(12:25)

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