『利己的な遺伝子』(その2) 2009
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木曜日
 一つ一つの個体に宿っている遺伝子の組み合わせは短命であるが、遺伝子自体は非常に長生きする。体の歩む道はたえず出会ったり離れたりしながら、世代から世代へ続いていく。一個の遺伝子は、何世代もの個体の体を通って生き続ける単位と考えてもよかろう。

 遺伝子は、祖父母から孫まで、他の遺伝子と合体したりすることなく、まるごとそっくり、中間の世代をまっすぐに通過して旅をする。

 遺伝子は不死身である。遺伝子が不死身であるのに対して体その他といったもっと上の単位はすべて一過性のものである。
 利己的な遺伝子
 リチャード・ドーキンス (著)
 単行本: 548ページ
 出版社: 紀伊國屋書店  (1991/02)
 ISBN-10: 4314005564
 ISBN-13: 978-4314005562
 発売日: 1991/02

  前回(その1)から、利己的⇔利他的なことを述べたが、人間は1027個以上の原子から出来ているらしい。(だから、どうなの?) ええ、原子の自己複製(遺伝子)の現代版であるDNAがポジ・ネガ型の複製をおこなう。DNAの自己複製の誤りが進化を可能にする。

 進化とは、遺伝子(自己複製)がコピーの誤り防止にあらゆる努力を傾けているにもかかわらず、嫌が応なしに起こってしまう類。実際に”遺伝子”は進化したいと望むものではないらしい。
 ①寿命
 ②多様性
 ③複製の正確さ
が進化→自然淘汰されながら、生命の祖(祖先)から淡々と歩み続けた悠久の遅々たる営みだったんだね。そうしながら、競争相手を排除し、身を守るすべを編み出しながら、遺伝子プールから徐々に徐々に拡散していった、って漠然と感じるわけですよ。DNAはヌクレオチドと呼ばれる人形分子を構造とする長い鎖、螺旋状に絡み合って一対のヌクレオチドの鎖(「二重らせん」「不滅のコイル」とか言われる)を作り出す。

 さて、あらゆる動植物でヌクレオチドの構成はたった4種類しかない。(ええ、マジかよ、って思うよね) 違うのは繋がる順序だけ。人間の体を構成している細胞は1015個、それらの細胞すべてにDNAの完全なコピーを含んでいる。染色体と呼ばれる「書棚」46巻に本書は分かり易く喩えている。

 無視される遺伝子は、”劣性遺伝子(優良遺伝子に対して)”があり、”対立遺伝子(二つの遺伝子が染色体上の同一位置に関するライバルである場合)”や、”滅数遺伝子(別の型の細胞分裂=”別の型の細胞分裂=”生殖細胞”(卵と精子を作るときだけに起こる))、”致死遺伝子(持ち主を死なせる遺伝子)”、”突然変異遺伝子(ミュータント)=他の写し間違いの率を操作する)”といったことも、本書の冒頭で軽い説明がある。遺伝子レベルでは、利他主義は”悪”であり、利己主義が”善”と言い切っている。

 今日で240頁まで読んだけれど、まだまだおもしろい部分があるね、サワリに過ぎないぞ、今日はここまで・・・じゃ。

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