2008年9月4日(木) 
 『武士道』-仁・義・礼・智・信-その3
ーサムライの心の肉襞に刻み込まれ、強力な行動規範として拘束力を持った。ー

 残暑残る今日この頃ですが、皆様、お変わりございませんか?

 さて、一連『武士道』編、これはなんとなくシリーズブログとなりそうな気配がする。

 <その1><その2>に続く<その3>とするね。

 著者、新渡戸稲造氏も『武士道』を何と訳そうかと悩んだことが最初に述べていてね、おおざっぱに’chivalry’を充ててみた。原語は騎士道(下参照)にあたるのだけれど、どうももっと多くの意味を『武士道』は含んでいる。
1 騎士道(精神):礼節・女性尊重・勇気・武芸など騎士の資質
a romance of chivalry
騎士(道)物語.
2 (中世の)騎士道制度(の慣行)
the Age of Chivalry
騎士道時代(10-14世紀).
3 ((古))((集合的に複数扱い))騎士団;勇敢な武士[紳士].
4 ((古))騎士道にかなった行為.
[アングロフランス語cheval(馬)+-Y3(抽象名詞語尾). △CHEVALIER, CAVALIER
[提供: プログレッシブ英和中辞典
 よって、新渡戸さんは、「ブシドー」は字義的には「武士道」であり、武士階級がその職業、および日常生活において守るべき道を意味しているのであるし、一言で言えば、「武士の掟」、すなわち、「高き身分の者に伴う義務」となるから、文字上の意味を確認した上で、これ以降、「武士道(Bushido)」の原語のまま使うことにしたんだね。

 理由として、
1.これほど限定的で独特な、しかも独自の気風や性格を生んだわが国固有の教訓は、それとわかりうる特徴的なしるしを全面に帯びていなければならない。

2.民族的な特性を持つある種の言葉は、国民的音色を持つものであって、たとえ最高の翻訳者であっても、その言葉の真意を正しく伝えることは至難の業である。

 これが、その後、”ブシドー”と世界的に定着していくことになったんだね。

 改めて、武士道とは、武士が守るべき掟として求められ、あるいは教育された道徳的原理であり、成文法ではない。
 せいぜい、口伝で受け継がれたものが、著名な武士や学者の筆から生まれた、いくつかの格言によって成り立っていることが多い。それはむしろ不言不文の語られざる掟、書かれざる掟であったんだね。それが故にいっそうムライの心の肉襞に刻み込まれ、強力な行動規範としての拘束力を持ったということですね。

 武士道』は一人の頭脳が創造したものじゃなく、特定の立派な武士の生涯を基にするものでもない。

 数十年、数百年もの長きにわたる日本の歴史の中で、武士の生き方として自発的に醸成され発展を遂げたものだと著者は言っている。(そうだろうな)


 武士道の起源は封建時代の中で自覚され始めたもの、日本での出現は一二世紀末、鎌倉幕府(1192)を興した源頼朝の支配と同時期ってことになる。

 いやはや字数不足、まだ書き足りないから<その4>に送りましょう。まだサワリでしかないしね。

 じゃ。
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