2008年8月31日(日) 
 『武士道』-仁・義・礼・智・信-その1

 今朝も5時に自然と目覚め、いつも通り公園で深呼吸。朝露じゃない雨にしっとり濡れひっそり佇むアサガオが瑞々しいでしょ。

 昨日、平積みにされ、僕に読んで頂戴と訴えかけていた「武士道<『BUSHIDO:THE SOUL of JAPAN』 新渡戸稲造 矢内原 忠雄>(PHP研究所)」を紹介しましょう。


 キリスト教は「聖書」、儒教は「論語」、イスラム教は「コーラン」のような特別な書物が『武士道』にあるわけではないのね。武士精神を述べたものは江戸時代には、『葉隠/山本常朝』、『山鹿物語/山鹿素行』、『武士訓/井沢蟠龍』、『武道初心得/大道寺友山』などがあったのだけれど、これらは武士精神を述べたもので、武士の処世訓といったところ、体系的に網羅していたわけじゃないし、ごく限られた範囲でしか読まれなかったらしいね。

 だからね、封建時代(鎌倉時代~)以降に成文化された『武士道』ってのは存在しなかった。(はじめて知った)
 ところがね、明治時代になり、怒濤の如く西洋文化の新しい価値観が導入されはじめると、社会全体が文明開化の波に呑まれてしまって西洋化していったでしょ、その変わりゆく姿を見て心ある人が「日本人とは何か」を問い直し、失われていく日本人の伝統精神を振り返ったとき、改めて和魂としての「武士道」がもてはやされるようになったのだってね。

 僕の好きな零戦書物でも、昭和16-20年、第二次世界大戦、大東和戦争の時分も武士道精神はもてはやされ、海軍・陸軍でも、「きさま、それでも日本男児か、恥を知れぇ・・」みたいなちょっと勘違い解釈された使われ方をしてたよね。

 今日、一般的武士道という場合、この著者、新渡戸稲造の『武士道』をもって一般には膾炙(広く知れ渡ること)となってるらしいのね。(知ったかぶりすんなよ、おっ、コラ)

 で、受け売りでこの著者、新渡戸(にとべ)稲造さんを簡単に紹介すると、旧五千円札の肖像ともなった人ね、文久二年(1862)生まれの敬虔なキリスト教徒の彼が、明治三二年(1899)にアメリカで『Bushido-The Soul of Japan』の原題で出版したのですね。なぜ、流麗な英文で、そもそも外国で出版され、その後改版され英・独・波・諾・仏・中でそれぞれ母国語で翻訳され、名書として大ベストセラーとなったのか、って?(今の今まで知りませんでしたけどね)

 プロテスタンティズムは質素倹約をベースにしていて、自立・自助・勤勉・正直をモットーとする「自己の確立」を養成するもので、それは武士道精神と根本的に相通じるものがあるらしいのね。

 著者は(江戸時代生まれだし)子供の頃は人格形成として武士道を道徳律として叩き込まれ、学生時代、クラーク博士の影響でキリスト教徒になるのだけれど、キリスト教⇔武士道がそれぞれが二律背反するものではないことを理解して、日本人の伝統的精神を集大成するにあたって「人の道」である武士道と「神の道」であるキリスト教を比較しながら、いまだに成文化されていない武士道精神を、”日本の伝統的精神”としてとらえ直し、日本人の道徳的規範(バックボーン)の書として、「和製聖書」を世界に見せようとしたのではないか、ってことのようですね。(受け売りね)

 あっ、今日は紹介だけで終わりそうだな・・・・
 ある意味では、「武士道」は、人間としてかく在るべきという道徳規範の本だし、たとえ国や民族が違っても、人が健全なる社会を築き、美しく生きようとするときの、”人の倫(みち)”に変わりがないということが言えるのでしょうね。

 この書物が出版された時代、”眠れる獅子”と言われた清国(中国)に日清戦争(1894-95)に勝ったことから、日本は世界から、いちはやく好奇の目で注目される国となったし、当時のアメリカ大統領、ルーズヴェルトが本書に感動し、家族や友人にも配り、すっかり日本贔屓となって、5年後の日露戦争(1905)の時は、日露講和条約の調停役を頼まれた時は、「私は貴国のことはよく知らないが、”ブシドー”はよく知っている。あの崇高なる精神を持った国ならば、およばずながら協力したい」と言わしめた本なのですね。

 ヘッドラインの人・義・礼・智・信から、僕がすぐさま思い浮かぶこと。

 小・中学生時代、NHKで放映された人形劇、「新八犬伝」(S48.4-50.3)を思い出したね。ずっと欠かさず見てたし、今は亡き坂本九の軽快な語りがおもしろかったね。本当にこれはおもしろかった。

 歌であったでしょ、♪じんぎぃれいち、ちゅうしん、こうてい、いざとなったら玉を出せ、力が溢れる不思議な玉を・・・♪と聞いては、男の証し、黄金に輝く玉二つを差し出したものだよね。。。


 だらけてきたので、次回に譲る。


 じゃ。
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