2008年6月9日(月) 
『純情津守篇』(4)~大型犬ヨーゼフとの格闘(後編)~

わ~~~ーーーーっ』  彼に起死回生のチャンスはあるのだろうか・・・・

(1) 『純情津守篇』(1)~はじめに~
(2) 『純情津守篇』(2)~生活パターン~
(3) 『純情津守篇』(3)~大型犬ヨーゼフとの格闘(前半)~

 今日は、昨日の続きを書こうかな。「早く読ませろ、途中でやめるんじゃない、何考えてんだ、てめえ・・」と激励と脅迫紛いの催促が途絶えない今日一日であった、ってことは全然なかった。

 少し、カウンターの上がりが早いくらいかな。まあ、こんなもんじゃろう。

 今朝から読み出した、↓↓本、面白いね。6割ほど読んだけれど、ボーイングの生い立ちがとてもよくわかるね。
なぜボーイングは、生き残ったのか
文庫: 211ページ
出版社: エイ出版社 (2008/3/10)
言語 日本語
ISBN-10: 4777909875
ISBN-13: 978-4777909872
発売日: 2008/3/10
商品の寸法: 15 x 10.8 x 2 cm
 あれですか? 昨日の続き、聞きたいですか? 僕がこのブログを書いているってことは、死ななかったってのは「事実」ってことだね。(クダランことほざくな、さっさと書け、コラ)


 彼の背中で内側から鍵を開ける「ガチャガチャ」って音がする。同時に、階段をけたたましく駆け上がる「カン・カン・カン」と音がする。

 「何、やっとんじゃ、おう」、飼い主だろう。

 「何、やっとんじゃは、なんじゃ。。早くどけんか、このボケ、いてまうぞ、おどりゃ」と言いたいけれど、放心状態とはこのこと、まだしゃぶりたい、噛み殺したい気持ち満々のヨーゼフを、飼い主親父が無理矢理、引き剥がすと同時に、玄関戸が開き、目が点となったランニング、ステテコ親父が背後に立っていた。

 「死なずにすんだ・・・」

 暫くは何も聞こえない。口パクパクおっさんが目の前にいて、必死にヨーゼフを押し留めている。

 彼は、ぼうっとしながら、(何故、このおっさんの右の顔半分が血だらけなんだろう・・・)と見つめていた。

 理由がわからない。
 飼い主はヨーゼフに噛まれたのか、彼を助けようと思って道々ころんだのか、いや、転んだだけで、こんなに血だらけにはならんだろう、誰が考えても。

 「おっさん、飼い主も嚼むような忠誠心のないボケ犬、飼うなよ、ワレ。損害賠償じゃ、医者代と休業手当分、併せて20万位用立ててもらおうやないか、おっ、さっさと警察と救急車呼ばんかい、ワレ、わかっとんかい、こらぁっ」と当時の彼には言えなかった。

 とりあえずその場を離れたかった。「ふぁいじょうぶ、ふぁいじょうぶ、ふぁんともないから・・・」
言葉がフニャフニャアクセントだ。

 事後の対応を協議もせず、逃げるようにその場を離れ、文化住宅の階段を降り、残り1階分の新聞を各戸口に挟み込んだ。

 前カゴと後ろ荷台に、100部以上積まれたままの新聞。白色に赤字で読売新聞と書かれた配達仕様特別自転車が静かに佇んでいた。

 「時間をロスした。さっさと片付けよ。」 

 彼は脇腹を押さえながら何事も無かったように配達を続けたのだった。

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