No. |
書 名 |
感 想 |
※ |
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127 |
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ブログより(2019.5読了)
『誰がために鐘は鳴る(上下巻)』アーネスト・ヘミングウェイ(著) |
126 |
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ブログより(2019.5読了)
『帰艦セズ』吉村 昭(著) |
125 |
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ブログより(2019.3読了)
『夜愁(上下巻)』サラ・ウォーターズ(著) |
124 |
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ブログより(2019.1読了)
『武器よさらば』アーネスト・ヘミングウェイ(著) |
123 |
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ブログより(2019.1読了)
『アイスクリーム戦争』ウィリアム・ボイド(著) |
122 |
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ブログより(2018.12読了)
『朝鮮戦争 (コレクション 戦争×文学)』金石範、張赫宙、他(著) |
121 |
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ブログより(2018.11読了)
『シンパサイザー』ヴィエト・タン・ウェン(著) |
120 |
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ブログより(2018.10読了)
『コレクション 戦争と文学 別巻』 |
119 |
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ブログより(2018.10読了)
『満洲の光と影(コレクション 戦争×文学)』伊藤永之介(著)、徳永直(著)、里見ク(著)、清岡卓行(著)、村上春樹(著)、その他 |
118 |
今でなければ いつ プリーモ レーヴィ Primo Levi
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ブログより(2018.7読了)
『今でなければいつ』プリーモ・レーヴィ(著) |
117 |
人生と運命 1 ワシーリー・グロスマン 齋藤 紘一
人生と運命 2 ワシーリー・グロスマン 齋藤 紘一
人生と運命 3 ワシーリー・グロスマン 齋藤 紘一
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ブログより(2018.7読了)
『人生と運命 (第一部・二部・三部)』ワシーリー・グロスマン(著) |
116 |
輝ける闇 (新潮文庫) 開高 健
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ブログより(2018.6読了)
『輝ける闇』開高健(著) |
115 |
野火 (新潮文庫) 大岡 昇平
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ブログより(2018.6読了)
『野火』野間 宏(著) |
114 |
真空地帯 (岩波文庫) 野間 宏
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ブログより(2018.5読了)
『真空地帯』野間 宏(著) |
113 |
俘虜記 (新潮文庫) 大岡 昇平
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ブログより(2018.5読了)
『俘虜記』大岡 昇平(著) |
112 |
米軍が恐れた「卑怯な日本軍」―帝国陸軍戦法マニュアルのすべて 一ノ瀬 俊也
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ブログより(2018.5読了)
『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて』一ノ瀬俊也(著) |
111 |
日中戦争 (コレクション 戦争×文学) 胡桃沢 耕史 日比野 士朗 駒田 信二 檀 一雄 田中 小実昌 藤枝 静男 五味川 純平 棟田 博 富士 正晴 阿川 弘之 武田 麟太郎 石川 達三 火野 葦平 田中 英光 伊藤 桂一 小林 秀雄 和辻 哲郎 田村 泰次郎
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ブログより(2018.2読了)
『日中戦争 (コレクション 戦争×文学)』
胡桃沢 耕史・日比野 士朗・駒田 信二・檀 一雄・田中 小実昌、その他(著) |
110 |
イマジネーションの戦争 (コレクション 戦争×文学) 星野 智幸 伊藤 計劃 青来 有一 三崎 亜記 赤川 次郎 小松 左京 泉鏡 花 内田 百間 モブ・ノリオ 高橋 新吉 宮沢 賢治 小島 信夫 秋山 瑞人 星 新一 稲垣 足穂 筒井 康隆 安部 公房 山本 弘 田中 慎弥 芥川 龍之介
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ブログより(2017.12読了)
『イマジネーションの戦争 (コレクション 戦争×文学)』芥川龍之介ほか(著) |
109 |
戦争の悲しみ バオ ニン 井川 一久
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ベトナム戦争を扱った衝撃作。ブログより(2017.12読了)
『戦争の悲しみ』バオ ニン(著) |
108 |
硫黄島 (角川文庫)
菊村 到(きくむら とおる)
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ブログより(2017.9読了)
『硫黄島』菊村 到(著) |
107 |
幕末史 半藤 一利
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ブログより(2017.8読了)
『幕末史』半藤一利(著) |
106 |
アジア太平洋戦争 (コレクション 戦争×文学) 太宰 治 上林 暁 火野 葦平 中山 義秀 三浦 朱門 梅崎 春生 江崎 誠致 大城 立裕 吉田 満 島尾 敏雄 川端 康成 三島 由紀夫 吉村 昭 蓮見 圭一 高村 光太郎 豊田 穣 野間 宏 下畑 卓 北原 武夫 庄野 英二
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ブログより(2017.7読了)
『アジア太平洋戦争 (コレクション 戦争×文学)』太宰 治ほか(著) |
105 |
戦争の深淵 (コレクション 戦争×文学) 大岡 昇平ほか
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ブログより(2017.6読了)
『戦争の深淵 (コレクション 戦争×文学)』大岡 昇平ほか(著) |
104 |
ヒットラーがそこへやってきた (1971年) 西 義之
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ブログより(2017.4読了)
『ヒットラーがそこへやってきた』西義之(著) |
103 |
決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫) 半藤 一利
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ブログより(2017.3読了)
『日本のいちばん長い日』半藤 一利(著) |
102 |
9・11 変容する戦争 (コレクション 戦争×文学) リービ 英雄 日野 啓三 米原 万里 岡田 利規 小田 実 楠見 朋彦 平野 啓一郎 重松 清 辺見 庸 島田 雅彦 笙野 頼子 シリン・ネザマフィ 小林 紀晴 宮内 勝典 池澤 夏樹
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ブログより(2017.3読了)
『9.11変容する戦争 (コレクション 戦争×文学)』 |
101 |
日清日露の戦争 (コレクション 戦争×文学) 萩原 朔太郎 山城 正忠 宇野 千代 新田 次郎 津原 泰水 木村 毅 矢野 一也 松岡 静雄 長与 善郎 黒島 伝治 久世 光彦 陳 舜臣 泉 鏡花 獅子 文六 もりた なるお 石川 淳 岩井 志麻子 与謝野 晶子 中里 介山 田山 花袋 森 鴎外 新美 南吉 稲垣 足穂
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ブログより(2017.2読了)
『日清日露の戦争 (コレクション 戦争×文学)』 |
100 |
死者たちの語り (コレクション 戦争×文学 13) 小川 未明 夏目 漱石 井上 ひさし 石田 耕治 中井 正文 色川 武大 三枝 和子 小川 国夫 奥泉 光 浅田 次郎 目取 真俊 江戸川 乱歩 小島 信夫 安部 公房 三橋 一夫 真杉 静枝 吉屋 信子 江崎 誠致 船越 義彰
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ブログより(2017.2読了)
『死者たちの語り (コレクション 戦争×文学)』 |
99 |
明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト 原田 伊織
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ブログより(2017.2読了)
『明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』 |
98 |
オキュパイド ジャパン (コレクション 戦争×文学) 志賀 直哉 石川 淳 野坂 昭如 田中 小実昌 西野 辰吉 中野 重治 安岡 章太郎 内田 百けん 豊川 善一 大江 健三郎 大原 富枝 木下 順二 阿部 昭 遠藤 周作 城山 三郎 李 恢成 椎名 麟三 吉本 隆明 斎藤 茂吉 山田 風太郎 田宮 虎彦 吉行 淳之介
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ブログより(2017.1読了)
『オキュパイド ジャパン (コレクション 戦争×文学)』
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97 |
軍隊と人間 (コレクション 戦争×文学) 細田 民樹 梅崎 春生 渡辺 清 村上 兵衛 菊村 到 結城 昌治 野間 宏 吉田 絃二郎 浜田 矯太郎 中村 きい子 吉行 淳之介 柴田 錬三郎 松本 清張 田村 泰次郎 洲之内 徹
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ブログより(2017.1読了)
『軍隊と人間(コレクション 戦争×文学) 』 |
96 |
ノモンハンの夏 半藤 一利
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ブログより(2016.12読了)
『ノモンハンの夏』半藤一利(著) |
95 |
B面昭和史 1926-1945 半藤一利
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ブログより(2016.11読了)
『B面昭和史 1926-1945』半藤一利(著) |
94 |
昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー) 半藤 一利
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ブログより(2016.11読了)
『昭和史 1926-1945』半藤一利(著) |
93 |
戦艦大和 (上) (文春文庫) 児島 襄
戦艦大和 (下) (文春文庫) 児島 襄
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ブログより(2016.8読了)
『戦艦大和(上下巻)』児島 襄(著) |
92 |
日本海軍400時間の証言: 軍令部・参謀たちが語った敗戦 (新潮文庫) NHKスペシャル取材班
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ブログより(2016.7読了)
『昭和史 1926-1945』半藤一利(著) |
91 |
背中の勲章 吉村昭
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ブログより(2016.7読了)
『背中の勲章』吉村昭(著) |
90 |
帰郷 浅田 次郎
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ブログより(2016.7読了)
『帰郷』浅田次郎(著) |
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89 |
深海の使者 (文春文庫) 吉村 昭
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ブログより(2016.4読了)
『深海の使者』吉村 昭(著) |
88 |
盗まれた最高機密―原爆・スパイ戦の真実 (NHKスペシャル) 山崎 啓明
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ブログより(2015.12読了)
『盗まれた最高機密―原爆・スパイ戦の真実』山崎哲明(著) ・第二次世界大戦中、原爆開発のためマンハッタン計画として二〇億ドル(二本の国家予算35年に相当)が使われたのはということををご存じだろうか?
・ロスアモス研究所長として、原爆開発チームを率いてきたオッペンハイマーは、トルーマン大統領との面会で「自分たちの手が血塗られているように感じる」とつぶやき、「人類がロスアラモスと広島の名をの呪う日が来るだろう」と言ったのはをご存じだろうか?
・原爆開発最中、アルソスというアメリカの諜報活動として組織されていたのはご存じだろうか?
・広島と投下直後、アメリカ軍はソビエト全土への核攻撃のシュミレーションを進めていたのはご存じだろうか?
・日本においても戦時中、仁科博士率いる陸軍の「ニ号研究」と、海軍の京都帝国大学を中心にした「F研究」が原爆開発の研究が行われていたことはご存じだろうか?
・諜報機関アルソスによってドイツが保管していたウランを奪取し、アメリカに持ち帰ったウラン鉱石が広島・長崎の原爆投下に使われたのはご存じか?
・マンハッタン計画最小年の物理学者として参加したセオドア・ホールはソビエトのスパイとして機密情報を提供していたことはご存じだろうか?
・セオドア・ホールは、核の均衡のためアメリカだけに核兵器を占有させないため、平和のためにソビエトへ機密情報を流したと語ったことはご存じだろうか?
・日本は同盟国ドイツに高純度のウランの提供を依頼し、1945年3月20日に560キログラムのウラン鉱石をUボート二三四号に積載し、持ち帰ろうとしたが、日本に向かう途中で「ヒトラー死去」により使命は叶わず、搭乗中の日本海軍の友永中佐(潜水艦設計の第一人者)、庄司中佐(航空機エンジンの専門家)は服毒自殺を遂げたことはご存じだろうか?
・原爆から七十年を経て、地球上に存在する核弾頭の数が一五〇〇〇発以上あるということをご存じだろうか?
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87 |
軍神―遺された女たちの十字架 佐藤 早苗
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ブログより(2015.5読了)
『軍神−遺された女たちの十字架−』佐藤早苗(著)
(抜粋)著者は女性記者であり、女性としての視点から、戦地ではなく裏側から家族が見据えた夫を、本中に登場する女性にインタビューしながら、戦争時の思い出、記録だけではなく世間の風、心温まる温情であったり、空襲の恐怖絵的情景をも炙っている。中でも第四話「戦艦大和」艦長を夫に持つ妻の話題が挿話されている。大和総員特攻となった前後の状況や、戦艦大和が攻撃を受け、沈没するまでの描写は鮮烈過ぎて、ここでは書けない。 |
86 |
日本人の勇気 北影 雄幸
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ブログより(2015.3読了)
『日本人の勇気』北影雄幸(著) |
85 |
真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝 淵田 美津雄 中田 整一
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ブログより(2014.11読了)
『真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝』淵田 美津雄(著)中田整一(編/解説) |
84 |
零戦 搭乗員たちが見つめた太平洋戦争
神立 尚紀 大島 隆之
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ブログより(2014.1読了)
『零戦-搭乗員たちが見つめた太平洋戦争-』神立尚紀・大島髞V著
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83 |
私記キスカ撤退 (文春文庫)
阿川 弘之
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ブログより
『私記キスカ撤退』阿川 弘之著
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82 |
キスカ島 奇跡の撤退: 木村昌福中将の生涯 (新潮文庫)
将口 泰浩
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ブログより
『キスカ島 奇跡の撤退: 木村昌福中将の生涯』将口泰浩著
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81 |
零戦(ゼロファイター)老兵の回想―南京・真珠湾から終戦まで戦い抜いた最後の生き証人 (シリーズ日本人の誇り)
原田 要
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太平洋戦争(大東亜戦争)を戦闘機乗りとして活躍し、運よく生き残り、現在も健在な”原田要”氏が当時を振り返り、また、今を生きる僕たちに熱いメッセージを投げかけている本である。搭乗時間八千時に及ぶベテラン搭乗員、空港母艦乗りとして、真珠湾攻撃(この時は空母上空の見張り)、ミッドウェイでの大惨敗で多くのベテランパイロットを消失しながらも生き残り、ガ島(ガダルカナル島)での不時着で大怪我をしながらも生還。しかし、戦後、軍人は公職追放により、まともな仕事に就けず苦労した。世間もそれまでは応援していたにも拘らず、手のひらを返したように戦争戦犯者に辛くあたった。軍人誰しもが、日本国のために国に命を捧げようと、今ならおかしいと多くの世代が思うだろうが、当時の日本はそれが正義だったのだ。誰も殺したくて敵を殺したのではない。敵を打ち落とさなければ自分の命が落とされるからである。一騎打ちでは相手の顔まではっきりと見えるという。その顔が悪夢となって蘇り、毎夜うなされる。パイロットに限らず多くの戦争経験者が戦後、そのことを身内にすら語らず、貝のように沈黙を守った。語れないのだ。ひた隠しにしていた。著者は、湾岸戦争で夜に砲撃される景色が花火のようで綺麗と思う人々がいることに、「物申す」と封印していた経験を語るようになったのだという。
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80 |
永遠の0 (講談社文庫)
百田 尚樹
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祖父が特攻隊員だったと亡くなる寸前の祖母から知らされた孫にあたる姉と弟が、その祖父を知るという当時の人々を訪ね、回想を聞かされることで話は進む。
著者が参考文献とした著書28冊の半分以上は読破している自分にとっては戦中の出来事で目新しい発見はなかったが、当時、「生きて妻と子供の元へ帰る」という信念を崩さず貫き通した、一人の[戦闘機乗り]がどのような扱いを受けたか、また、周りの人達へ、その後の人生をプラスの方向に転進させたか、更に、姉と弟にまで好影響を与えていったのは何故か。話の進行と共に振り子が大きく揺れながら、徐々に治まっていくかのように鎮まっていく。そして、その顛末に誰しも驚愕してしまうだろう。当時、お国のためとはいえ、一人の特攻隊が戦争を変えることなどあり得ないとわかっていても、自分が身を呈することで祖国を、愛する家族を守れるのだ、そう思わないで、何故に特攻に身を捧げることが出来たであろうか。終盤の展開では、こう絡めてきたか、と前半の零戦オタクには退屈にさえ映っていた僕も背筋を伸ばせずにはいられなかった。幸い、電車の中で、目頭が熱くなるのをハンカチで押さえることはできたが、鼻水が一滴、流れ落ちるのは押さえきれなかったのが残念であった。読了後、自分の心も朝もやのような静けさに包まれていた。(2013/6読了)
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79 |
戦時下の青春 (コレクション 戦争×文学)
中井 英夫 小林 勝 高井 有一 前田 純敬 吉行 淳之介 野坂 昭如 井上 靖 三浦 哲郎 江戸川 乱歩 井上 光晴 高橋 和巳 上田 廣
石川 淳 太宰 治 井伏 鱒二 池波 正太郎 坂口 安吾 結城 信一 内田 百けん 古井 由吉
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戦時中の大空襲で焼夷弾が炸裂する中、疎開を余儀なくされた家族の出来事を綴った話。
焼け野原を、空襲をかいくぐり、さ迷いながら生き延びた特別戦闘隊(本土に米軍が上陸する際、手榴弾を持って戦車の下に潜り込む役割)の中学生の話。母が空襲で死に、幼い妹と兄で生き延びようとする話。しかし、妹は餓死、兄も衰退して餓死してしまう。遠縁の親戚に惨い仕打ちを受け、家をとび出す。妹を救うため盗みを働かざるを得ない状況に追い込まれていく。しかしながら、身体は衰弱し、終局は野垂れ死にしてしまう。毎日、何十人もが路上で野垂れ死にしていた。誰もそのような光景を異様と感じる感覚も麻痺していたのだろうか、あまりの数の多さに国民も手の施しようがなかったのだろうか、自分が生きることで手一杯の時代、他人まで救う余裕もなかったのだろうか。その他、諸々の短篇が言霊のように語り掛けてくる。なんというのでしょうね。これら作品はリアルすぎて怖いです。作家自身の体験談あり、心を揺さぶる心情描写、戦争知らない僕だけれど、このような出来事は体験したくはないと慄きながらも、時に、これが終戦間際(昭和20(1945)年)の日本国内で起きていたことなんだ、と客観的沈着冷静に受け止めておくことは必要だろうし、読み継がれていってほしいと渇望する。一様に「大空襲」で夜空が真紅に染まる光景が美しい、と。これも何なのでしょうね。このように感じるというのは。生々しいながらも、作品によっては涙が溢れ出るばかりなり。是非、一読していただきたい本書です。
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78 |
女性たちの戦争 (コレクション 戦争×文学)
大原 富枝 長谷川 時雨 中本たか子 上田 芳江 瀬戸内 晴美 吉野 せい 藤原 てい 田辺 聖子 河野 多恵子 大庭 みな子 石牟礼 道子
壺井 栄 高橋 揆一郎 竹西 寛子 司 修 一ノ瀬 綾 冬 敏之 寺山 修司 三木 卓 小沢 信男 向田 邦子 阿部 牧郎 鄭承博
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読書も通勤途中に混雑を避けて読むのが常である。しかし、最近は目の老化激しく、「離せば判る」であるし、照度不足であれば、読むに耐えられない状況でもある。今回の著書は、複数連名執筆のオムニバスであるが、戦場に直接赴いた兵士ではなく、戦時中を生き抜いた庶民の”イキザマ”、”心の葛藤”が読者を引き込む。特にうるうると心を掴まれたのは、「ぽぷらと軍神」、「字のない葉書」「ごはん」、「見よ落下傘」、「裸の捕虜」あたりか。「私の赤マント」はユーモアたっぷり。どれも捨て作品はない。まあ、兵士が戦場で戦うだけが戦争ではなく、戦時中の日本国中が、強制連行された異国人だちが、忍耐を強いられ、精神的には虐待生活を送っていたのであろうし、ひもじい思いをしていた。愛しい人や、親が子を想う気持ちは計り知れないものがある。それぞれの作品は、それらの心理状態が浮き彫りにされており、当時の匂いまで漂ってくるではないか。活字の力は絶大である。何故に、これほどまでに自分の心に土足で問いかけてくるのだろうか。今は平和なのか、平和ボケなのか、よくわからない。
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77 |
空の技術―設計・生産・戦場の最前線に立つ (光人社NF文庫)
渡辺 洋二
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多少、違った視点で、また、アメリカの軍需技術のレーダー、または夜間戦闘機の活躍など、細切れではあるが、”フムフムそうか”本だ。
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76 |
零戦の操縦
青山 智樹 こが しゅうと
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◆詳細のまとめは「零戦の操縦」をご覧下さい
内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争初期における最強戦闘機「零戦」を操縦するためのシミュレーション・マニュアル。自ら航空機自家用単発免許を所持する作家・青山智樹が、現存する資料をもとに、離着陸や水平飛行などの基本的な操縦法、さらに空中戦の戦い方、航法などをていねいに解説する。また、マイナー兵器をこよなく愛する、こがしゅうとによる豊富な解説イラストとコミックも満載。読むだけで、すぐにパイロット気分を味わえる零戦好き必携の1冊。
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75 |
零戦百科事典―傑作戦闘機ハンドブック (光人社NF文庫)
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内容(「BOOK」データベースより)
本書は、空戦記などに登場する航空機のメカニズムや飛行原理に関する専門的な言葉を正しく理解する決定版用語事典。零戦を基本に、戦闘機から雷・爆撃機や水上機、天候・気象に至るまで飛行機の全てを網羅した航空ファン待望の一冊。零戦とライバル機写真集、零戦主要各型識別図、零戦各型要目表・変遷を収載。
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74 |
零戦秘録―完全復刻資料・写真集 零式艦上戦闘機取扱説明書
防衛庁防衛研究所図書館 原 勝洋
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零戦ファンにとっては値段が高いとしてもそれに見返るだけの価値はある。
内容(「BOOK」データベースより)
海軍航空本部作成の極秘資料を完全復刻版で初公開!零戦の取扱いマニュアルとハードウェア情報をすべて網羅。零戦を知る最高・必携の書となった。カラー写真でみる零戦、側面図他、多数収録。
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73 |
不時着―特攻 「死」からの生還者たち (文春文庫)
日高 恒太朗
★★★ |
文末の後書きで著者が書いている。『歴史の中で、世界的ブランドとなった特攻隊、カミカゼの評価は、いまも「狂気」の沙汰といわれたり、「国」への至誠これに勝るものはない純粋無垢の行為といわれたり、その評価は二極の間を揺れ動いているように見える。少し乱暴にいえば、その「悲壮美」が「死ねることは美徳である」という日本人好みの倫理観に合致しているために、夭折した若者たちの悲劇が手を変え品を替え伝承されているということなのだろうか』と。また、文中に『戦争にはもともと強者(権力者)が弱者(無辜の若者)を矢面に立て、そして生き残った者が偉くなり、先史の悲惨な局面を改竄していくという図式がある』とも。
予科練は長い歴史があったが、沖縄戦が始まった頃には、すでに満足に飛ぶことの出来る航空機は数少なかった。しかし、飛べる飛行機が無くなっても、海軍は少年たちの憧れである「予科練」を金看板に志願兵を募った。名ばかりの少年航空兵たちの多くは、人間魚雷「回天」やモーターボートによる特攻の「震洋」に回された。憧れの飛行機に乗れる少年兵たちはましなほうで、多くが防空壕造り、雑用係などの”土科練”と呼ばれる組に回された。
何故、彼らは死に自分は生き残ったのか?と自責の念にさいなまれながら、自問しながら生きてきた人たちの証言を元にノンフィクションで仕上げられた、美談化されていない真の、悪い言い方をすれば陰の部分を露呈させた「特攻物語」とも言える。 (2010/2読了)
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72 |
大本営が震えた日 (新潮文庫)
吉村 昭
★★★★ |
話しは、昭和一六年一二月一日皇居内東一の間で開かれた御前会議において、一二月八日対英米蘭開戦の断を天皇が下してから戦端を開くに至るまでの一週間、陸海空軍第一線武隊の極秘行動のすべてを、事実に基づいて再現している。書き出しはDC3型旅客機「上海号」が一二月一日午後五時すぎ、行方不明になり大本営は大恐慌に陥る。その機内には開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して適地中国に不時着遭難した可能性が近い。もしも、その命令書が敵軍に渡れば、隠密に秘匿に進められてきた一大奇襲作戦が水泡に帰してしまうからだった。
まさに一歩間違えば総崩れになったであろう長大な秘匿計画であったわけだし、陸海軍や大本営は、完全なまでに情報封鎖を徹底し、且つ、情報収集のための諜報活動を広範囲・多岐に行った。情報の攪乱もあの手この手を使った。これは奇遇にも初戦では成功するのだからね。明治維新以降、日清・日露戦争、台湾と樺太を国土に加え、朝鮮半島を併合し、第一次大戦では連合国側に身を置き、自信を付けた日本は経済的打開から満州事変をおこし、満州国を建国し、その結果日中戦争が勃発し、世界を敵にした第二次大戦へと進んでいった。しかしだよね、既に歴史の歯車は周りだし、誰も制止することが結果的にはできなかったのだね。そして、戦争の側面でもある’戦争に負けた’ということに対峙しなければならなくなった。これも事実だ。
(2010/1読了)
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71
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最後の二式大艇―海軍飛行艇の記録
碇 義朗
★★ |
文中で興味深い部分をピックアップしてみます。こういった記述のくだりは面白いのです。「数字との格闘」「陸上機をしのぐ飛行艇とするためには、できるだけ機体の表面積を減らす−コンパクトな設計としなければならない。それと機体重量、これも軽ければ軽いほどよい。寸法と重量の関係は三乗で効く。つまり寸法が2倍になれば重量は8倍になる計算だ。
そこで馬力重量(機体総重量/エンジン総出力)や翼面加重(機体総重量/主翼面積)その他いろいろな計算上の基本データを決めるため、計算をやったり考えたり、必要に応じて実験をやったりしながら、アウトラインを固めていった。
結論的にいえば、主翼面積を九七式大艇の百七十平方メートルより十平方メートル減らしたのだが、これにはいろいろ紆余曲折があった。というのは、あまり主翼を小さくする−すなわちスパン(主翼幅)を短くしすぎると、航続距離を伸ばそうとする上では不利になるからだ。
ジェット機ではなく、プロペラ機の場合の航続距離は、場抗比(L/D)とエンジンの燃料消費率とプロペラの効率の三つで決まる。巡航速度と飛行高度と飛行機の重量が決まると、そのときの主翼の場力係数(CL)が決まり、これに対応するL/Dも自然に決まる。この数値が大きいほど航続距離がのびる。L/Dは、飛行機全体の形状抵抗と摩擦抵抗と誘導抵抗の和、すなわち全機の抵抗(CD)とそのときのCLとの比だから、摩擦抵抗や誘導抵抗をできるだけ小さくすることが望ましい。その上で、L/Dの値が巡航速度で使うCLのところで最大になるようにするのが理想だ。
これが翼面加重を決めるひとつの要素で、この巡航速度で飛ぶときのエンジンの燃料消費率とプロペラ効率も同時に最良になるように、飛行機全体の設計を調和させることが、最大の航続距離を実現するために必要だ。しかも主翼面積によって尾翼の大きさも決まるので、尾翼の重量にも影響する。こうしたことがまわりまわって総重量に関係してくる。一方、翼面荷重をあまり大きくすると、離水が難しくなるので、この辺のかねあいが設計のもっとも重要なポイントとなる。」 (2009/11読了)
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70 |
帰ってきた二式大艇―海上自衛隊飛行艇開発物語
碇 義朗
★★ |
それまで、本では何度か読んでいたので、二式大艇は全世界の飛行艇の上に君臨する王者でした。戦後、アメリカもその能力に驚嘆し、技術力を素直に認め、日本人の誇りとしての技術力と、絶え間ない熱血漢溢れる開発側の切磋琢磨が実を結んだのでしょう。これを当時の川西航空機が作りました。その後、川西航空機は、明和興業→新明和工業となっていきますが、その飛行艇を作った技術者魂で、長らく苦しい戦後の時代を食いつないだ後、待ちに待った海上自衛隊の潜水艦哨戒機を作っていきました。また、救助艇として小笠原諸島の救済や、海上での救難にも活躍をしてます。
この新飛行艇は、波高3メートルまでの海面で離着水が可能で、台風のような特別の荒天でもない限り、太平洋、大西洋を通じて全世界の約80パーセントの海面で使用が可能と研究段階で結果が出ました。実際の長期の試験で、そのことも証明され、波消し(飛沫を沈めるため艇の底に施された)のために、どれだけ改善と水槽実験を繰り返したか、感動するノンフィクションです。(2009/10読了)
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69 |
特攻回天戦―回天特攻隊隊長の回想
小灘 利春 片岡 紀明
★★★★ |
戦果は充分では無かったことは、本書から明らかに、且つ詳らかにされているが、著書の一人である小灘 利春氏は、海軍兵学校72期卒の回天搭乗員で、分隊長、教官の立場から、よりリアリティのある回想と事実史になってい、ます。 回天戦は、「兵器」「搭乗員」「用兵」の3要素に分析できるとし、これまでの回天に関する論議は「兵器」の可否に集中していて「用兵」(使用方法)に言及したものはほとんど無かった。 その「用兵」にこそ、回天戦の成否の問題が存在しており、さしたる成果を生まないまま終わってしまった最大の原因があるとしています。 「兵器」と「搭乗員の操作技術」よりも、根本的問題が、「用兵」上の欠陥にあったとのだと。 つまり、もう少し具体的に補足すると、
・停泊地に「回天」が向かう場合、搭乗員にとって、環礁への入り口である狭水道を探すことが一番苦労もするし、問題になる点。 にもかかわらず、潜水艦隊の参謀は、回天発進を<暗闇の時刻>に指示した。 暗闇の時刻とは、人間の眼の見えない未明であったこと。 更にそれを受けた潜水艦長も、作戦成功の重要ポイント<視界を左右する気象状況はどうであるか>を度外視して、回天を発進させる指定時刻のみを墨守。 つまり、その眼が見えないまま発進し、結局、その特色が活かされることがなかった。 そのため搭乗員の使命と生命は、多くが虚しく消えてしまったのでした。
・戦術の要諦は、「先制」と「集中」にあるが、人間魚雷・回天の効果は、「最初の奇襲攻撃、一挙大量投入」これしかないのに、生産の遅れ、用兵の悪さによって実現しなかった。 つまり戦機は一度、その後にも先にもない、それを「回天作戦」は逸らしてしまったといえます。
それでは「回天」が有効な兵器であったとして、成果を挙がらなかった。 これを挙げるためにはどうすべきであったのでしょうか?
- 「回天」の性能と、その限界を知ること。
- ”敵を知り己を知る”こと。 →港湾防備の施設・警戒艦艇の配備など、情報の調査とその収集分析の能力と努力。
- 航空部隊、根拠地域との連携を高めること。
- 平時の官僚的縦割り組織であったことから「回天戦」も片手間に処理されていたことによる横断的組織の見直しをすること。
- .年功序列による弊害の排除すること。
(2009/08読了) |
68 |
一歩の距離―小説 予科練 (角川文庫)
城山 三郎 生頼 範義
★★★★★ |
特攻を志願した予科練を主人公に据えた小説。著書自身の海軍体験、そして多くの戦争体験者の話を聞き、戦地をたくさん巡ってきただけに、人間模様、心情が心憎いほど書き上げられていて、死に宙づりにされた中学を途中退学して海軍に志願してきた若者のひたむきさ、その動機や思惑や一途さが息苦しくなるほどに迸っており、中編小説のおもしろさを際だたせているし、たっぷり味合わせてもくれます。2つ「一歩の距離」、「マンゴーの林の中で」話が綴られているが、文学的にも、とても気品があり、僕としては、「是非、皆さんにも読んで頂いきたい」と言わしめる内容の濃い本。しかし、特攻を志願した、お国のために身を挺して、軍神になろうとする純粋な彼らを虫けらの消耗品(スペア)として扱った国のなりふり構わずさが、とても肚に据えかねるほど、怒りを覚えます。「マンゴーの林の中で」での谷山大尉はそんな中でも、人間味溢れる紳士です。数多くの戦記物を読んできましが、大本営の戦略と呼ぶには恥ずかしすぎる中、その下令を指揮する士官にも、すばらしい人は多くいたのも事実でです。
(2009/08読了)
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67 |
指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)
城山 三郎
★★★ |
関大尉と、中津留大尉の二人に焦点を充てられていて、興味深いです。 予科練と称して、敗戦色濃い日本では、昭和18年、全国の少年を募ったというより、お国のために身を捧げる報国的精神感情に合致し、両親の想いとは裏腹に多数(一万有余)の若者が集まりました。(2009/08読了)
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66 |
必中への急降下―海軍爆撃機戦譜 (文春文庫)
渡辺 洋二
★★ |
内容(「BOOK」データベースより)-海鷲は舞い下った!敵艦を屠る決死の戦法、急降下爆撃。その誕生、日中戦争での大活躍から、太平洋戦争緒戦の赫々たる戦果、そして南太平洋での死闘を経て、特攻攻撃まで。最も戦死率の高かったといわれる艦爆隊員たちの死をかけた戦いぶりを活写する戦記ノンフィクション。同時に銀河、東海の戦記を併録。写真・図版多数。 (2009/08読了)
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65 |
零戦よもやま物語―零戦アラカルト
柳田 邦男 豊田 穣
★★★ |
設計者、撃墜王だけじゃなく整備員、兵器員、地上員、陸軍関係者など、月刊雑誌「丸」にS45-S57までに寄稿された中から125名が零戦に対する思いを述べている。名機、世界の零戦として名を轟かせたのであるけれど、零戦へ関わった方はそれこそ搭乗員から整備員から工場の工員から数限りない人々が関わっていたのだと感じました。(2008/08読了) |
64
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双発戦闘機「屠龍」―一撃必殺の重爆キラー (文春文庫)
渡辺 洋二
★★★ |
川崎航空機が陸軍の双発戦闘機として軍の依頼を受けて制作、双発(エンジンが2基)というのはエンジン馬力があがる上、銃器・砲門の火器の設置がプロペラの合間を縫って炸裂するのとは違い、メリットがありそうでしょう。当初、ドイツやイギリスの影響もあり遅れながらも陸軍も双発機に乗り出しました。しかし、エンジン2基は感性モーメントの影響もあって単発戦闘機に比較し、俊敏さに欠くまったりしたものになってしまうのは否めないのです。成功したのは米国のP−38ライトニングくらいでしょう。夜間戦闘機、邀撃用・迎撃機としての道を歩んでいきます。双璧として海軍の「月光」も有名だけれど、キ45(二式複戦」として改良型含めて制定されていきました。月光も屠龍も当初は戦闘機として出発しますが、どちらも似た運命を経ました。陸軍の要求から、運用面、当時の日本軍が追い込まれ、南東・南西地区を手放していく。具体的な人物もふんだんに登場します。なかなかボリューム満点で読み応えがあります。二式複戦キ45は以下のタイプが作成されました。
甲型 |
機種:12.7mm、ホ一〇三機関砲二門、胴体下部;20mmホ三機関砲一門 |
乙方 |
機種:12.7mm、ホ一〇三機関砲二門、胴体下部;37mm九四式戦車砲一門 |
丙型 |
機種:37mm、ホ二〇三機関砲一門、胴体下部;20mmホ三機関砲一門 |
※ |
ななめ銃の搭載機、軽微な改良機あり |
(2008/08読) |
63 |
八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
新田 次郎
☆★★ |
零戦戦記ものではないですが、明治時代、日露戦争を控えた陸軍がロシアでの開戦に備え、演習として弘前と青森の連隊が八甲田山で出会おうと計画演習したノンフィクション物語です。片や、小隊で全日程走破、もう一連隊は中隊編成でほぼ全滅となりました。映画にもなりました。リスク管理のなさと上層部の行動哲学・指針がぼやけていること、雪山に対する知識のなさが悲劇をもたらしました。著者の筆圧も鋭い視点で抉っており、映画には無い(映画は多少の脚色がある)事実が興味深いです。寒さは気温−風速(m)×1℃が体感温度となるそうです。つまり、−5℃でも風速10mであれば、体感温度は−15℃に感じるのです。無知は、悪です。前も見えぬ吹雪の中、極寒が与える肉体的苦痛・精神的幻聴・幻覚はすさまじいものがあります。自然をなめてはいけないとツクヅク感じた次第です。(2007/08読了)
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62 |
硫黄島栗林忠道大将の教訓
小室 直樹
|
同じく栗林忠道をモチーフとした書籍を読みました。本書では、この時のこの作戦はこうであるべきであったと著書がコメントしていますが、そうそう思ったとおりには事は進まないでしょう。但し、事実に基づき、客観的に米国・日本の立場から考察をしている部分は評価できます。(2007/07読了)
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61 |
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
梯 久美子
★★★★★ |
腰巻に「本当の硫黄島を教えてくれた この本を、僕は撮影中手放すことは無かった。」<硫黄島からの手紙主演:渡辺謙>とあります。映画にもなったので観られた人も多いのではないでしょうか。映画で感動した人はこの本も是非一読をお勧めしたいものです。女性ながら緻密な調査に基づき、栗林指揮官の手紙を中心に話が展開します。硫黄島は日本から南に1250km、この小さな島がアメリカの手に落ちるとB29爆撃機の中継・発進拠点となり日本本土が攻撃されることになります。何が何でも死守しなくてはならない戦況であったのです。栗林忠道の部下への思いやり、一兵まで平等に扱い、兵隊と同じ食事を取り、また島中を駆けずり回り自ら戦略を立案し、物資も要求量には程遠く、負け戦・玉砕を最初から大本営から言い渡されたも同然の状況で、米軍を日本本土上陸を一日・一秒でも伸ばすため使命を帯びて自ら硫黄島に乗り込んでの死闘であったのです。日本よりアメリカで彼の評価が高いのかもしれません。「こんな国と戦争したらとんでもない。」と言わしめました。米軍の死者も6800名です。「5日で落ちる」が36日間持ち堪えました。日本軍2万に対し米軍上陸6万、後方支援に10万。圧倒的不利な条件・物資。ボウフラの湧いた泥水をすすりながら耐えに耐え、地下壕に潜伏しゲリラ作戦を展開。最後の総攻撃には、全将兵にかの有名な「予は常に諸氏の先頭に在り」と電報を打ちました。最後の最後まで自決するな、敵を10人殺すまでは、と。アメリカ人気質を知り尽くした彼がどのような心情で硫黄島で戦ったのか、妻や子供に送った手紙の細やかで具体的な心遣いが栗林の人柄・性格を良く表現しているのではないでしょうか。この本でたくさんのことを学びました。日本人はなにかと過去を忘れ去り、手柄的なことしか後世に伝えようとしない傾向(事実そうです)がありますが、失敗を次の教訓として学びましょう。現代社会の殆どの国民が硫黄島があること、また、ここで激戦があったことをきちんと理解している人は少ないのでしょう。素晴しい本です。(2007/08読了)
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60 |
ゼロ・ファイター大空を翔ける男
茶木 寿夫
★★★ |
ゼロ戦パイロットとして、また初のYS−11機長として27000時間の飛行経験を誇る国宝級、菅原靖弘(旧姓粒針)氏の一生涯を綴ったノンフィクション。零戦パイロットとしては抜群の戦闘センス・技量を持っていました。サイパン上空で敵の高角砲(VT信管付き)に当たり火達磨となって敵地に不時着、大やけどを負ってしまいます。数年のハワイでの治療生活や英語を身につけた生活も興味深いです。戦後、パイロットからは遠ざかりますが、また自衛隊パイロットを経て国産旅客機YS−11の初機長として飛び続け、また各国へYS11をフェリーした経験・体験談が実に興味深いです。アクシデントやトラブル時の瞬時の判断力は神業かもしれませんが、経験と徹底した反復運動、でも常に理論に基づいた理解がないと咄嗟の判断は出来ないものでしょう。こんな経験をした日本人パイロットがいることを誇りに思います。
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59 |
沖縄特攻 (文庫版航空戦史シリーズ (27))
アーノルド・S・ロット 戦史刊行会
★ |
アメリカ駆逐艦「アーロン・ワード」の沖縄上陸作戦を支援するため、アメリカ第5艦隊に参加した一隻のノンフィクションを多数の証言を元に正確に伝えられています。日本側の特攻攻撃に晒され、当時の乗組員の対応・状況が手に取るようにわかります。歴史上、ひとつの駆逐艦がメジャーな歴史となることはありませんが、第二次世界大戦終盤の日本側の捨て身の本土防衛、それを蹴散らすアメリカ側のひとりひとりの任務を負った乗組員のいきざまがよくわかります。
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58 |
幻の英本土上陸作戦 (航空戦史シリーズ)
土屋 哲朗 光藤 亘 リチャード・コックス
★★ |
ドイツのイギリス侵略「ゼレーベ作戦」をシミュレーションしたフィクションです。ヒトラーの野望は英本土上陸作戦により英国全土を征服することにありました。しかし英空軍の働きにより中止されました。この歴史的作戦が実現されていたら、という想定の元に英独生き残り将軍たちが、往時の作戦を頭上で再現したものです。
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57 |
ジェット空中戦―朝鮮戦争からフォークランド紛争まで (光人社NF文庫)
木俣 滋郎
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F86セーバ対ミグ15の初の空中戦からシュベール・エンタンテンダールとハリアーのフォークランド紛争まで、二次大戦後のジェット機の「高速空中戦」の歴史をイラストと写真で綴る空戦記録です。空対空ミサイル、超音速、可変翼の出現、先鋭化する機能を持つジェット戦闘機の新しい戦いの実態を描いたドキュメントです。章立てでは、朝鮮戦争、スエズ戦争、第一次インド・パキスタン戦争、第二次インド・パキスタン戦争、ベトナム戦争、第三次中東戦争、第四次中東戦争、イラン・イラク戦争、フォークランド戦争が簡潔に説明されています。
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56 |
総員退艦せよ―米重巡インディアナポリスの最期 (1959年)
リチャード・ニューカム 亀田 正
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終戦間際、米重巡インディアナポリスは、レイテへ向けて航行していました。重要任務(原爆の運搬)を終えホッとしていた夜半の航行時、日本潜水艦伊58がこれを襲撃しました。魚雷攻撃を受け、瞬時にして沈没します。乗員1200名のうち、救助されたのは僅か300名。米軍史上最大の悲劇でした。アメリカ、日本の立場から書かれており、伊58艦長であった橋本氏の回想も添えられています。両国の立場・国情の違いもよくわかります。漂流中の出来事はまさに戦慄の様相で、油と海とフカとの戦い、発狂するもの、地獄絵です。その後、前例のない軍法会議となりました。詳細に事実が書かれています。裁判ものとしても興味深く読むことができます。
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55 |
本土防空戦 (戦記文庫)
渡辺 洋二
☆★ |
昭和19年秋から米陸軍B−29による日本本土爆撃は急速に盛んになりました。さらに翌20年になると本格的夜間攻撃により、日本の主要都市は焼土と化したのでした。しかし、この米軍機の空襲に対し日本軍も数少ない戦闘機をもって対抗しました。日米血みどろの本土防空戦秘密史です。
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54 |
ドイツ夜間防空戦―夜戦エースの回想 (光人社NF文庫)
W. ヨーネン Wilhelm Johnen
★★ |
ドイツの夜間戦闘機乗組員だったW・ヨーネンが日常の描写も迫力ある筆跡で書かれています。日本と戦況については似通っている部分があり、開戦当初は優位を誇りますが、年を追うに連れ迎撃に出撃できる夜間戦闘機、パイロットが消耗していくという図式です。しかしながら夜戦というのは適発見が難しいのですが、地上基地との無線連携、レーダー技術はは当時の日本とは雲泥の差があったことがよくわかります。著者のウィリヘルム・ヨーネン大尉は若冠23歳で第6夜間戦闘航空団第V飛行隊長まで昇進します。戦後十年を経て、自身の回想録としてまとめたのが、原書「Duell
unter den Sternen(星空の決闘)」です。戦記として異色であるのは日常描写ですが、出撃前の打合せ、闇夜に慣れるため暗室で過ごすことから始まり、発進、待機空域への飛行、会敵、交戦、帰還にいたるまでが生き生きとした記述になっています。また戦闘技術では、レーダーなしから始まり、C−1、SN−2、「ナクソス」といった電波兵器が乗機に付加されている過程がわかりやすく記述されています。彼はドイツの初代双発夜間戦闘機メッサーシュミットBf110で戦い抜きます。この双発戦闘機も日本の月光とよく似た運命であり、双発機では戦闘機としての俊敏さ(つまり運動性能)を欠くために夜間戦闘機として活躍した機種で終戦までに約六千五十機が生産されたということです。
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53 |
奇蹟の飛行艇―大空に生きた勇者の記録 (光人社NF文庫)
北出 大太
★★★★ |
腰巻の言葉から抜粋しますと、「飛行時間7000時間、ベテラン・パイロットは撃墜されない! 日華事変以来の歴戦搭乗員が熾烈な南方戦線の空戦をいかにして勝ち抜いたのか− 巨大飛行艇の戦いを描く感動の空戦記。」 飛行艇のパイロット、機長として終戦まで生き抜いた幸運な方ですが、それほど単純ではなく命を懸けたイキザマと友情と”生きるんだ”という闘志溢れるノンフィクションです。序文から抜粋しますが、「−死ぬことは楽であった。そして、生きのびることは苦痛であった。私は、その苦しみに堪えぬいてきた。そのことは、今も誇りに思っている。」 戦友が次々と戦死し、また味方援護のない敵制空権の中を救助のため夜間飛行を行うシーンがあります。ここは感動しました。ベテラン飛行機乗りとして並外れたテクニックと経験、先を読む力、何よりも部下からいつも信頼されていることがヒシヒシと感じ取れます。飛行艇を主人公とした読み物としては珍しくもあり貴重です。
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52 |
大空の戦士たち (新戦史シリーズ)
渡辺 洋二
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零戦隊の重慶上空でのでの空線、特攻を拒否した美濃部少佐率いる夜襲部隊、北千島での吹雪と濃霧の中での航空線、幻の局地戦闘機といわれた震電の制作秘話、小園少佐率いる最強の棒旧部隊の姿など、大空の戦士たちが活躍した数々のエピソードが9話入っています。特に震電の開発物語は戦況の苦しい中で苦労話が惹きつけられます。
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51 |
決戦特殊潜航艇 (文庫版航空戦史シリーズ (47))
佐々木 半九 今和泉 喜次郎
★★ |
筒と呼ばれた特殊潜航艇(甲標的)の挺進攻撃のドキュメントです。真珠湾、オーストラリアのシドニー湾、インド洋のマダガスカル島のディエゴスワレスに在泊攻撃が詳細に特別攻撃隊指揮官、第三潜水隊指令の佐々木氏、第二潜水隊指令の今和泉氏の両人が綴っています。生還を望まず戦い抜いた男たちの物語です。
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50 |
ルンガ沖魚雷戦 (文庫版航空戦史シリーズ (41))
半藤 一利
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ソロモン海の戦局は駆逐艦に物資を積んでガダルカナル島へ輸送する任務に徹していました。ドラム缶に物資を詰めたのです。本来の駆逐艦乗組員の心意気、あっけらかんとした海の男の様が活き活きと描かれています。その中で、日本駆逐艦8隻が米巡洋艦5隻、駆逐艦6隻の大艦隊に遭遇、果敢に魚雷戦に挑み勝利を挙げます。世界を震撼させさせ、高性能な酸素魚雷の開発状況も興味をそそります。この魚雷は発射後の軌跡が判らないため、回避行動が取れないというものですが各国が開発を断念する中、日本は開発に成功したのでした。それらの動作の仕組みも詳細に記載されています。文章に力があって読んで勇気が湧いてくる本です。
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49 |
世界の特殊部隊―秘められた救出作戦の全貌
土井寛
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世界の特殊部隊の活躍のノンフィクションです。緻密な計画をもってしても成功裡に行かないケースもあります。その働きは裏に隠れ表面化しないことが多いのでしょう。歴史的な空からの救出作戦の実例と世界各国の特殊部隊が紹介されています。
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48 |
ソロモン海 敵中突破 (文庫版航空戦史シリーズ (39))
種子島 洋二
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昭和18年9月、南太平洋のソロモン諸島、コロンバンガラ島で敢行された起動舟艇部隊による陸海軍部隊一万二千名の玉砕寸前の部隊をブーケンビル島に撤収させるノンフィクションの物語です。
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47 |
敵潜水艦攻撃 (新戦史シリーズ)
木俣 滋郎
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潜水艦は隠密行動を常としますから、なかなか撃沈や損傷の日時、場所が不正確な場合が多いのです。本書は日本潜水艦が撃沈した敵潜水艦を時代を追って考証されています。潜水艦の生活状況も判り興味深いものがあります。
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46 |
死闘の大空 (文庫版航空戦史シリーズ (37))
村上 益夫
★★★★ |
一式陸攻のベテラン搭乗員として活躍した戦士の自伝です。戦闘機の自伝は多のですが、陸上攻撃機隊からの立場で書かれているものは貴重でしょう。一式陸攻は中型機としての水準は当事としては高機能なものでしたが、防御面を無視した設備は欠点となり、米国からは”ワン・ライター”というコードネームが付けられたのでした。パッと火がつくということです。珊瑚礁海戦で攻撃を受け、機体を緊急着水しました。漂流し、フカと戦い、疲労・睡魔と闘いながら漂流する章があります。フカとの場面を一部、抜粋。(「おい石橋、みすみすとなられるな、来たらやっつけろ。」と励ましあう。そのうち周囲を回っていたフカが、われわれの方に向かってきた。私と、石橋兵曹とは海中に顔を沈めてフカに対した。褐色がかった獰猛なフカの大きな頭がかぶさるように近寄ってくる。二人は必死となって、がむしゃらにフカの頭を殴り、叩きつけた。・・・・・(略)・・・ 死闘は繰り返された。がわれわれはひるまなかった。) その後、仲間も力尽き主人公のみ救助されますが、このあたりの生還劇は息をつかせぬ緊張感があります。救助されるのは日本の場合は氷山の一角であり、救助されずに命を絶った飛行機乗りがいかに多いのか、容易に想像がつきます。
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45 |
夜間戦闘機「月光」 (戦記文庫)
渡辺 洋二
★★ |
夜間戦闘機「月光」の活躍が時代を追って詳しく書かれています。月光は元は複座戦闘機から出発していますが軽快な戦闘機とはなり得ず(海軍からの要求事項が欲張りすぎ)、後に夜間戦闘機として斜め銃攻撃(小園少佐提案で有名なもの)で成果を上げました。甲戦=戦闘機、乙戦=迎撃戦闘機、丙戦=夜間戦闘機と海軍ではカテゴライズされます。しかし、簡単に夜間というが、夜間での発着陸、航路は並大抵の技量では出来るものではないと感心しました。月光は薄暮(夕方)、夜間、黎明(夜明け時)と活躍したのでした。
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44 |
忘れ得ぬ翼 (文春文庫)
城山 三郎
★★ |
飛行機乗りたちの戦後の生活、関わり方を8編の短編として小説風に事実関係の上に推敲されているため、通常の戦闘機乗り自身が書いた戦記物語とは作風も違い、各短編の主人公がとてもよく書かれており味わいのある仕上がりとなっています。戦争経験がパイロットに与えた戦後の生き方にさまざまな角度から逆照射することで、日本で戦後何があったのか、戦争とは何であったのかを考えさせる本です。
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43 |
零戦 その誕生と栄光の記録 (角川文庫)
堀越 二郎
★★★★★ |
昭和27年初版、昭和50年に改定された設計主任の堀越二郎、元大本営参謀の奥宮正武両氏により執筆された零戦開発の真の設計から終戦までの零戦のすべてが記述されています。原書は、1956年にニューヨーク・ロンドンでで「ZERO」として出版され、その後パリでも「LESAILES
JAPONAISES EN GUERRE 1941-1945」、1958年には技術関係部分を「THE ZERO FIGHTER」としてロンドンでも発行され世界に零戦の事実が紹介された先駆けとなりました。零戦が外国模倣の戦闘機ではなく、ピュアに国産開発機であることを知らしめた本でしょう。技術本としても一級です。
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42 |
零戦開発物語―日本海軍戦闘機全機種の生涯 (光人社NF文庫)
小福田 晧文
★★★ |
日本海軍の国産機誕生の背景から、零戦、雷電、月光、紫電、烈風まで海軍兵学校出身で戦闘機パイロットとして横空のテストパイロットとしてメーカ対応してきた立場から系統だった事実史として興味深いのです。とかく零戦が脚光を浴びるのは仕方がないのですが歴史的背景として、一0式、三式、九0式、九五式、七試、九六式艦上戦闘機と初期の国産開発機に触れられているのはめずらしいでしょう。零戦後継機種として期待された烈風ですがエンジンが期待通りのスペックが出ず、また工場の空襲で疎開を余儀なくされ分散開発・組み立てとなりデビューの時期を失したのでした。戦争後半は熟練工も軍隊招集を受けたため、加工技術の著しい低下と物資不足がありました。国の一貫施策として熟練工は大事に扱うべきだったのです。話が逸れましたが小福田氏は烈風のテストパイロットとして、数少ない烈風に乗ったパイロットの一人なのです。うらやましい限りです。
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41 |
軍艦開発物語―造船官が語る秘められたプロセス (光人社NF文庫)
福田 烈
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大艦巨砲テクノロジーが終結した戦艦「武蔵」、世界初の全溶接艦「大鯨」、水中高速潜伊201など傑作艦誕生までの苦悩の足跡を造艦担当者みずから綴るノンフィクションです。
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40 |
あゝ零戦一代―零戦隊空戦始末記 (光人社NF文庫)
横山 保
☆★★★ |
著者は大東亜戦争を通じて零戦立上げから関わってきました。飛行隊長として試作機「零戦」をもって、また開戦フィリピン攻撃を、そしてソロモン方面、ラバウル、トラック島と消耗戦を戦いました。国防の元、特攻隊を何度も送り出し、戦友や部下が飛び立つのを見送りながら涙を隠していたのです。零戦の初戦から最後までを見届けた生き証人。最終章に「特攻ゼロ戦隊奮闘す」では若く散った特攻隊員の遺書が涙なくして読めません。
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39 |
戦艦武蔵の最後―海軍特別年少兵の見た太平洋海戦 (光人社NF文庫)
塚田 義明
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海軍特別年少兵として若き少年が武蔵に砲術士として乗り込み、レイテ沖海戦で最後の勇士を飾る。乗組員として生き残っただけに内容もリアリティー溢れます。当時、ミッドウェーでもそうであるが艦が沈み救助された乗組員は等しく隔離されました。内地に帰ってもすぐには日本人の扱いがされなかったのです。お国のために命を投げ打って戦い、犯人扱いされたのです。不沈といわれた戦艦武蔵も制空権のない状況ではどうすることもままならず、戦闘機の援護もなく囮として最後を飾ったのでした。
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38 |
紫電改の六機 (光人社NF文庫)
碇義朗
★ |
海軍航空隊の最後の切り札−新鋭戦闘機「紫電改」を駆って戦い抜いた松山三四三空の六人の若者たちの生涯。米軍の証言も織り交ぜ若くして散った青年達の人間模様が涙を誘います。
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37 |
零式戦闘機 (文春文庫 や 1-1)
柳田 邦男
★★★★ |
高性能戦闘機が世に出るまでの若い技術者たちの長く苦しい闘いのノンフィクション。柳田邦男は証言・事実関係を究極まで高める人です。
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36 |
零戦 その誕生と栄光の記録 (角川文庫)
堀越 二郎
★★★★★ |
設計主務者自ら執筆した名機の誕生と栄光の秘密は今日に続く日本の技術といえなくもないでしょう。
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35 |
サムライ零戦隊―島川飛曹長空戦記 (光人社NF文庫)
島川 正明
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坂井三郎の列機として戦い抜いたエースパイロットの真髄を語った空戦記です。
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34 |
零式戦闘機 (新潮文庫)
吉村 昭
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零戦の秘密裡の誕生から幾多の輝かしい戦歴・敗亡の悲運を綴ります。
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33 |
零戦撃墜王―空戦八年の記録 (光人社NF文庫)
岩本 徹三
★★★★★ |
撃墜機数202機、ラバウル上空で142機、日本海軍航空隊のトップ・エースとして活躍した撃墜王の青春物語。38歳の若さで病死されますが、著者が大学ノート3冊びっしりと書き込んだ回想録から死後に出版されることになりました。海軍で実質の最上撃墜王です。
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32 |
軍用機開発物語―設計者が語る秘められたプロセス (光人社NF文庫)
土井 武夫
★★★ |
飛燕(川崎)設計者の話から、最後の艦上戦闘機となった烈風は現在も三菱にいる曽根氏、彩雲、川西傑作機の二式大艇など設計者自ら語るノンフィクション。
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31 |
迎撃戦闘機「雷電」―B29搭乗員を震撼させた海軍局地戦闘機始末 (光人社NF文庫)
碇 義朗
★★ |
ジャックと呼ばれたB29迎撃用として開発された三菱重工の零戦に代わるものとして期待されたがエンジンがスペック通りの性能が出ず、558機の生産機に終わった戦闘機の全貌。
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30 |
大空の決戦―零戦搭乗員空戦録 (文春文庫)
羽切 松雄
★ |
零戦搭乗員の空戦録。 |
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29 |
暗号を盗んだ男たち―人物・日本陸軍暗号史 (光人社NF文庫)
桧山 良昭
★★★ |
日本陸軍の歴史を綴る異色ドキュメント。これは面白いです。暗号化に関しては海軍より陸軍の方が上だったと理解しました。
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28 |
零式戦闘機 (文春文庫 や 1-1)
柳田 邦男
★★★★★★ |
日米両軍のパイロット、技術者、軍人の緻密な取材から第二次世界大戦の開戦から終戦までを描く超大作。ハードカバー3冊(文庫6冊)ありますが、息もつかせず読ませます。
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零戦燃ゆ〈2〉 (文春文庫)
柳田 邦男
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零戦燃ゆ〈3〉 (文春文庫)
柳田 邦男
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零戦燃ゆ〈4〉 (文春文庫)
柳田 邦男
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零戦燃ゆ〈5〉 (文春文庫)
柳田 邦男
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零戦燃ゆ〈6〉 (文春文庫)
柳田 邦男
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27 |
零戦の遺産―設計主務者が綴る名機の素顔 (光人社NF文庫)
堀越 二郎
★★★★ |
世界最高水準に至った技術者の足跡を描く名機誕生の物語。 |
26 |
液冷戦闘機「飛燕」 (戦記文庫)
渡辺 洋二
★★★ |
土井武夫設計による飛燕は液冷エンジンの三式戦闘機。スペックはいいのだがエンジンが複雑なために故障続発に泣かされた戦闘機。
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25 |
鷹が征く―大空の死闘・源田実VS柴田武雄
碇 義朗
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源田実と柴田武雄の半生を描いた作品。ライバル意識を持ちつつ両者の考えの差異が表現されています。
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24 |
大空のサムライ (光人社NF文庫)
坂井三郎
★★★★★ |
海外でも出版され、東宝映画化もされ、エースパイロットの戦記の決定版。敵機大小64機撃墜を誇ります。
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23 |
続・大空のサムライ―回想のエースたち (光人社NF文庫)
坂井 三郎
★★★ |
続編。初回に書けなかった事、同僚のことが書かれている。笹井中尉や部下の本田の話はいい話であり、エネルギーが沸いてくる本です。
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22 |
戦話・大空のサムライ―可能性に挑戦し征服する極意 (光人社NF文庫)
坂井 三郎
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可能性に挑戦し、征服する極意。
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21 |
撃墜王との対話―「大空のサムライ」完結篇 (光人社NF文庫)
坂井 三郎 高城 肇
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月刊雑誌「丸」連載の対話。
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20 |
坂井三郎の零戦操縦 [増補版]
世良 光弘
★★★★★ |
零戦の操縦から航法、空戦、帰投に至るまでの手順とパイロットの心得。
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19 |
零戦の最期
坂井 三郎
★★ |
哲学、リーダ学として学べます。
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18 |
零戦の運命〈上〉―語られざる海軍事情 (講談社プラスアルファ文庫)
坂井 三郎
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日本海軍は、「良きこと、悪しきこと、そのすべてを敗戦の波の中に流し去った。」、とあります。
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零戦の運命〈下〉―なぜ、日本は敗れたのか (講談社プラスアルファ文庫)
坂井 三郎
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17 |
坂井三郎 空戦記録
坂井 三郎
★★★★ |
著者自身からガダルカナルで敵機に銃弾を浴び、頭から目にかけて弾を浴びます。その状態からラバウルまでの帰還は、何度読んでも手に汗握ります。もうだめだと思い、敵に突っ込もうと思いつつ、意識朦朧の中、試行錯誤を繰り返します。睡魔と戦い、帰還までの奇跡としか言いようがありません。でも、執念と信念のエースパイロットです。
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16 |
空母零戦隊 (文春文庫)
岩井 勉
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あまり記憶にありません。
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15 |
撃墜王の素顔―海軍戦闘機隊エースの回想
杉野 計雄
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戦後も海上自衛隊で仕事をする人。あまり覚えてません。
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14 |
遥かなる俊翼―日本軍用機空戦記録 (文春文庫)
渡辺 洋二
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着陸の負傷で精神病院に送られ、苦闘の末に再起した話は、しみじみと日本は臭い物には蓋をする風土があると思います。
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13 |
ジェットエンジンに取り憑かれた男〈上〉国産ジェット機「橘花」 (講談社プラスアルファ文庫)
前間 孝則
★★★ |
日本のジェットエンジン開発の技術者の情熱物語。「橘花」から終戦後のジェットエンジン開発まで踏み込んでいます。僕はこのようなノンフィクション大好きです。
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ジェットエンジンに取り憑かれた男〈下〉世界水準V2500 (講談社プラスアルファ文庫)
前間 孝則
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12 |
海軍特殊攻撃機 橘花―日本初のジェットエンジン・ネ20の技術検証
石澤 和彦
★★★ |
同じく、ネ20開発の詳細が図解豊富に説明。ジェットエンジンは奥が深いです。
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11
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証言真珠湾攻撃―私は歴史的瞬間をこの眼で見た! (光人社NF文庫)
藤田 怡与蔵
★★★★★ |
真珠湾攻撃をいろんな証言者の情報を元に、実質歴史的瞬間に直接関わった人々の回顧録。パールハーバーは映画チックで見せ所を強調しています。トラ・トラ・トラの映画は事実的に正確。黒澤明が監督をある理由により解雇降板した映画ですね。当時の駐日大使の証言はリアリティです。
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10 |
ミッドウェーの決断
柳田邦男
千早正隆
プレジデント社
★★★★ |
緻密・慎重、用意周到な真珠湾攻撃からわずか半年後の大敗戦を迎えるこの闘い。日本人の驕りからくるリスク管理というかコンティンジェンシー計画も迂回策もまったくのなさ、楽観主義的無計画、慎重派人への警告を無視する軍部上層部の判断ミス、組織というのは、瞬時の的確な判断能力・センスを備えた人がすべきであって、ミッドウェー海戦以降は「誤れる決断」と言えます。人間的な慢心がすべての予知能力、判断能力を削ぎ落とすということですね。経営も同じ、現場を知らずして、絶えず既存事実から傾向分析をしつつ、将来予測をする、わずかなチャンスも見過ごさない感度がないものには経営は出来ず、する資格なし、と僕は思います。
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09 |
非情の空―台南空零戦隊撃墜王物語
高城 肇
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台南空零戦隊撃墜王の物語。
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09 |
指揮官空戦記―ある零戦隊長のリポート (光人社NF文庫)
小福田 晧文
★★★ |
元204空戦戦闘機隊長のリポート。指揮官としてリーダシップをどうとるのか、リーダ学としてもお勧めできます。
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07 |
私は零戦(ゼロ)と戦った
ジョン・M. フォスター Jonh M. Foster
★ |
アメリカ人から見た零戦との戦記。アメリカでは「撃墜されるな」の命令はあっても「撃墜せよ」の命令は聞いたことがないらしいのです。アメリカ人パイロットは定期的に休暇を与えられ、気負いもなく、頑丈な戦闘機に乗り、アメリカ人がクレイジーと呼んだ日本の特攻隊とは無縁。不時着した際も徹底した救助作戦も日本との差を感じます。日本では海に不時着=死ですから。そして日本人は精神論鍛錬主義、がんばればなんとかなるの国、アメリカはOR、徹底した統計分析の国の違いもまざまざと感じます。
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06 |
海軍魂―若き雷撃王村田重治の生涯 (光人社NF文庫)
山本 悌一朗
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撃墜王として戦死した村田重治の半生を描く。仏と書いてブツとニックネームで呼ばれ茶目っ気があったらしい。しかしその信念はかなりのもの。魚雷を胎に抱いての雷撃機のテクニックも相当難しいと感じました。
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05 |
古賀一飛曹の零戦―太平洋戦争の流れを変えた一機
ジム リアドン 漆島 嗣治
★★ |
アリューシャンの孤島に不時着失敗し、その零戦が捕獲され零戦の徹底解析がなされる契機となりました。古賀氏の供養もかねて現地で発掘(できなかったが)・成仏させたいという部分まで作者は踏み込んでいます。歴史的に貴重な事実本です。
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04 |
最後の艦上戦闘機烈風―ゼロ戦後継機の悲運
松岡 久光
★★★★ |
ゼロ戦後継機の悲運として有名な戦闘機「烈風」の開発物語。雷電と同じくエンジンに泣かされます。実戦に出撃することもなく敗戦を迎えたのでした。
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03 |
サムライたちのゼロ戦
ローバト・C. ミケシュ Robert C. Mikesh
★★ |
太平洋戦争終結直後、米軍によって撮影された零戦と日本軍機のすべてが豊富な写真で綴られています。米国で徹底した飛行分析をするため米国にほとんどの機種が運ばれ、その後のどのような措置をとられたのかまで追跡しています。日本では敗戦後、プロペラを外し、ブルトーザーで押し潰されガソリンを撒いて処分されたのです。体系的に保存されていれば歴史上非常に貴重なものであったのでしょうが、敗戦後、日本は航空機開発に一切関わってはならぬ制約を課され、日本の航空機技術は世界から取り残されてしまうのですね。現存の軍機がどこでどのように保管されているかも資料として貴重。この前まで船の科学館にあった川西の二式大艇もアメリカから里帰りしたひとつでしたね。この二艇はアメリカでの調査で絶賛されたのでした。
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02 |
零戦の誕生 (文春文庫)
森 史朗
★★ |
A6M1から始まる零戦誕生に焦点を置いています。しかし零戦も最初から歓迎されたわけではなく、横須賀航空隊の格納庫でほこりまみれで見慣れない試作機という書き出しで序文は始まります。
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01 |
零からの誕生
城山三郎
角川書店
★★★ |
新明和工業として現在は、 US−1A型救難飛行艇も作っていますが、過去、名門川西として二式大艇、紫電改を製造した川西航空機から明和興業(後に工業)へと移りゆく企業物語として会社を支えた人々の人間模様が書かれています。戦後、航空機開発に関わることが一切禁止された空白の期間を技術者たちが如何に耐え忍んできたか、鍋ヤカンミシンやらバイクやら食うためには何でもしたのですね。航空機開発は民間一社で採算を採れるものではないほどの莫大な開発費用がかさみます。途中、企業の建て直しを余儀なくされます。いわゆる合理化、利益追求です。夢だけでは食っていけないのです。苦悩の企業物語とも言えます。でも言葉は悪いですが川西はやはり飛行機気違い集団だったのです。
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