日本陸海軍機大百科、『九五式水上偵察機』 2014
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土曜日



日本陸海軍機、第117弾は、日本海軍複葉二座水上偵察機の頂点を極めた傑作気「九五式水上偵察機」として紹介されている。


海軍航空の草創が水上機によって為されたことにも象徴されるように、太平洋戦争以前の日本海軍にとって、水上機の存在感の大きさは航空母艦搭載の艦上機、陸上機にも劣らぬものであった。とりわけ、艦隊決戦時の主役である戦艦や巡洋艦に搭載された二座水上偵察機は、敵艦隊の動向把握、砲撃戦時の弾着観測等に不可欠であり、決戦の勝敗をも左右するほどの重要な存在だった。ここでは、九五式水偵は、いわば日本海軍流二座水偵の理想像を実現させた機体だった。

今回のモデルは、第五艦隊所属の重巡洋艦「那智」搭載の4号機であり、昭和11(1936)年4月当時を再現している。一部金属板、大部分が羽布張りの機体外皮はアルミ粉末とワニスなどを混合した塗装をイメージした銀塗装に仕上げ、上翼上面および下翼下面、胴体後方には、白フチなしの日の丸と黒色の部隊符号/機番号を、尾翼には赤色の「保安塗粧」と白色の部隊符号/機番号を記入した。
また、胴体後方の機番号すぐ後ろには連合艦隊隷下を示す赤帯を、浮舟(フロート)にはプロペラ回転範囲を示す赤色の警戒帯や台車固定位置指示線を、水平尾翼上面には偏流測定線を忠実に再現している。このほか、防眩用艶消し黒塗装のカウリングやプロペラ表裏の塗りわけと先端の2本の赤色警戒帯、黒い炉の主翼市中、焼鉄色の排気管など、細部塗装も実機どおりに再現されている。




次回は、陸軍の九九式襲撃機すら軍偵察機をご紹介します。


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