日本陸海軍機大百科、『一式陸上攻撃機』一一型 2013
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日曜日



日本陸海軍機大百科、第92弾は、生涯最後の”大役”を果たした、白装束に緑十字標識の一式陸攻を紹介します。

日本海軍が構想したような陸上攻撃機の本来の働き場がほぼなかった太平洋戦争において、主力機として期待された一式陸攻が直面した現実も極めて厳しいものだった。故に開戦から一年が経過した昭和17(1942)年末頃には、本機にとって最前線における昼間行動は事実上不可能となるに至った。そんな一式陸攻の最初の量産型である一一型が、太平洋戦争敗戦直後、降伏条項折衝のために沖縄の伊江島に向けて飛行する任務を与えられた。


今回のモデルは、昭和18(1943)年5月から11月までの間、千島列島北端に近い幌筵島武蔵基地に進出し、アリューシャン列島方面への偵察や索敵、さらにはアッツ島の米軍基地爆撃など、北東方面戦域の防備に活躍した、第七五二海軍航空隊第二中隊所属の73号機である。機体上面は暗緑色、下面はジュラルミン地肌(アルクラッド処理)をイメージした銀塗装に仕上げ、胴体と主翼上面は白フチ付きの日の丸を、主翼下面には白フチなしの日の丸をペイントした。また、垂直尾翼には海軍攻撃隊機にはめずらしい”白帯フラッシュ”と部隊番号/機番号を忠実に再現。機首上面と発動機ナセルの防眩塗装やプロペラ、ループアンテナ、尾輪の塗り分けなど、細部塗装も実機通りに仕上げている。

次回は、陸軍の力号観測機をご紹介します。


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