日本陸海軍機大百科、四式戦闘機『疾風』甲型 2009
10/9
金曜日

 先日の『零戦』の発売から、そう、シリーズ第二弾は、中島飛行機は陸軍機となる四式戦闘機『疾風(はやて)』甲型だ。日本陸軍が太平洋戦争の戦勢挽回の切り札として送り出した、いわば渾身の一作。日本最初の2,000馬力級発動機「八四五」(空冷星形複列 18気筒発動機、海軍名:誉(ほまれ))を搭載し、その高性能をもってあらゆる敵機に打ち勝つことが出来るはずだった・・・ しかし、遅きに喫し、実践投入は昭和19年8月下旬(終戦の一年前)と遅かったこともあり、”大東亜決戦号”という勇ましい称号に見合うだけの実績を残せないまま終わってしまった。

 陸軍の要求スペックの骨子は、最大速度680km/h、高度5,000メートルまでの上昇時間4分30秒、航続力は一式(隼)と同程度、射撃兵装は12.7mm機関砲、20mm機関砲を各2門ずつ。しかし、当時はスペック通りエンジンの性能は出なかった。材料や燃料の品質が悪く、旋盤工・熟練工の不足、またエンジンは安定するまでかなりの技術革新と年数が必要であるし、要因はさまざまに絡み合っている。期待されたエンジンだったのに、エンジンはアメリカに遥かに及ばなかった。それから、特徴的なフォルムとしては4枚プロペラ、しかし、直径が小さすぎた。発動機の推進力を活かすには直径3.1メートルでは心許ない。重量が大きい主脚をなるべく短くして軽量化したかったため、地上とのクリアランスの兼ね合いで、プロペラの直径を大きくできなかったのだそうだ。運動性能までもたせようと欲張りすぎたのかもしれない。

パソコンのモニターの前で記念撮影

陸軍 中島 四式戦闘機『疾風』甲型[キ84甲]

 次回は三菱の迎撃機『雷電(らいでん)』をお送りしましょう。じゃ。(2009/10/09 21:32)
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