今朝は4:30に起きてしまって、待ちかねたようにね、で、”坂井三郎の零戦操縦”のポイントをノートにまとめたんだ。予告どおり、会社を休んでまで、ここ、成田空港からバスで約15分のところに位置する「航空科学博物館」に暇人、参上した。入場料500円を払い、予想通り貸切みたいなもんだよね。途中、幼稚園児がバスで一台とジジが数名と、あとは小さいお子さん連れの家族が数組。何組かの家族へは望まれて零戦を解説した。平易な言葉にしてですよ、専門用語を使わずにね。
結局、10時のオープンから16時まで居座ってしまって、オタクな人、ってことかな。4階のレストランでビール飲みながら写真の整理とブログを少し下書きもできたしね、ボーイング747-400を操縦シミュレートをやってパイロット気分盛り上げさせてもらった。無料だしね。(動画あり)
しかし、メインはあくまで零戦だからね、ただ、期待したほどのコクピットの仕上がりではなく、艤装関係ははあるべきところにあるべきものがなくて装置類が欠けていたり、テキトーな計器を装填していたのが残念ではあるけれどね、風防(キャノピー)を閉め、夢にまで見た操縦桿を握った僕は、感極まる、このまま大空に舞い上がりたい衝動を抑えきれなかったね。小柄な僕には、操縦席がオートクチュールで作ってもらった位にぴたっと納まるね。
→参考「零戦21型(A6M2)解剖図」、「零戦タイプ別」
充実の幸せな一日だった。ちょと長いね、いいや、どうせ誰も見ないからね。マスターベーションだものね。まだまだ書くぞ、時間はあるし、目の前をジャンボジェットが数分おきに着陸するのを眺めながら眺望よし、ビールが旨いし、至福だよね。
じゃ、ノートにメモした”坂井三郎の零戦操縦”からポイントを転記する。
【出陣(侵攻作戦)】
・指揮所(ピスト)前で”出陣式”を行い、さあ、’かかれ’の号令のもと。
【事前点検】
・整備兵が機体の点検・暖機・試運転はするけれど、自分自身で、
・機体を一周
・タイヤの空気圧、尾輪のオレオ点検
・胴体の各点検窓カバーや燃料保kyつうの蓋の取り付けが大丈夫か?
・エンジンから著しいオイル漏れはないか?
・ピトー管、二〇ミリ機銃の覆いは外されているか?
【搭乗の手順】
・風防(キャノピー)はちゃんと閉まるか?
・チェックして、その後再び開けて乗り込む
・座席の高さ(上げ/下げ)の点検
・座席に腰を降ろしたら、クッションとなっている座席に収納してある落下傘本体と身体に装着した落下傘バンドを金具によって結合する(後方の見張りがおろそかになるため誰もしなかった模様)
・ライフジャケットを身につけた身体をがっちり固定する
・蛇の確認(三蛇)
①昇降蛇(エレベータ) ※上昇・降下
②方向蛇(ラダー) ※機首の向きを変える
③補助翼(エルロン) ※左右の翼の傾きをコントロール
【燃料系とAMC(オートミクチャーコントロール)】
・燃料のチェック
・燃料コックを「開」、メインタンクを翼内
・AMC(※注1)がフリーになっていること
(※注1)AMCとは飛行中、高度に応じて排気温、筒温が最良になるよう飛行機の上昇、下降によって応じる大気圧の変化に自動的に感応して、気化器よりシリンダー供給れる混合気を調整する装置のこと)
【栄二一型エンジン始動】
・エナーシャ・スターター(プロペラ慣性軌道機)を使用
・’前離れ、スイッチオフ、エナーシャまわせ’
・’コンタクト’ メインスイッチを入れる。
・エナーシャとエンジン軸を直結するため、座席右前方の引手をひく
・若干スロットル開く
・カウルプラップを全開
・操縦桿をいっぱいに引く(チョーク止めがあるため前につんのめるのを防止)
【動作計器の確認】
・ブースト計
・筒温計
・排気温計
・燃料圧力計
・エンジン油計
・油圧計
・作動油計(フラップや脚を動かす)
・照準器のOPL(九八式射爆照準器)点検
→球切れ、点灯の確認
・機銃7.7mm(ななみりなな)の半装填
→全装填は空中で行い試射する
・燃料コックを増槽に切替え、増槽から確実に燃料が上がるか確認(試運転は5~6分、緊急(迎撃)は1分以内
・燃料コックを翼内→増槽だと燃料の吸い上げが離陸の振動で不良になったり、増槽が落下するケースもある
・プロペラを低ピッチへ(最大馬力が離陸時に必要、高ピッチにすると離陸できない)
【離陸の手順】
・’チョーク払え’
→整備兵に向かって操縦席から両手を左右に広げる
・キャノピーは全開
・座席位置をいっぱい上げる→視界確保
・ブレーキの利き具合を試す
・エンジンを一度ふかし、プラグの汚れをとって調子を確認してからエンジン全開→ブースト計を黒ブーストを示す最高出力の0目盛まで上げる
・当舵→右足で方向蛇踏棒(フットバー)を踏み込む(そうしないとプロペラトルクと風圧で機体が左に向かおうとする)
・失速速度(約100キロ)になる前にじょじょに操縦桿を元に戻す
・脚を引き込む(プロペラの気流の関係で右脚が早く収納される(希に逆もある))
・表示盤が青→赤を確認
・両翼上の脚位置表示板が沈み込むことを確認
・脚把柄を中正に戻す(互いの僚機の収納も確認)
・座席位置を下げ→照準器と目の高さを合わせる
・キャノピー閉じる
・ゴーグルずらす
・記録板に離陸時刻を記入
・高度200メートルで燃料コックを増槽に切替(燃料の節約)
・巡航状態で7.7ミリ機銃の試射
ここで、四方山話
Q.エンジンのオーバホールは何時間?
A.約200時間
Q.前両翼に黄色に塗ってあるのは”見方識別マーク”?
A.識別は赤い日の丸であって、これは20ミリ機銃が暴発、発射した時にハート型に2メートルの爆風が生じ地上にいる者の鼓膜が破れかねないので’注意せよ’という意味。 (※注:坂井三郎氏の著書でのコメント、正式には昭和17年10月に陸海軍用機は、翼前縁部に黄色の塗装の実施が定められている。外地の消耗の激しい前線部隊までこの通達がどれほど実施されたかは不明。とくに19年6月マリアナ沖海戦以降は、この味方識別マークがかえって敵の標的になったことがあって、最前線の部隊によっては塗装をしなかった機が多い)
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Q.剛性低下方式とは?
A.どのようなスピードでも同じだけ操縦桿を動かせばよいように、パイロットの要求するどんなスピードでも操舵応答を一定にしたもの、「蛇の利き」は速度の二乗に比例して増えるので、高速時を基準に蛇を設計すると、離着陸時や低速時では蛇の利きが悪くなってしまう、逆に低速時を基準にすると、こんどは高速時に蛇が利き過ぎる。これを零戦は解決した。
Q.パイロットの六割頭とは?
A.高度が上がると酸素が不足し、思考力が著しく落ちること(簡単な計算もできなくなったり計算ミスをしてしまう)
長々と。じゃ。
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