『今でなければいつ』プリーモ・レーヴィ(著) 2018
7/20
金曜日

原書はIf Not Now, When?(1982)。良い小説だった。先般読んだ「人生と運命」とも共鳴する。文中、最後の二行、生と死が交差する。惨殺の中にも微かなる生の兆しもあるという著者の願いだろうか。WWⅡでは天文学的に死>生だった。員数の多寡に関わらず命の重みは同じはず。ユダヤ人で構成されたパルチザンの日々の活動、心の葛藤が生半可ではなく、限りなくノンフィクションに近い小説だ。(解説にあるとおり) ユダヤ人収容所から脱走した女性医師が「死ななかったことが恥ずかしいのよ」と語る。玉砕状態で生き残った兵士も同じことを語る。生き残ったことの罪の意識が拭えない。


 (ガーディアン必読1000冊:戦争旅行記 69作品読了/1,000)

今でなければ いつ
プリーモ レーヴィ Primo Levi
4022564733
登録情報
単行本: 398ページ
出版社: 朝日新聞 (1992/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4022564733
ISBN-13: 978-4022564733
発売日: 1992/09
内容(「BOOK」データベースより)
ウクライナからポーランドを転戦した伝説のユダヤ人パルチザンたち。アウシュヴィッツの作家レーヴィが描く大虐殺に抗した勇気ある男女の群像。

Copyright (C) 2018 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.