『殺人は広告する』ドロシー・L.セイヤーズ(著) 2018
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日曜日

原書は、MURDER MUST ADVERTISE(1933)。西暦1933年は日本でいえば昭和8年であるが、英国は文化的にも国際的にも当時の日本より一歩も二歩も近代的であると感じるだろう。今と比しても陳腐感、違和感がないからだ。物語としては麻薬をバックボーンにした広告会社を舞台としたサスペンスなのだが、話に起伏がなく、全体として単調になっていて、クリケットなど寄り道も多く、ストーリーに引き込まれるタイミングが少ないように思われる。著者のドロシーは抽斗が豊富で、あらゆるところから引用していて、注釈がないと判らないことも多いのではないか。

 (ガーディアン必読1000冊:犯罪系 59作品読了/1,000)

殺人は広告する (創元推理文庫)
ドロシー・L. セイヤーズ Dorothy L. Sayers

4488183093

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登録情報
文庫: 506ページ
出版社: 東京創元社 (1997/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4488183093
ISBN-13: 978-4488183097
発売日: 1997/09

内容紹介
広告主が訪れる火曜のピム社は賑わしい。特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。これには文案部も音をあげる。妙な新人が入社したのは、その火曜のことだった。前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は、社内を混乱の巷に導くが……。広告代理店の内実を闊達に描くピーター卿物の第八弾は、真相に至るや見事な探偵小説に変貌する。モダン!




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