『美しさと哀しみと』川端 康成(著) 2018
3/12
月曜日

本作品、僕が生まれる前後に「婦人公論」に連載(昭和36年1月~昭和38年10月)されていた。夏目漱石は短篇は読んだことがあるが、長編は初めてと随分遅咲きではあるが、「文学」という敷居の高さにも敬遠していたところがあったのも事実である。漱石が描く登場人物の女性、「音子」は男からみて都合のよい女、このような女性であってほしいと儚くも期待する男目線である。女性目線からすると「あり得ない」のではないかと少なからず不信感を抱いた。また、50年以上も前の作品のせいか、女性の「処女性」を神聖化する風潮がある。腑に落ちぬのは「けい子」が何故ゆえ「音子」を慕いつつも、あのような結末の行動をするのだろうか。そこが漱石の世界観なのだろうか。

 (ガーディアン必読1000冊:ロマンス 58作品読了/1,000)

美しさと哀しみと (中公文庫)
川端 康成

4122000203

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登録情報
文庫: 283ページ
出版社: 中央公論新社 (1973/8/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122000203
ISBN-13: 978-4122000209
発売日: 1973/8/10

商品の説明
言わずと知れた日本初のノーベル文学賞作家です。 『伊豆の踊子』『雪国』『千羽鶴』『古都』など日本の美を表現した作品を発表しました。幼くして孤児となった不幸な生い立ちが、のちの川端文学に大きな影を与えたと言われています。戦後は、日本古来の悲しみや美しさだけを描くと宣言して、『みずうみ』『眠れる美女』など、倫理をふみこえた世界を大胆に追求した作品を残しています。1968年のノーベル文学賞の受賞から4年後の1972年にガス自殺をとげました。




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