『ソロモン王の絨毯』バーバラ・ヴァイン(著) 2018
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日曜日

原書は、KING SOLOMON'S CARPET(1991)。ゴールド・ダガー賞受賞作、ガーディアン選定作品。文体としてクールながら、ストーリーは淡々と進展する感じ。「~であるはずが、そうではなかった」の表現が多いが、僕は好きだ。小道具、アイテムが潤沢で、さり気なくストーリーの中に散らばっている。アクセルがアリスを落としていく、アリスがアクセルに夢中になってしまうアプローチの中で、期待を裏切られることの繰り返しが女性をここまで変えるのか、わからないでもないが、心理的によく勉強されている。アクセルが何故テロ行為をするのか、動機が見えない。双子の妹に関連するのか、アリスもトムも中途半端だな。読み進めにくい本だ。

 (ガーディアン必読1000冊:犯罪系 53作品読了/1,000)

ソロモン王の絨毯 (角川文庫)
バーバラ ヴァイン Barbara Vine

4042541550

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登録情報
文庫: 457ページ
出版社: 角川書店 (2001/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4042541550
ISBN-13: 978-4042541554
発売日: 2001/10
内容(「BOOK」データベースより)
ロンドンの混んだ地下鉄で、一人の娘が圧死した。手に、ペルーの花嫁衣裳を握ったまま…。地下鉄マニアのジャーヴィスは祖父が残してくれた学校をアパートにしている家主。そこに集まってきたのは、出戻りの親戚で自由奔放なティナとその子供たち、地下鉄構内でフルートを吹くトム、夫と娘を捨てヴァイオリニストを目指すアリス。そして、謎めいた男アクセル…。愛憎入り乱れ、人生も目的も違う人々を乗せた“ソロモン王の絨毯”が行き着く先にある、驚くべき運命とは!?あなたは果して巧みに仕掛けられた謎に気づくことが出来るか?ゴールド・ダガー賞受賞作。



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