原書は、KING SOLOMON'S CARPET(1991)。ゴールド・ダガー賞受賞作、ガーディアン選定作品。文体としてクールながら、ストーリーは淡々と進展する感じ。「~であるはずが、そうではなかった」の表現が多いが、僕は好きだ。小道具、アイテムが潤沢で、さり気なくストーリーの中に散らばっている。アクセルがアリスを落としていく、アリスがアクセルに夢中になってしまうアプローチの中で、期待を裏切られることの繰り返しが女性をここまで変えるのか、わからないでもないが、心理的によく勉強されている。アクセルが何故テロ行為をするのか、動機が見えない。双子の妹に関連するのか、アリスもトムも中途半端だな。読み進めにくい本だ。
(ガーディアン必読1000冊:犯罪系 53作品読了/1,000)
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